不定詞の3つの用法・完全ガイド|動名詞との違いや原形不定詞も

英文法不定詞
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不定詞とは to do( to + 動詞の原形)で表される表現のことで、その使い方には名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法の3つがある。

ここでは、それぞれの意味や使い方に加えて、動名詞( doing / 〜すること)との違い原形不定詞( to がない不定詞)を使う表現など、不定詞の基本と応用をマスターしていこう。

体系的な内容なので、LINE の Keep(自分専用トーク)などに保存しておくのもオススメだ。

CONTENTS

不定詞の3つの用法

不定詞( to do )には、

1. 名詞的用法(〜すること)
2. 形容詞的用法(〜するための、など)
3. 副詞的用法(〜するために、など)

という3つの使い方がある。それぞれ、詳しく見ていこう。

1. 名詞的用法の不定詞

名詞的用法の不定詞とは、単語一語の名詞( apple や friend など)と同じように、主には主語S・補語C・他動詞の目的語Oになる不定詞( to do )のことだ。

To be yourself is the first step towards happiness.

(自分らしくあることが幸せへの第一歩だ。)

Our goal is to complete the project by next month.

(私たちの目標は来月までにその計画を完了させることだ。)

We decided to postpone the meeting.

(私たちはミーティングを延期することにした。)

こうした例文からもわかるように、まずは名詞的用法の不定詞は「名詞の一種」だということを押さえておこう。

また、名詞的用法の不定詞が前置詞の目的語Oになったり、前の名詞を同格的に修飾したりするケースもあるが、これらは中級者向け(高校英語相当)の内容なので、必要があれば以下のページで学んでおこう。

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不定詞と動名詞の違い

名詞的用法の不定詞( to do )と動名詞( doing )は、どちらも「〜すること」という意味の表現だが、大枠として次のような違いがある。

名詞的用法の不定詞
( to do /〜すること)

「未来に向かって」というイメージ
・前置詞の to(〜の方へ)のニュアンスとも重なる

動名詞
( doing /〜すること)

「目の前のこと」や「これまでのこと」というイメージ
・現在分詞( doing /〜している)のニュアンスとも重なる

これらの使い分けも英文法(語順のルール)の基礎なので、以下のページでよく学んでおこう。

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形式主語構文と不定詞

また、名詞的用法の不定詞(〜すること)は「名詞の一種」なので、形式主語構文における真主語(本当の主語)になることも多い。

It is necessary to sleep well for good health.

(健康のためにはよく眠ることが必要だ。)

形式主語構文はとても英語らしく重要な表現なので、名詞的用法の不定詞と関連付けて押さえておこう。

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2. 形容詞的用法の不定詞

形容詞的用法の不定詞とは、単語一語の形容詞( beautiful や large など)と同じように、名詞を修飾したり、補語Cになったりする不定詞( to do )のことだ。

意味としては、「〜するための」「〜するような」が基本だが、文脈によっては「〜するだろう(未来)」「〜できる(可能)」「〜すべき(義務)」といったニュアンスを含むこともある。

I found a good place to stay during my vacation.

(休暇中に過ごせる素敵な場所を見つけた。)

I have a lot of work to complete before the deadline.

(締め切りまでに終わらせるべき仕事がたくさんあるんです。)

This tool enables us to work more efficiently.

(このツールのおかげで私たちはより効率的に仕事ができる。)

※ここでの不定詞は名詞を修飾しているのではなく、第5文型(SVOC)の補語Cになっている。

形容詞的用法の不定詞については、初心者は名詞を修飾するものを、中級者は補語Cになるものまでをしっかりと押さえておこう。

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前置詞で終わる不定詞

形容詞的用法の不定詞が名詞を修飾する場合、その不定詞が前置詞で終わることがある。

I need something to write with.

(何か書くためのものが必要です。)

普通、前置詞の後ろには名詞を表現する必要があるが、こうした表現では、前置詞の後ろに名詞を置かないので気を付けよう。

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be to 不定詞

不定詞を使った慣用表現に、いわゆる be to 不定詞( be to do )というものがある。「〜することになっている」というニュアンスが軸の表現で、便宜上、be to ≒ will / should / can と置き換えて考えることもある。

Your package is to be delivered tomorrow morning.
≒ Your package will be delivered tomorrow morning.

(あなたの荷物は明日の午前中に届くことになっています。)

文法的には、形容詞的用法の不定詞が be 動詞の補語Cになった表現だ。

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3. 副詞的用法の不定詞

副詞的用法の不定詞とは、単語一語の副詞( fast や so など)と同じように、動詞や形容詞・副詞を修飾する不定詞( to do )のことだ。

動詞を修飾するときには目的(〜するために)を表し、形容詞や副詞を修飾するときにはそれらの意味を補足したり、程度(〜するほど)を表したりすることが多い。

I bought a trampoline for home use to keep fit.

