第5文型(SVOC)のたった1つのポイント|例文も全パターンあり

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svocとは

第5文型(SVOC)とは「OとCの間にも主語-述語の関係がある文型」で、「OがCであるのを〜する」「OがCするのを〜する」という意味が軸になるものだ。

第5文型(SVOC)の補語Cには、純粋な形容詞( easy や happy など )の他にも、

・現在分詞
・過去分詞
・形容詞的用法の不定詞
・前置詞句

などが表現されることもあるので、ここでは例文を交えながら、第5文型(SVOC)の本質と全体像について学んでいこう。

なお、それぞれの文の要素(S・V・O・C・M)の特徴については、以下のページで解説しているので、不安があればそちらも参考にしてほしい。

※ご参考:
SVOC(文の要素)とは?
品詞との決定的な違い >>

この記事を読んで得られること

  • 第5文型(SVOC)の本質がわかる
  • 第5文型(SVOC)の全体像がわかる
  • 読解・会話・ライティングの基礎固めができる

CONTENTS

文型とは「和訳や表現のテンプレート」

第5文型(SVOC)の特徴に触れる前に、そもそも「文型とは何か?」ということをハッキリさせておこう。結論から言うと、文型とは「和訳や表現をするときに活用するテンプレート(雛形)」のことだ。

あなたもご存知かもしれないが、語順のルールが曖昧(柔軟)である日本語とは違って、英語は次の5つのうち、いずれかの語順(文型)で表現される。

第1文型:SV
第2文型:SVC
第3文型:SVO
第4文型:SVOO
第5文型:SVOC

そして、ある英文の文型がわかれば、今度はそれを手掛かりにして、英文の意味をある程度正しく理解していける。「文型がわかれば、意味の大枠がわかる」ということだ。

第1文型:SV
⇒ Sは~する
第2文型:SVC
⇒ S = Cである
第3文型:SVO
⇒ SはOを~する
第4文型:SVOO
⇒ SはO(人)にO(物・事)を「与える」
第5文型:SVOC
SはOがCであるのを~する、SはOがCするのを~する

また、英文を理解する(読む・聞く)場合だけでなく、表現する(話す・書く)場合にも、それぞれの文型の特徴を知っておくと、自分の考えや気持ちを組み立てやすくなる。

確かに、「丸暗記したフレーズだけでいい」という人にとっては、文型は不必要なものだろう。一方で、「丸暗記したフレーズではなく、自分の考えを自由に表現できるようになりたい!」という人にとっては、文型ほど心強い味方はいない。

和訳をするにせよ、表現するにせよ、語順がまったく違う言語(日本語)を扱う私たちにとっては、文型をテンプレートとして活用することが効果的だ。

第5文型(SVOC)の基本的な見分け方

それでは、5つの文型のうち、もっとも重要な第5文型(SVOC)について、その基本的な見極め方から見ていこう。

次の英文は、第5文型(SVOC)の一例だ。

I always keep my room tidy.

どのようにして第5文型(SVOC)だと見極めればよいかだが、最初は形容詞(ここでは tidy)の働きに注目するのがオススメだ。

形容詞には2つの働きがある。「名詞を修飾する」か「補語Cになる」かだ。

形容詞の2つの働き

1. 名詞を修飾する
Thank you for your beautiful words.
 (美しい言葉をありがとう。)
※形容詞 beautiful が、名詞 words を修飾

2. 補語Cになる
She is so beautiful when she smiles.
(彼女は笑うととても可愛い。)
※形容詞 beautiful が、補語C( She = beautiful )
※補語Cとは「主語Sや目的語Oとイコール関係にある言葉」だと思っておけば、最初は問題ない。

ここで、先ほどの英文の形容詞 tidy(きちんとした)は、どちらの働きをしているか考えてみよう。

I always keep my room tidy.

