help 人 (to) do の使い方|動詞の原形(原形不定詞)を使う理由

身近な動詞である help(を助ける)だが、その使い方にはいくつかの注意点がある。
ここでは、読解力にも表現力にも影響のある help の使い方について、文型(語順)に気を配りながら確認していこう。
この記事を読んで得られること
- help の使い方がわかる
- どんなときに原形不定詞(do)を使うのかがわかる
CONTENTS
help は「人」を目的語にとる
大前提として、help(を助ける)は「人」を目的語Oに取る他動詞だ。
中学校などで「『彼の宿題を手伝う』は “help his homework” じゃなくて “help him with his homework” だよ!」と教わった記憶があるかもしれないが、これは別の言い方をするなら、他動詞 help は物事(his homework)ではなく人(him)を目的語Oに取ることを表している。
ここを押さえた上で、具体的な表現方法を見てみよう。
1. help 人 with 物事
help は「人」を目的語Oに取る他動詞なので、「何を手伝うのか?」については前置詞 with の後ろに表現する。
誰かこれを手伝ってくれる人いない?
彼女は昨日、私の髪(をセットするのを)手伝ってくれた。
あなたの抱えている問題を無料でお手伝いしますよ。
2. help 人 to do
また、「物事(名詞)を手伝う」というよりは「動作を手伝う」というニュアンスの場合には “help 人 to do” という形で表現する。
隣に住んでいる人が部屋を掃除するのを手伝ってくれた。
このビデオはあなたが新たな法律を理解する手助けとなるでしょう。
瞑想は私たちが頭の中をスッキリさせるのを助けてくれる。
この表現は、「人」と to do の間に「主語-述語の関係」が成り立っていることからもわかるように、第5文型(SVOC)の一種だ。
help に限らず、「他動詞+人+ to do」は第5文型(SVOC)の代表的な形なので、こういった文型についての理解に不安があれば、以下のページの無料動画講義(全31回)を参考にしてほしい。
※ご参考:
第5文型(SVOC)の本質を
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原形不定詞を使うときの気持ちとは?
“help 人 to do(人が~するのを手助けする)” という表現では、原形不定詞(to がない不定詞)が使われることもある。
不定詞(to do)を使った場合と原形不定詞(do)を使った場合の違いは、過程に注目しているのか、結果に注目しているのかだ。
隣に住んでいる人が部屋を掃除するのを手伝ってくれた。
※ to がある場合は「過程」に気持ちがある。
隣に住んでいる人が部屋を掃除するのを手伝ってくれた。
※ to がない場合は「結果」に気持ちがあり、「最後まで手伝ってくれた」という感じ。
不定詞の to は前置詞の to(~に向かって)に近いイメージの言葉で、「未来に向かって」という過程や方向感を表している。
その to がない原形不定詞を使うということは、過程や方向感に気持ちがあるのではなく、最終的な結果に気持ちがあるということだ。
日本語にはその違いは現れないが、文脈によっては to を表現すると不自然になることもあるので、中級者であれば気にしてもいいかもしれない。
注意:「人」が省略されて「help + 動詞の原形」になることも
また、 “help + 人 + to do” で厄介なのが、to だけでなく「人」が省略されることもあるという点だ。
ユーモアは私たちが人間性を保つのを助けてくれる。
※省略を補えば “Humor helps (us) (to) preserve humanity.” ということ。
このように、help の目的語Oである「人」が「世間一般の人々」の場合、それが省略されることがある。
こうなると、表面的には動詞が2つ続いて見えるので、注意が必要だ。
さいごに「help を特別扱いしないことが重要」
ここで学んだように、help は「人」を目的語Oに取って、
2. help A (to) do(Aが〜するのを手助けする)
という使い方をする。
特に、 “help A (to) do” については、to が省略されることもあったり、A(人)が省略されることもあったりして難しく感じるかもしれないが、その骨組みは「他動詞+人+to do」という第5文型(SVOC)の代表的な形になっている。
help を特別扱いせず、第5文型(SVOC)を作る動詞の一種だと押さえておくと、知識を体系化しやすいだろう。
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