自動詞と他動詞の違いと見分け方|英語の基礎をマスターしよう!

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自動詞とは、動詞そのものに「を・に」が含まれず、目的語Oがいならい動詞のことだ。

一方で、他動詞とは、動詞そのものに「を・に」が含まれる、目的語Oが必要な動詞のことだ。

ここでは「自動詞と他動詞の違い」「初心者向けの見分け方」「中級者向けの見分け方」を学んでいこう。

CONTENTS

自動詞と他動詞の違い

look(見る)や come(来る)など、自動詞には「を・に」が含まれておらず、目的語Oを表現しなくても文の形が成り立つ。

一方で、watch(を見る)や enter(に入る)など、他動詞には「を・に」が含まれているので、その直後で文を終わらせることができず、目的語Oを表現する必要がある。

自動詞

・「を」「に」を含まない
・目的語Oは不要

他動詞

・「を」「に」を含む
・目的語Oが必要

それぞれ、詳しく見てみよう。

例1. look と watch の違い

「見る」という動作を表す動詞として、look と watch を比べてみよう。

He looked at me.

He:彼は
looked:見た(自動詞)
at:を
me:私

He watched me.

He:彼は
watched:見た(他動詞)
me:私

同じ「見る」という動詞でも、looked(見た)には「を」が含まれないのに対して、watched(を見た)には「を」が含まれているのがわかる。

ここで、watched(を見た)の後ろに何も表現していない “He watched.” という文を考えてみよう。

He watched.(×)
(彼は を見た。)

おわかりのように、これだと「彼は を見た」という意味になってしまい、文の形が不完全だ。そのため、「を」を含む動詞(他動詞)の後ろには名詞を表現する必要があり、これを目的語Oと呼んでいる。

他動詞の後ろに目的語Oが必要なのは、動詞そのものに「を」が含まれているからだ。

同じように、looked(見た)の後ろに何も表現していない “He looked.” という文も考えてみよう。

He looked.(○)
(彼は見た。)

こちらは(意味が十分かどうかはともかく)、文の形は「彼は見た」で成り立っている。そのため、「を」を含まない動詞(自動詞)の後ろには、名詞を目的語Oとして表現する必要がない。

自動詞の後ろに目的語Oがいらないのは、動詞そのものに「を」が含まれないからだ。

例2. come と enter の違い

同じように、「入る」という動作を表す動詞として、come と enter を比べてみよう。

She came into my room.

She:彼女は
came:入った(自動詞)
into:に
my room:私の部屋

She entered my room.

She:彼女は
entered:入った(他動詞)
my room:私の部屋

同じ「入る」という動詞だが、came(入った)は「に」を含まない自動詞で、entered(に入った)は「に」を含む他動詞だということがわかる。

自動詞と他動詞の見分け方

自動詞と他動詞を見分けられるかどうかは、英語の読解力や表現力に大きく関わってくる。

ここでは、自動詞と他動詞の見分け方を「初心者向け」と「中級者向け」に分けて押さえていこう。

【初心者向け】の見分け方

自動詞と他動詞の見分け方としては、基本的には次の3点に注目しておこう。

1. 英語では「他動詞」が圧倒的に多い
2. 間違えやすい「他動詞」を覚えておく
3. 前置詞の有無に注目する(ただし万能ではない)

1. 英語では「他動詞」が圧倒的に多い

大前提として、英語では「他動詞」が使われることが圧倒的に多い。「9割くらいが他動詞」だと思っておいてもいいくらいだ。

そこで、数が少ない「自動詞」の方をしっかりと覚えるようにしよう。

基本的には、walk(歩く)、run(走る)、swim(泳ぐ)、talk(話す)など、小中学校でも出てきそうな「自分だけで行う動作」が自動詞の代表だ。

※ご参考:自動詞を覚えたいあなたへ
【厳選200個】自動詞の一覧(レベル別)

また、英単語を覚えるときにも、数が少ない自動詞に注意を払おう。単語帳などでは、自動詞には「を・に」が添えられておらず、他動詞には「を・に」が添えられているので、そこを手がかりにしよう。

2. 間違えやすい「他動詞」を覚えておく

enter(入る)や discuss(議論する)など、動詞のニュアンスから考えると自動詞に思えるものもいくつか存在する。(実際には、これらは他動詞だ。)