確かに、形容詞 tidy の直前に名詞 room があるので、「この tidy は名詞 room を修飾している形容詞だ!」と言いたくなるかもしれない。ただ、ここで重要なのは、単語一語の形容詞が名詞を修飾する場合、形容詞は名詞の「前」に置くということだ。「赤いバラ」と言う場合に、誰も “a rose red” とは言わないだろう。

単語一語の形容詞が名詞を修飾する場合、名詞の「前」に置く
a red rose(○)
a rose red(×)

このことから、先ほどの例文にあった形容詞 tidy は「名詞を修飾していない形容詞」、つまり、「補語Cになっている形容詞」だとわかる。

svocとは

そして、my room という名詞は、他動詞 keep の目的語Oなので、文全体をしては第5文型(SVOC)だとわかる。

あくまでも一つの考え方に過ぎないが、こうして形容詞の働きに注目すると、第5文型(SVOC)だということがわかることもある。

第5文型(SVOC)とは「OとCにも主語-述語の関係がある文」

第5文型(SVOC)は「OがCするのを~する」「OがCであるのを~する」という意味を持つ文型だ。これに当てはめると、さっきの英文は次のような意味になる。

I always keep my room tidy.
S:I
V:keep
O:my room
C:tidy
⇒「私はいつも自分の部屋を整った状態にしている」

ここで、「私はいつも自分の部屋を整った状態にしている」という表現には、主語-述語の関係が2ヶ所に存在していることにお気付きだろうか?

主語-述語の関係1
「私」が「(そういう状態に)している」

主語-述語の関係2
「部屋」が「片付いている」

このように、第5文型(SVOC)とは、OとCにも主語-述語の関係がある文なのだ。言い換えれば、主語-述語の関係が2ヶ所に含まれる文だとも言える。

OとCだけを抜き出して考えるとわかりやすい

ちなみに、主語-述語の関係が2ヶ所に含まれる第5文型(SVOC)では、まずはOとCのところにある主語-述語の関係だけを抜き出して考えるとわかりやすい。
基本的にはbe動詞を補って抜き出すといい。

I always keep my room tidy.
↓ OとCだけを抜き出すと……
My room is tidy.

元の第5文型(SVOC)のままだと “my room tidy” という形なので、「my room が主語で、tidy が述語なんだな!」ということがわかりにくいが、こうやってbe動詞を補いながらOとCだけを抜き出すことで、「あ、 "My room is tidy.” っていうことを言っているのか!」と理解が進みやすくなる。

文法問題を解くときにも使える考え方なので、ぜひあなたのお気に入りに登録しておいてほしい。

第5文型(SVOC)の全パターン

第5文型(SVOC)は、大別すると、補語Cのところに「名詞」がくるか「形容詞」がくるかの2つに分けられる。補語Cになるのは、名詞か形容詞のいずれかだからだ。(副詞は基本的には補語Cにはならない。)

そして、一言で形容詞とは言うものの、英語の形容詞にはいくつかの形(見た目)がある。現在分詞(doing)、過去分詞(done)、形容詞的用法の不定詞(to do)、前置詞句( of importance など)など、難しい名前が付いてはいるが、これらはすべて形容詞の一種だ。どれも、名詞を修飾したり、補語Cになったりする。

こうした全体像を踏まえて、どんなパターンの第5文型(SVOC)があるのか、例文を交えながら見ていこう。

1. Cが「名詞」の第5文型の例文

Please call me Tatsu.
私のことはタツと呼んでね。

O:me
C:Tatsu
↓ OとCだけを抜き出すと……
I am Tatsu.

I’ll name my cat JoJo.
私はこの猫をジョジョと名付けるよ。

O:my cat
C:JoJo
↓ OとCだけを抜き出すと……
My cat is JoJo.

2. Cが「純粋な形容詞」の第5文型の例文

Tooth pain kept me awake.
歯が痛くて眠れなかったよ。

O:me
C:awake
↓ OとCだけを抜き出すと……
I was awake.

You made me sad.
あなたが私を悲しませたんだ。

O:me
C:sad
↓ OとCだけを抜き出すと……
I was sad.

I leave the window open when I sleep.
寝るときには窓を開けてるんだ。

O:the window
C:open
↓ OとCだけを抜き出すと……
The window is open.

