自動詞と他動詞の決定的な違い!2つを見分けてセンスを磨け

英文法英文法の基礎
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自動詞とは、動詞そのものに「を」「に」が含まれず、目的語Oがいならい動詞 のことだ。

一方で、他動詞とは、動詞そのものに「を」「に」が含まれる、目的語Oが必要な動詞のことだ。

ここでは、英語の理解力や表現力を伸ばすための第一歩として、「自動詞と他動詞の違い」や「一生使える見分け方」について学んでいこう。

この記事を読んで得られること

  • 自動詞と他動詞の「違い」がわかる
  • 自動詞と他動詞の「見分け方」がわかる
  • 英文法の勉強の順番がわかる

CONTENTS

自動詞と他動詞の違いを動画で学びたい人はこちら

以下のページでは、「なぜ look は自動詞で watch は他動詞なのか?」という切り口で、自動詞と他動詞の違いについてお話ししている。

もしもあなたが「文章よりも動画の方が理解しやすい」というタイプなら、ぜひ参考にしてほしい。

※動画で解説 >>
なぜ look は自動詞で
watch は他動詞なのか?

自動詞と他動詞のシンプルな違い

自動詞と他動詞のもっともわかりやすい違いは、動詞そのものに「を」「に」といった意味が含まれるかどうかだ。

例えば、「見る」という動作を表す動詞として、look と watch を比べてみよう。

自動詞と他動詞の違い-1
 
自動詞と他動詞の違い-2
 
同じ「見る」という動詞でも、(a) の looked には「を」が含まれないのに対して、(b) のwatched には「を」が含まれていることがわかる。前置詞 at(~を)を使わない (b) では、動詞 watched が「を」の意味まで引き受けているということだ。

同じように、「入る」という動作を表す動詞として、come と enter を比べてみてもいい。

自動詞と他動詞の違い-5
 
自動詞と他動詞の違い-6
 
こちらも、同じ「入る」という動作を表す動詞でも、(c) の came には「に」が含まれないのに対して、(d) の entered には「に」が含まれていることがわかる。前置詞 into(~に・~へ)を使わない (d) では、動詞 entered が「に」の意味まで引き受けているということだ。

このように、英語には、動詞そのものに「を」「に」を含まない動詞と、「を」「に」を含む動詞の2種類があり、前者が自動詞、後者が他動詞だ。

自動詞:「を」「に」を含まない
他動詞:「を」「に」を含む

もちろん、これから英文法(語順のルール)を丁寧に学んでいけば、動詞そのものに「に」を含む自動詞(第2文型SVCを作る自動詞/後述)などに出会うこともあるが、基礎固めの段階では、上記のように押さえておいて問題ない。

補足:「は」は be 動詞の意味じゃないの?

先ほどの (a) - (d) を見るとわかるように、英語では主語S(He や She など)に「は」や「が」の意味が含まれる。

たまにいただくご質問に、「『は』や『が』は be 動詞が担っている意味じゃないの?」という声があるが、be 動詞を使っていようがいまいが「彼は」という意味は成り立っているはずだ。

◆ be 動詞あり
He is so wise.
彼「は」とても賢い。
◆ be 動詞なし
He looked at me.
彼「は」私を見た。

ということは、「は」「が」は be 動詞が担っている意味ではなく、やはり英語では、主語Sに含まれる意味だということがわかる。

目的語による自動詞と他動詞の違い

なお、教科書や参考書などでは、

自動詞:目的語Oがいらない動詞
他動詞:目的語Oがいる動詞

と説明されることもあるが、こうした定義を丸暗記するだけでは腑に落ちにくいと思うので、最初に確認した、

自動詞:「を」「に」を含まない動詞
他動詞:「を」「に」を含む動詞

という視点と関連付けて説明しておこう。

他動詞とは目的語がいる動詞

他動詞の後ろに目的語Oが必要なのは、動詞そのものに「を」「に」が含まれているからだ。

先ほどの2つの英文を改めて見比べてみよう。

自動詞と他動詞の違い-1
 
自動詞と他動詞の違い-2
 
(b) では「を」を含む動詞 watched が使われているが、仮に watched の後ろに何も表現されていなかったとしたら、どうだろう?

