形容詞的用法の不定詞の全体像|たった2つのポイントとは?

英文法不定詞
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形容詞的用法の不定詞とは

形容詞的用法の不定詞とは、単語一語の形容詞(tall や beautiful など)と同じように、名詞を修飾したり、補語Cになったりする不定詞(to do)のことだ。

ここでは、形容詞の2つの働きと照らし合わせながら、形容詞的用法の不定詞の使い方を学んでいこう。

この記事を読んで得られること

  • 形容詞的用法の不定詞の2つの使い方がわかる
  • 形容詞的用法の不定詞が「形容詞の一種」だとわかる

CONTENTS

形容詞には2つの働きがある

形容詞的用法の不定詞は「形容詞の一種」なので、大前提として、英文における形容詞の使い方を知っておく必要がある。

「形容詞の2つの使い方は?」と聞かれてスッと思い出せない場合には、まずは以下のページで確認しておこう。

※ご参考:
英語の形容詞の2つの使い方 >>

また、そもそも「SVOC(文の要素)と品詞の違い」がわかっていないと、英文法を理解することはできないので、不安があれば以下のページも参考にしてほしい。

※ご参考:
SVOC(文の要素)とは?
品詞との決定的な違い >>

形容詞的用法の不定詞の2つの働き

形容詞の一種である形容詞的用法の不定詞には、単語一語の形容詞(tall や beautiful など)と同じように、次の2つの働きがある。

1. 名詞を修飾する(修飾語Mになる)

Stress management is a great way to keep your health.
ストレスを管理することは健康を保つための素晴らしい方法だ。

※形容詞的用法の不定詞 “to keep your health” が名詞 way を修飾している。

I have so much to do today.
今日やるべきことがたくさんある。

※形容詞的用法の不定詞 “to do today” が名詞 much(多くのこと)を修飾している。

なお、形容詞的用法の不定詞の意味としては、「~するために」「~するような」が有名かもしれないが、文脈によっては、「~するだろう(will)」「~すべき(should)」「~できる(can)」といった意味の方がしっくりくることもある。

「形容詞的用法の不定詞は、助動詞 will, should, can に近いニュアンスを帯びることもある」という点を押さえておこう。

後述する “be to do” という表現の本質的な理解にも繋がる、重要な基礎知識だ。

【重要】前置詞が必要かどうか

“Do you have something to write with?” や “I’m looking for friends to talk to.” など、形容詞的用法の不定詞では、前置詞( with や to など)を表現しないと不適切になるケースがある。

学校の授業などでは、「そういう決まりだから覚えなさい」と押し付けられがちだが、以下のページでは、どうして前置詞が必要なのかを論理的に学ぶことができる。

もしもあなたが、丸暗記ではなく、理解しながら英文法(語順のルール)を学びたいのなら、きっとお役に立てるだろう。

※ご参考:
形容詞的用法の不定詞で
前置詞が必要なたった1つの理由 >>

2. 補語Cになる

形容詞的用法の不定詞というと、どうしても名詞を修飾するもの(修飾語Mになるもの)だけが注目されがちだが、「補語Cになる」というのも形容詞の立派な働きだ。

形容詞的用法の不定詞が補語Cとして使われることもあるので、全体像として押さえておこう。

第2文型(SVC)の補語Cになる

いわゆる「be to 構文」と呼ばれる表現の不定詞は、形容詞的用法の不定詞がbe動詞の補語Cになっている表現だ。

The athletic meeting is to be held next Friday.
そのスポーツ大会は次の金曜日に行われる。(予定/~することになっている)

※形容詞的用法の不定詞 “to be held next Friday” が第2文型(SVC)の補語Cになっている。

Father wants you. You are to come downstairs.
お父さんが呼んでるわよ。下に降りてきなさい。(義務/~すべき)

※形容詞的用法の不定詞 “to come downstairs” が第2文型(SVC)の補語Cになっている。

Love is within you, and is not to be found anywhere outside.
愛は自分自身の中にあるもので、他のところで見つかることはない。(可能/~できる)

※形容詞的用法の不定詞 “to be found anywhere outside” が第2文型(SVC)の補語Cになっている。

先ほど、名詞を修飾する形容詞的用法の不定詞に「~するだろう(will)」「~すべき(should)」「~できる(can)」といった意味が含まれることがあるという話をしたが、補語Cになったとしても、そのニュアンスは消えはしないということだ。

確かに、「 “be to” は助動詞に置き換えられる!」と丸暗記するのが好きな人もいるだろう。

一方で、「名詞を修飾する形容詞的用法の不定詞」と「補語Cになる形容詞的用法の不定詞」を分断せずに、「どちらも同じ形容詞的用法の不定詞なのだから、同じような意味を持つ」と理解することもできる。

なお、「be to 構文」について、詳しくは以下のページで解説している。

※ご参考:
be to 構文(be to do)の5つの意味
実は形容詞的用法の不定詞!? >>

第5文型(SVOC)の補語Cになる

「他動詞+人+to do」は第5文型(SVOC)の代表的な形で、形容詞的用法の不定詞が補語Cになっている表現だ。

OとCの間に「主語-述語の関係」がしっかりと成り立っている。

I told you to stop posting about me without asking first.
確認なしに私についての投稿をしないでって言ったよね?

O:you
C:to stop posting about me without asking first(形容詞的用法の不定詞)

My personality won’t allow me to do what everyone else is doing.
性格的にみんながやっていることをできないんだよね。

O:me
C:to do what everyone else is doing(形容詞的用法の不定詞)

「形容詞的用法の不定詞は名詞を修飾するものだ!」という固定された視点を持っていると、こうした不定詞を形容詞的用法だと認識しにくいが、「形容詞には『補語Cになる』という働きもある」という前提に立てば、理解は進むだろう。

なお、第5文型(SVOC)の理解に不安があれば、以下のページがお役に立てるだろう。

※ご参考
第5文型(SVOC)のたった1つのポイント >>

さいごに「形容詞的用法の不定詞は形容詞の一種」

ここでは、形容詞の2つの働き(名詞を修飾する or 補語Cになる)と照らし合わせることで、形容詞的用法の不定詞についての理解を深めた。

このように、品詞や文型といった視点を交えると、一つひとつの単元や表現を丸暗記する必要が減っていくので、勉強法(アプローチ)としてぜひ参考にしてほしい。

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