
関係代名詞 what は「~すること」「~するもの」という意味の表現だ。
ここでは、同じ「~すること」という意味を表す接続詞 that との違いを明らかにした上で、関係代名詞 what の基本的な使い方についてお話ししよう。
・関係代名詞 what と接続詞 that の違いがわかる
・関係代名詞 what の使い方がわかる
・英語の文構造を見抜きやすくなる
この記事の目次
関係代名詞 what と接続詞 that の大きな違い
あなたは、日本語の「~すること」という表現には、大きく異なる2つの意味があることにお気付きだろうか?
例えば、次の2つの表現を比べてみよう。
(2)彼が彼女と別れたことが信じられない。
同じ「こと」という表現でも、(1)が「物事・事柄」を表すのに対して、(2)は「その動作自体」を表している。
「事柄とか動作って言われても、違いがよくわからないよ……」
もしもそう思ったなら、「ということ」という言い回しに置き換えられるかどうかを、ぜひ試してもらいたい。
(2)彼が彼女と別れたということが信じられない。(○:自然)
このように、(1)は「ということ」という言い回しに置き換えると不自然だが、(2)は「ということ」という言い回しに置き換えても不自然ではない。
… “ということ” に置き換えると不自然
「その動作自体」を表す「こと」
… “ということ” に置き換えても自然
関係代名詞 what を学ぶ上で、まずは、日本語の「こと」には主にこの2つの意味があることを押さえておこう。
(熱心なあなたのために触れておくと、直前の「2つの意味があることを……」の「こと」は「その動作自体」を表す「こと」だ。動作というよりは状態だが。)
それでは続いて、関係代名詞 what と接続詞 that の違いを見てみることにしよう。
関係代名詞 what は物事・事柄を表す「こと」
関係代名詞 what は「物事・事柄」を表す「こと」を表現するときに使う。
私が人生で大切にしていることは他者への貢献だ。
私は彼があなたに言ったことを信じられない。
この後詳しく解説するが、関係代名詞 what が物事・事柄を表すのは、what 自体に the thing という名詞の働きが含まれているからだ。
ちなみに、関係代名詞 what は「こと」だけではなく「もの」という意味でも使われる。
彼の知識のなさこそ、彼を成功させたものだ。
接続詞 that はその動作自体を表す「こと」
一方で、接続詞 that は「その行動(状態)自体」を表す「こと」を表現するときに使うものだ。
彼が彼女と別れたことが信じられないよ。
I’ve learned that life is an attitude.
私は人生は姿勢だということを学んだ。
関係代名詞 what の後ろには、不完全な文が続く
次に、関係代名詞 what の後ろにはどんな形の文が続くのかを見てみよう。
このように、関係代名詞 what の後ろには不完全な文が続く。
不完全な文とは、主語Sがなかったり、他動詞の目的語Oがなかったりする文のことだ。関係代名詞(who, which, that および what)の後ろは、必ず不完全な文になる。
なお、基本的な関係代名詞(who, which, that)の使い方を身に付けていることが前提の説明にはなるが、関係代名詞 what は the thing which に置き換えるとかなりわかりやすくなる。
= The thing which I value in my life is contribution to others.
= I can’t believe the thing which he said to you.
このように、関係代名詞 what は先行詞 the thing と関係代名詞 which がくっついた言葉だ。
what を the thing which に置き換えると、後ろに不完全な文が続くのも納得がいくだろう。which の後ろは、いつも決まって不完全な文なのだから。
もしも今話したような関係代名詞(who, which, that)の基本的な使い方に不安がある場合には、以下のページを必ず確認しておいてほしい。
※参考記事:初心者必見!関係代名詞の使い方|who, which, that の違いや省略について
関係代名詞 what は名詞節を作る
これは、英文全体の形を的確に把握するために押さえておきたいポイントだ。
一般の関係代名詞(who, which, that)が形容詞節を作るのに対して、関係代名詞 what は名詞節を作る。
つまり、普通の名詞(dog や bag など)と同じように、関係代名詞 what が導く節も大きな名詞として働くということだ。
ここを押さえておくと、
「どこからどこまでが主語Sなのか?」
「どこからどこまでが目的語Oなのか?」
などをかなり判断しやすくなる。
what が作る節が主語Sになる例
彼がやったことは法律に違反する。
what が作る節が補語Cになる例
これが私が人生を通してやりたいことです。
what が作る節が他動詞の目的語Oになる例
君の言っていることはわかったよ。
what が作る節が前置詞の目的語Oになる例
彼がしたことについて、間違いはなかった。
関係代名詞 what が導く節を、まるで単語一語の名詞(dog や bag)であるかのように捉えられれば上出来だ。
なお、節とは、SV構造のある単語2つ以上のカタマリのことだ。
節 … SV構造のある単語2つ以上のカタマリ
句 … SV構造のない単語2つ以上のカタマリ
さいごに「必ず the thing which に置き換えよう」
ここでお話ししたように、関係代名詞 what については
・後ろには不完全な文が続く
・the thing which に置き換えられる
という3つがポイントだ。特に3つ目の「the thing which に置き換える」ということ実践すれば、きっと関係代名詞 what が得意になるはずだ。