自動詞と他動詞の違い-3
 
“I watched” だけだと「私は を見た」となり、文の形が不完全だ。そこで、こうした「を」「に」を含む動詞の後ろには、必ず「何」に当たる名詞が必要となり、これを目的語Oと呼んでいる。

「他動詞には『を』『に』が含まれるから、目的語Oが必要」という流れを押さえておこう。

自動詞とは目的語がいらない動詞

一方、自動詞の後ろに目的語Oがいらないのは、動詞そのものに「を」「に」が含まれていないからだ。

先ほどの (a) “He looked at me.” では「を」を含まない動詞 looked が使われているが、仮に looked の後ろに何も表現されていなかったとしたら、その場合はどうだろう?

自動詞と他動詞の違い-4
 
この場合、He looked(彼は見た)は文の形としては成り立っているので、直後に名詞(目的語O)を置く必要はない。(置くことはできない。)

確かに自動詞とは目的語Oがいらない動詞のことだが、ここでも「自動詞には『を』『に』が含まれないから、目的語Oが不要」という流れを押さえておこう。

よくある間違い

私が学習塾で約8年間、オンラインで10,000人以上に英文法(語順のルール)を教えてきた経験からすると、次の3つが自動詞と他動詞についての「よくある間違い」だ。

(1)自動詞の後ろには必ず前置詞がくる?

あなたも「自動詞は後ろに前置詞が必要な動詞!」と教えられたことがあるかもしれないが、必ずしもそうとは限らないので注意しよう。次の2つの英文の動詞は、どちらも自動詞だ。

◆自動詞の後ろに「前置詞」がある表現

I arrived at the restaurant.
レストランに着いたよ。

◆自動詞の後ろに「副詞」がある表現

He swims so fast.
彼はとても速く泳ぐ。

前置詞の有無ではなく、あくまでも「動詞そのものに『を』『に』が含まれるかどうか」「目的語Oが必要かどうか」が自動詞と他動詞の違いだと押さえておこう。

(2)自分で行う動作が自動詞?

「動詞の意味合い」から自動詞と他動詞を見分けようというのも、よくある間違いだ。

自動詞:自分が行う動作(×)
他動詞:他のもの(人)に対して行う動作(×)

確かに、こうした考え方が(たまたま)当てはまる場合もあるが、必ずしもそうとは限らない。「動詞の意味合い」に注目していると、例えば、次のような動詞を「自動詞」だと思ってしまいがちだ。

◆「動詞の意味合い」から考えると自動詞っぽく思えるもの(実際には他動詞)

reach(に着く)
leave(から出発する)
enter(に入る)
approach(に接近する)
discuss(について議論する)

これらは動詞はすべて他動詞だ。動詞の意味合い(自分で行う動作 or 他のものに対して行う動作)から自動詞・他動詞を判断しようとすると、すべて自動詞(自分で行う動作?)のように思えてくるので注意が必要だ。

(3)become は他動詞?

ここは初心者は後回しでもいいかもしれないが、英文法(語順のルール)を理解する上では、避けては通れないポイントだ。

become(になる)は「に」を含む動詞(後ろに言葉を続けなければならない動詞)だが、他動詞ではなく自動詞なので注意しよう。

なぜ、become が他動詞ではなく自動詞なのかと言うと、後ろに続く言葉が目的語Oではなく補語Cだからだ。

目的語O
・主語Sとイコール関係ではない
・品詞は「名詞」だけ

補語C
・主語Sとイコール関係
・品詞は「名詞」または「形容詞」

※ご参考:補語Cって何?
目的語との違いとは >>

自動詞と他動詞の違い-7
 
※ a great person(素晴らしい人物)は He とイコール関係なので補語C。名詞だが、ここでは目的語Oではない。

自動詞と他動詞の違い-8
 
※ famous(有名だ)は He とイコール関係なので補語C。形容詞なので、そもそも目的語Oにはならない。

文法的には、目的語Oという文の要素の有無によって自動詞・他動詞が分類されている。become など第2文型(SVC)をつくる動詞は、動詞そのものに「に」が含まれてはいるが、目的語Oが続くわけではないので自動詞ということだ。

 