3. Cが「現在分詞」の第5文型の例文

I saw him walking with a girl.
彼が女の子と歩いているのを見たよ。

O:him
C:walking with a girl
↓ OとCだけを抜き出すと……
He was walking with a girl.

I heard someone coughing, so I woke up.
誰かが咳き込んでいるのを聞いて、目が覚めちゃった。

O:someone
C:coughing
↓ OとCだけを抜き出すと……
Someone was coughing.

Don’t leave the water running while brushing your teeth.
歯を磨いている間に水を出しっぱなしにしちゃダメだよ。

O:the water
C:running
↓ OとCだけを抜き出すと……
The water is running.

4. Cが「過去分詞」の第5文型の例文

Keep your eyes closed and relax.
目を閉じてリラックスしてください。

O:your eyes
C:closed
↓ OとCだけを抜き出すと……
Your eyes are closed.

I’m so happy I got my PC fixed.
パソコンを直してもらってすごく嬉しい。

O:my PC
C:fixed
↓ OとCだけを抜き出すと……
My PC was fixed.

If you cannot make yourself understood, the problem is not with the audience.
もし自分のことをわかってもらえないとしたら、それは聞き手の問題ではない。

O:yourself
C:understood
↓ OとCだけを抜き出すと……
You are understood.

5. Cが「形容詞的用法の不定詞」の第5文型の例文

※注)OとCの関係を抜き出して考える場合、基本的にはこれまでのようにbe動詞を補うとわかりやすい。ただ、形容詞的用法の不定詞が補語Cの場合には、be動詞を補うのではなく、to do の do を動詞として表現する方が、自然な表現になる。

I told you to stop posting about me without asking first.
確認なしに私についての投稿をしないでって言ったよね?

O:you
C:to stop posting about me without asking first
↓ OとCだけを抜き出すと……
You should stop posting about me without asking first.

My personality won’t allow me to do what everyone else is doing.
性格的にみんながやっていることをできないんだよね。

O:me
C:to do what everyone else is doing
↓ OとCだけを抜き出すと……
I do what everyone else is doing.

This book enables you to get over whatever problems you may have in public speaking.
この本は話し方についてのどんな問題をも克服するのを可能にしてくれる。

O:you
C:to get over whatever problems you may have in public speaking
↓ OとCだけを抜き出すと……
You can get over whatever problems you may have in public speaking.

6. Cが「前置詞句」の第5文型の例文

※注)基本的に前置詞句(前置詞+名詞)が形容詞句になる場合には、名詞を修飾することの方が多い。ただ、中には、前置詞句が補語Cになることもある。

Happy birthday dad! May God keep you in good health.
お父さん、誕生日おめでとう! いつまでも健康でいてね。(神があなたを健康にいさせてくれますように。)

O:you
C:in good health
↓ OとCだけを抜き出すと……
You are in good health.

I can’t even consider his opinion of importance.
私には彼の意見が重要だとは到底思えない。

O:his opinion
C:of importance
↓ OとCだけを抜き出すと……
His opinion is of importance.

7. Cが副詞の第5文型の例文

※注)副詞は基本的には補語Cにはならないが、on, off, in といった比較的シンプルな副詞は、例外的に補語Cになることがある。

Who turned the lights off?
誰が電気を消したんだ?

O:the lights
C:off
↓ OとCだけを抜き出すと……
The lights were off.

I hate silence especially when I'm home alone, so I always keep the TV on.
私は、特に家に一人でいるときに静かなのが嫌で、いつもテレビをつけている。

O:the TV
C:on
↓ OとCだけを抜き出すと……
The TV is on.

さいごに「文型を理解することが突破口」

第5文型(SVOC)は英語でもっとも大切な文型(語順)だ。

第5文型(SVOC)のOとCには、主語-述語の関係がある

こうした英文法(語順のルール)がわからないと、読解力や表現力が曖昧なものになってしまう。英語の文章を読んだり、英語で表現したりする練習をする前に、まずは英文法(語順のルール)を身に付けておこう。

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