
自動詞と他動詞の違いは、あらゆる英語の表現に繋がる重要な基礎だ。
ここでは、「自動詞と他動詞の違い」や「一生使える見分け方」について解説しよう。
学校の授業や教科書・参考書で挫折したことのある人は、ぜひ参考にしてほしい。
・自動詞と他動詞の「違い」がわかる
・自動詞と他動詞の「見分け方」がわかる
・英文法の勉強の順番がわかる
この記事の目次
自動詞と他動詞の違いを動画で学びたい人はこちら
まず、以下のページでは、「なぜ look は自動詞で watch は他動詞なのか?」という切り口で、自動詞と他動詞の違いについてお話ししている。
もしもあなたが「動画で直感的に理解したい」というタイプなら、ぜひ参考にしてほしい。
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なぜ look は自動詞で、
watch は他動詞なのか?
「教科書に書いてある」自動詞と他動詞の違い
教科書や参考書をめくると、自動詞や他動詞のところでは、必ず「目的語」という言葉が出てくる。
確かに、自動詞と他動詞は、この「目的語」のナシ・アリによって分類されているものだ。
自動詞とは
自動詞は目的語(O)を必要としない動詞だ。
もっとも簡単な自動詞には、walk, run, swim, fly, sleep, arrive, go, look などがある。
また、「前置詞が必要なものが自動詞だ」と言われることもあるが、自動詞には必ずしも前置詞が必要というわけではないことに注意しよう。
スタバに着いたよ。
He swims so fast.
彼はめちゃくちゃ速く泳ぐ。
後ろに前置詞のある arrived も、前置詞がなく副詞(so fast)が続いている swim も、どちらも自動詞だ。
他動詞とは
他動詞は目的語(O)を必要とする動詞だ。
簡単なところだと、have, make, see, watch, find, hear, buy などが挙げられる。
新しいノートパソコンを買ったんだよ。
… 目的語(O)は a new laptop
I made this bento box for my sister.
(写真を見せながら)妹のためにお弁当作ってあげたんだ!
… 目的語(O)は this bento box
ちなみに
目的語(O)は品詞ではなく文の要素と呼ばれるものだ。品詞と文の要素を区別することは、自動詞と他動詞の違いを理解することと同じくらい重要なので、「SとかOとかCって品詞じゃないの?」と思ったなら、ぜひまた後で以下の記事を参考にしてほしい。
※参考記事:品詞じゃないので要注意!主語S・目的語O・補語Cって何なの?
自動詞と他動詞の「もっとわかりやすい」違い
さて、ここまで「教科書などに書かれてある自動詞・他動詞の違い」について触れてきた。
確かに、目的語(O)のナシ・アリによって自動詞・他動詞は分類されているし、学問的に何の間違いもない。
ただ、それが私たちにとってわかりやすいかどうかは、また別の話だ。
そもそも、英語の勉強を始めた初心者にとっては目的語(O)という言葉自体がよくわからないわけだから、「自動詞は目的語がいらない動詞で、他動詞は目的語がいる動詞である」という説明は説明になっていない。
そこで続いては、もっと違った角度から、自動詞と他動詞の違いに光を当てることにしよう。
自動詞には「を」「に」が含まれていない
実は、自動詞と他動詞の違いは「動詞そのものが持っている意味(訳)」に注目すると、非常にわかりやすい。
単語一つひとつを訳してみるとわかるように、arrive や swim には「を」や「に」といった言葉が含まれていない。
動詞そのものに「を」や「に」という意味が含まれていないからこそ、後ろに何も続かなくても(目的語が続かなくても)文として成り立つわけだ。(もちろん、意味として十分かどうかは別として。)
「私は着いた」だけでも、文として成り立つ
「彼は泳ぐ」だけでも、文として成り立つ
このように、「を」や「に」が含まれていない動詞が自動詞だ。
他動詞には「を」「に」が含まれている
これに対して、動詞そのものに「を」や「に」という意味が含まれているものもある。
こういった動詞の場合、動詞の直後で文が途切れてしまうと、文として成り立たなくなってしまう。
「私はを買った」だと、成り立たない
「私はに聞いた」だと、成り立たない
それゆえ、「を」や「に」を含む動詞の後ろには「何を買ったのか」の「何」に当たるものや、「誰に聞いたのか」の「誰」に当たるものを添えなければならなくて、その「何」「誰」に当たるものが目的語(O)なのだ。
教科書などによると目的語(O)を必要とする動詞が他動詞だったが、このように、「を」や「に」が含まれている動詞が他動詞だと押さえると、自動詞との違いがとてもわかりやすい。
補足:厳密には「に」を含む自動詞もあるが…
なお厳密に言うと、「に」という意味が含まれている自動詞もある。
become など、第2文型(SVC)をつくる動詞がその代表だ。
確かにこの become という動詞の場合、直後で途切れてしまっては文として成り立たない。
「私の妹はになった」だと、成り立たない
けれども、後ろに続いている名詞が目的語(O)ではなくて補語(C)なので、become は自動詞の一種ということになる。
目的語(O)… 主語とイコールではない
補語(C)… 主語とイコール
ただこの点については、英語の基礎固めの段階では、いったん置いておく方が無難だ。
初めのうちは
他動詞 …「を」「に」を含む動詞
と押さえておく方が馴染みやすいし、実際、第2文型(SVC)をつくる自動詞は数が限られれている。
学問的な正しさよりもわかりやすさを大切にしよう。
一生使える!自動詞と他動詞の見分け方
ここまで学んだあなたは、
「自動詞と他動詞の違いはわかったけど、どうやって見分けたらいいの?」
という新たな疑問を持っているかもしれない。
自動詞と他動詞の具体的な見分け方については、以下のページで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。
これを読むだけでも、読解力や表現力が伸びるキッカケを掴めるはずだ。
※ご参考:一生使える!自動詞と他動詞の見分け方|3つのポイント
英単語を覚えるときに、自動詞・他動詞を確認しよう
また、単語帳によっては、動詞を自動詞・他動詞に分けて記載してあるものもある。
depend … 依存する
complain … 不満を言う
raise … を育てる、を上げる
equip … に備え付ける
このように、自動詞の場合には「を」「に」が記載されておらず、他動詞の場合には「を」「に」が記載されていたりする。
英単語の意味と併せて、自動詞なのか他動詞なのかを覚えると、英語での表現をしやすくなったり、文章を読みやすくなったりするという効果がある。
余力があれば、英単語の意味を覚えるついでに、自動詞なのか他動詞なのかにも気を配ろう。
さいごに「自動詞と他動詞の違いがわからないと、何も始まらない!」
ここでは、自動詞と他動詞の違いについてお話しした。
他動詞 …「を」「に」が含まれていて、目的語(O)が必要な動詞
これをしっかりと押さえておこう。
また、不定詞・動名詞・分詞・関係詞については、自動詞と他動詞の違いがわかっていないと、いくら勉強してもなかなか身に付かない。
具体的な文法単元の勉強を始める前に、まずはこういった英語の基礎を身に付けるようにしよう。
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