自動詞と他動詞の見分け方

なお、英語を理解する(読む・聞く)にせよ、表現する(話す・書く)にせよ、自動詞と他動詞を見分けるためには、次の3つのポイントを押さえておくのが効果的だ。

◆自動詞と他動詞を見分ける3つのポイント

(1)英語では他動詞が使われることが圧倒的に多い
(2)純粋な名詞以外にも目的語Oになるものが4つある
(3)英単語の意味を覚える際に「自動詞」を意識する

それぞれ、簡単に説明しておこう。

(1)英語では他動詞が使われることが圧倒的に多い

大前提として、英語では「他動詞が使われることが圧倒的に多い」ということを押さえておこう。「9割くらいが他動詞」だと思っておいても損はない。

動詞に出会ったり、動詞を使うときには、まずは「他動詞なんじゃないの?」と考えて、目的語Oを探したり、目的語Oを表現しようとする意識を持とう。

これだけでも、英文法(語順のルール)がものすごくわかりやすくなる。

(2)純粋な名詞以外にも目的語Oになるものが4つある

目的語Oというと「単語一語の名詞」というイメージが強いかもしれないが、次の4つのカタマリ(句または節)も、他動詞の目的語Oになりうる「大きな名詞」だ。

◆名詞と同じ働きをする4つのもの

名詞的用法の不定詞(名詞句)
動名詞(名詞句)
that 節(名詞節)
間接疑問文(名詞節)

これらが他動詞の目的語Oになりうるということを知っておくと、出会った動詞が他動詞だと気付きやすくなる。

詳しくは以下のページで解説しているので、英文法(語順のルール)を身に付けたい場合には、ぜひ参考にしてほしい。

※ご参考:一生使える!
自動詞と他動詞の見分け方 >>

(3)英単語の意味を覚える際に「自動詞」を意識する

単語帳や辞書によっては、自動詞なのか他動詞なのかがわかるように意味が記載されているものがある。

よくあるパターンとしては、

自動詞:「を」「に」が記載されていない
他動詞:「を」「に」が記載されている

といった形で、具体的には、

depend(依存する)
complain(不満を言う)
raise育てる、上げる)
equip備え付ける)

といった表記の仕方だ。(この場合だと、depend と complain が自動詞、raise と equip が他動詞ということになる。)

もちろん、すべてを丸暗記するのは大変なので、「英語では他動詞が圧倒的に多い」という前提に立って、少数派の「自動詞」だけを意識するのがオススメだ。

代表的な自動詞を覚えておくだけでも、「これは自動詞」「これは(おそらく)他動詞」という判断がしやすくなる。

補足:紛らわしい自動詞と他動詞

先にお話しした通り、「『入る』だから自動詞」「『見る』だから他動詞」というように、動詞の意味合いから自動詞・他動詞を判断しようとすると、間違いやすいものだ。

ここでは、間違えやすい自動詞と他動詞を見ておこう。

自動詞っぽい他動詞

次の動詞は、動詞の意味から考えると自動詞のように思えるが、実は他動詞なので、後ろにはしっかりと目的語O(名詞)を表現するよう注意しよう。

reach(に着く)
leave(から出発する)
approach(に接近する、に取り組む)
enter(に入る)
marry(と結婚する)
discuss(について議論する)
survive(を生き抜く、より長生きする)
consult((専門家)に相談する)

他動詞っぽい自動詞

次の動詞は、動詞の意味から考えると他動詞のように思えるが、実は自動詞なので、直後に目的語O(名詞)を表現しない。それぞれ、どんな前置詞と一緒に使う動詞なのかを知っておこう。

wait for(を待つ)
think of/about(を考える)
complain of/about(について不満を言う)
look at(に視線を送る)
listen to(に耳を傾ける)
consult with((身近な人に)相談する)

※ think や complain の後ろには that 節が続くこともよくあり、その場合は他動詞として扱うこともできる。本当のところを言うと、「前置詞の目的語Oに that 節がくると前置詞は必ず省略される」という英文法のルールがあり、見かけ上、他動詞に見えているだけ。 "think (of/about) that SV" ⇒ 前置詞が省略されるので think が他動詞に見える。

さいごに「自動詞と他動詞の違いがすべての基礎」

ここでは自動詞と他動詞の基本的な違いについて学んだ。

自動詞:「を」「に」が含まれておらず、目的語Oがいらない動詞
他動詞:「を」「に」が含まれていて、目的語Oがいる動詞

このページの解説がわかりやすかったとしたら、あなたが英語学習ボックスの無料動画講義(全31回)で英文法の基礎をマスターできる可能性は高い。

動画講義は文章以上にわかりやすいと思うので、必要があれば、上手く活用しよう。