(家庭用のトランポリンを買ったんだ、健康でいるためにね。)

Some secrets are hard to keep.

(黙っておくのが難しい秘密もある。)

他にも重要な意味がいくつかあるので、以下のページで詳しく学んでおこう。

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不定詞の意味上の主語

不定詞の「意味上の主語」とは、不定詞( to do )が表す動作を行う主語のことだ。文の主語(文構造上の主語)と区別するために、単に「主語」とは呼ばず、「意味上の主語」という言葉がよく使われる。

基本的には、不定詞の直前に “for someone / for something” という形で表現するが、形容詞的用法の不定詞(〜するための、〜するような)では、これに該当しないことが多いので注意が必要だ。

英語は「主語と動詞の繋がり」を大切にする言語なので、不定詞の意味上の主語についても丁寧に学んでおこう。

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原形不定詞( to がない不定詞)

原形不定詞とは、その名の通り、to が省略されて動詞の原形だけが残った不定詞のことだ。

原形不定詞を使う表現としては、

1. 使役動詞( make / have / let )
2. 知覚動詞( see, hear など)
3. help someone (to) do

の3つを押さえておけば大丈夫だ。

1. 使役動詞( make / have / let )

使役動詞とは「人に〜させる」という意味を持つ動詞のことで、代表的なものに make, have, let, get の4つがある。

特に、make, have, let を使うときには、原形不定詞( to がない不定詞)が続くので注意が必要だ。

それぞれの使役動詞のニュアンスの違い使役動詞が作る文型などをしっかりと学ぶことで、読解力・表現力に繋がる文法力を養っていこう。

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2. 知覚動詞( see, hear など)

近日公開

3. help someone (to) do

help(を助ける)は “help someone (to) do” という形の第5文型(SVOC)を作ることがあるが、補語Cになっている不定詞が原形不定詞になることもある。

She helped me (to) prepare for the party.

(彼女は私がパーティの準備をするのを手伝ってくれた。)

以下のページでは、help の基本的な使い方に加えて、to が「あるとき」と「ないとき」の違いについても学ぶことができる。

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不定詞を使った重要表現

不定詞を使った重要表現としては、

1. in order to(〜するために)
2. so as to(〜するために/〜するほど)
3. enough to(〜するほど)
4. too ... to(…すぎて〜できない)

の4つを押さえておこう。日常的にも TOEIC や英検などの試験でも頻出のものばかりだ。

1. in order to

in order to は目的(〜するために)を表す表現で、文法的には、副詞的用法の不定詞に in order を添えたものだ。

副詞的用法の不定詞には、目的(〜するために)・感情の原因(〜して)・判断の根拠(〜するとは)など、いくつかの意味があるが、目的の意味だということをハッキリさせることが in order の役割だ。

I wake up early in order to exercise before work.

(仕事の前に運動するために、早起きしています。)

また、こうした意味に加えて、「意味上の主語の表し方」「 not の位置」「 so that 構文への書き換え」なども押さえておこう。

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2. so as to

so as to は比較的フォーマルな印象の表現で、目的(〜するために)や程度(〜するほど)・結果(とても…なので〜する)を表すときに使われるものだ。

I organized my files so as to find them easily later.

(書類を整理しました、後ですぐに見つけられるように。)

The explanation was so complicated as to confuse the audience.

(その説明はとても複雑だったので、聞き手を困惑させた。)

学術論文などで好まれる表現として押さえておこう。

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3. enough to

enough to は程度(〜するほど)や結果(とても…なので〜する)を表す表現で、文法的には、副詞的用法の不定詞に enough(とても)を添えたものだ。

The room is large enough to hold the entire family.

訳し上げ(程度):
その部屋は家族全員が入れるほど大きい。

訳し下げ(結果):
その部屋はとても大きいので、家族全員が入れる。

※程度(〜するほど)と結果(とても…なので〜する)は「訳し上げ」なのか「訳し下げ」なのかが違うだけで、本質的な意味に違いがあるわけではない。

enough to についても、意味だけでなく、「意味上の主語の表し方」「 not の位置」「 so that 構文への書き換え」なども押さえておこう。

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4. too ... to

too … to は程度(〜するには…すぎる)や結果(…すぎて〜できない)を表す否定的な意味の表現で、文法的には、副詞的用法の不定詞を使ったものだ。

The coffee is too hot to drink immediately.

訳し上げ(程度):
そのコーヒーはすぐには飲めないくらい熱い。

訳し下げ(結果):
そのコーヒーはとても熱いので、すぐには飲めない。

※程度(〜するには…すぎる)と結果(…すぎて〜できない)は「訳し上げ」なのか「訳し下げ」なのかが違うだけで、本質的な意味に違いがあるわけではない。

ここでも、too ... to の意味に加えて、「意味上の主語の表し方」や「 so that 構文への書き換え」なども押さえておこう。

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