動詞全体から見ると、数はそこまで多くないので、覚えておくと良さそうだ。

間違いやすい他動詞
(前置詞は不要)

enter(に入る)
discuss(を議論する)
marry(と結婚する)
reach(に着く)
leave(を出発する)
attend(に出席する)
oppose(に反対する)
inhabit(に住む)

3. 前置詞の有無に注目する(ただし万能ではない)

自動詞の直後には前置詞が続くことが多く、一方で、他動詞の直後には前置詞が来ないことが多い。

そこで、初心者の場合には、前置詞の有無に注目するのも一手だ。

前置詞がある → 自動詞

I went to Dubai on a business trip.
(出張でドバイに行った。)

Don’t come into my room without knocking.
(ノックもなしに部屋に入ってこないで。)

前置詞がない → 他動詞

I visited Dubai on a business trip.
(出張でドバイを訪れた。)

Don’t enter my room without knocking.
(ノックもなしに部屋に入ってこないで。)

ただし、この見分け方は万能ではないし、本質的でもない。実際の英文では、他動詞の直後に前置詞が続くこともあるからだ。

そこで、余力があれば、次の「中級者向けの見分け方」も押さえていこう。

【中級者向け】の見分け方

1. 代表的な「名詞句・名詞節」を知っておく
2. 副詞句に惑わされないようにする
3. 第2文型(SVC)を作る動詞は「自動詞」

1. 代表的な「名詞句・名詞節」を知っておく

他動詞の目的語Oになるのは、book や dog といった単語一語の名詞とは限らない。場合によっては、次の5つのもの(名詞句や名詞節)が他動詞の目的語Oになることもある。

● 名詞的用法の不定詞

I totally forgot to tell you about that.
(君にそのことを伝えるのをすっかり忘れてたよ。)

他動詞:forgot
目的語O:to tell you about that

● 動名詞

Do you remember coming here two years ago?
(二年前、ここへ来たのを覚えてる?)

他動詞:remember
目的語O:coming here two years ago

● that 節

I believe that equality is a fantasy.
(平等というのは幻想だと思う。)

他動詞:believe
目的語O:that equality is a fantasy

● 間接疑問文

Do you know where he is now?
(彼が今どこにいるか知ってる?)

他動詞:know
目的語O:where he is now

● 関係代名詞 what が導く名詞節

I get what you’re saying.
(君の言っていることはわかったよ。)

他動詞:get
目的語O:what you’re saying

こうした全体像を知っておくと、他動詞に気付きやすくなるので、しっかり押さえておこう。

2. 副詞句に惑わされないようにする

that 節や間接疑問文など、他動詞の目的語Oが長くなる場合には、副詞句が優先されて、目的語Oが後ろに回ることもある。

Please always keep in mind that you are loved.

(自分が愛されているということを忘れないでください。)

他動詞:keep
目的語O:that you are loved

※ 直後に前置詞 in があるが、keep は他動詞。

こうしたケースでは、「直後に前置詞があれば自動詞」という初心者向けの見分け方が通用しないので、注意が必要だ。

3. 第2文型(SVC)を作る動詞は「自動詞」

第2文型(SVC)は「SはCだ」「SはCになる」といった意味が軸の文型で、補語Cには名詞または形容詞を置くことができる。

特に、補語Cが名詞の場合には、動詞が他動詞に見えやすいので注意しよう。

She became a great person.

(彼女は素晴らしい人になった。)

自動詞:became
補語C:a great person

他動詞とは本来「目的語Oが必要な動詞」のことだ。be 動詞や become(になる)など、第2文型(SVC)を作る動詞の後ろには、確かに名詞が続くことがあるが、それは「主語Sとイコール関係の補語C」だ。目的語Oが続いているわけではないので、第2文型(SVC)を作る動詞は自動詞の一種なのだ。

さいごに|自動詞と他動詞の違いがすべての基礎

英文法(語順のルール)は、ここで学んだ「自動詞と他動詞の違い」を踏まえて学んでいくのがもっとも効果的だ。

英文法(語順のルール)を効率良く身に付けたい場合には、以下の無料動画講義(全31回)がお役に立てると思うので、ぜひ参考にしてほしい。