
あなたは、
「分詞構文ってどうも苦手だな……」
「分詞と分詞構文って、何が違うの?」
と思ったことはないだろうか?
ここでは分詞と分詞構文の違いをハッキリさせておこう。
分詞は形容詞、分詞構文は副詞
そのネーミングから、「分詞構文って、分詞を使った構文(表現)なんじゃないの?」と思われがちだが、分詞と分詞構文はまったくの別物だ。
分詞(現在分詞と過去分詞の総称)が動詞の意味を持った形容詞であるのに対して、分詞構文は動詞の意味を持った副詞だ。
※「分詞が形容詞である」ということについては、この記事の最後に関連記事をあげておくので、そちらを参考にしてもらいたい。
a flying bird
飛んでいる ⇒ 鳥
※現在分詞 flying が名詞 bird を修飾している。
His story is boring.
彼の話は退屈だ。
※現在分詞 boring が第2文型SVCの補語Cになっている
I heard my name called.
私は自分の名前が呼ばれるのを聞いた。
※過去分詞 called が第5文型SVOCの補語Cになっている。
Walking on this street, I often see the waitress of the restaurant.
この道を歩いていると、よくそのレストランの店員さんに会う。
※分詞構文 Walking along this street は、動詞 see を修飾している。
(この道を歩いていると ⇒ 会う)
Used economically, this battery will last for a week.
節約して使えば、このバッテリーは一週間は持つだろう。
※分詞構文 Used economically は、動詞 will last を修飾している。
(節約して使えば ⇒ 持つだろう)
なお、最後の例文
“Used economically, ……”
(節約して使えば……)
について、
と疑問に思ったなら、英語学習ボックスの無料講義がきっとお役に立てるだろう。
全31回の無料講義の中に「分詞は “アレ” に戻して考えよう!」という講義があり、そちらで詳しく解説している。
分詞構文は口語では使わないって本当?
なお、参考書などにはよく書いてあることだが、分詞構文は文語的な表現(文章だけで使われる特別な表現)で、口語(日常のコミュニケーションで用いる表現)ではあまり用いられない。
念のため、商社の輸入関連の部署に勤めていて、海外の人たちと毎日英文メールをやり取りしている私の友人にも聞いてみたが、会話どころかメールでさえも、分詞構文はほとんど見かけないそうだ。
もちろん、だからと言って分詞構文を勉強しなくていいわけではない。
実際、英文(評論や小説)を読んでいると分詞構文に出会うことはよくあるし、分詞構文の仕組みを理解していなければ理解できない表現も、この先たくさん出てくる。
ここでお話しした「分詞は形容詞・分詞構文は副詞」という基本を大切にして、この先の分詞構文の勉強を進めていこう。
さいごに
分詞構文の基礎としては、とにかくこれに尽きる。
もちろんこの先は、
・分詞構文の6つの意味
・分詞構文の作り方
・分詞構文を副詞節に戻して考える
・主語が付いた分詞構文(独立分詞構文)
・with + O + C
といったことを学んでいく必要があるが、「分詞構文は副詞だ」という大前提を忘れないでほしい。
分詞構文を正しく作るための3ステップ
