SVOCM(文の要素)とは?品詞との決定的な違い
SVOCMは「文の要素」と呼ばれるもので、英語の語順を表すために使われる記号(マーク)みたいなものだ。
ここでは、それぞれの文の要素について簡単に説明すると共に、「文の要素(SVOCM)と品詞は違う」という重要な視点についても明らかにしていこう。
なお、英語でもっとも重要な文型である第5文型(SVOC)について学びたい場合には、以下のページがお役に立てるだろう。
この記事を読んで得られること
- SVOCMそれぞれの意味や役割がわかる
- 「SVOCM」と「品詞」は違うということがハッキリする
- 「SVOCM」と「品詞」の関係性がわかる
CONTENTS
SVOCM(文の要素)とは?
SVOCMとは英語の語順を表すための記号(マーク)だ。あるいは、英文における語・句・節(※)の位置を表す記号とも言える。これらは「文の要素」と呼ばれていて、修飾語Mも含めると、英語では全部で5つの文の要素がある。
句:単語2つ以上のカタマリのうち、SVの形がないもの
節:単語2つ以上のカタマリのうち、SVの形があるもの
S(主語/subject)
ある動作を行う人や物事。多くの場合、英語では文頭に置かれる。
主語Sになる品詞は「(代)名詞」だけだ。
私の携帯は今にも壊れそうだ。
主語S:My phone
それは矛盾しているように聞こえる。
主語S:That
なお、「名詞的用法の不定詞」「動名詞」「that節」「間接疑問文」も名詞の一種なので、主語Sとして使うことができる。
詳しくは以下のページで解説しているので、英文法(語順のルール)を伸ばしたい場合には参考にしてほしい。
V(述語動詞/verb)
主語Sが行う動作や状態を表す言葉。多くの場合、主語Sのすぐ後ろに置かれる。
なお、厳密には、「V(述語動詞)」と「動詞」は異なるものだ。V(述語動詞)が「文の要素」の一種であるのに対して、動詞は「品詞」の一種だ。
授業や参考書によっては、「V(述語動詞)」という言葉と「動詞」という言葉の区別が曖昧な場合があるので気を付けよう。
O(目的語/object)
「○○を××する」の「○○」にあたる言葉。他動詞(または前置詞)の後ろに必ず置かれる。
目的語Oになる品詞は「(代)名詞」だけだ。
あなたの髪型、好きだよ。
目的語O:your haircut
私は彼を信じるよ。
目的語O:him
なお、「名詞的用法の不定詞」「動名詞」「that節」「間接疑問文」も名詞の一種なので、目的語Oになることができる。
詳しくは以下のページで解説しているので、必要があれば参考にしてほしい。
C(補語/complement)
第2文型(SVC)においては主語Sと、第5文型(SVOC)においては目的語Oとイコール関係にある言葉。
補語Cになる品詞は「名詞」と「形容詞」だ。
これは私のカバンで、あなたのではありません。
補語C:my bag(名詞)
あなたの心はとても美しい。
補語C:beautiful(形容詞)
他にも、名詞と同じ働きをする「名詞的用法の不定詞」「動名詞」「that節」「間接疑問文」や、形容詞と同じ働きをする「形容詞的用法の不定詞」「現在分詞」「過去分詞」「前置詞句」も補語Cになることができる。
読解力や表現力の土台として、英文法(語順のルール)を磨く場合には、丁寧に学んでいこう。
なお、補語Cはよく「動詞を補う語」と言われたりするが、意味がわかりにくいので、上記のように「主語Sまたは目的語Oとイコール関係にある言葉」だと押さえておいて問題ないだろう。
学習が進めば、補語Cを「主語Sや目的語Oの状態を表す言葉」だと理解できるようにもなるが、序盤はそこまで求めなくても大丈夫だ。
M(修飾語/modifier)
何かを修飾する言葉。基本的には、単語一語の修飾語Mは被修飾語の「前」に、単語二語以上の修飾語Mは被修飾語の「後ろ」に置く。
修飾語Mになる品詞は「形容詞」と「副詞」だ。形容詞は名詞を修飾し、副詞は動詞・形容詞・副詞(=名詞以外)を修飾する。
私はスープを飲むときには大きなスプーンを使っている。
※形容詞 large は spoon を修飾する修飾語M
私はいつもできるだけ早く返信をするようにしている。
※副詞 always は動詞 reply を修飾する修飾語M
なお、修飾語Mになるのは、単語一語の形容詞や副詞とは限らない。形容詞句(形容詞節)や副詞句(副詞節)が修飾語Mになることもある。
詳しくは以下のページで解説しているので、必要があれば参考にしてほしい。
品詞とは?
一方、SVOMC(文の要素)と混同してしまいがちなのが「品詞」というものだ。
文の要素が「語順を表すためのマーク」であるのに対して、品詞は「他の部分との繋がりを表すルール」だと押さえておくと理解しやすい。
簡単なところで言うと、形容詞は名詞を修飾するし、副詞は動詞を修飾する。他動詞や前置詞の後ろには必ず名詞が続くし、多くの接続詞の後ろにはS+Vが続く。
このように、「品詞」というものは「他の部分との繋がりを表すルール」をまとめたものなのだ。
私がこれまで、学習塾で約8年間、オンラインで10,000人以上に授業をお届けしてきた体験からすると、「SVOCM(文の要素)」と「品詞」を混同してしまっていることが、英文法をわかりにくくしている最大の原因である可能性は高いので、あなたが学ぶ側であれ教える側であれ、両者をよく区別していくことが重要だ。
SVOCM(文の要素)の並び方は5パターンだけ!
SVOCM(文の要素)がどのように並ぶのかによって、英語の語順(文型)は次の5つに分けられる。
「5文型なんてめんどくさい!」と思うこともできるし、「英語の語順(文型)は5つしかないからありがたい」と思うこともできるだろう。
1. SV(第1文型)
基本的な意味:SがVする
私は毎日20分歩いている。
彼は私にまた嘘をついた。
2. SVC(第2文型)
基本的な意味:S=Cだ
これは私のカバンで、あなたのではありません。
あなたの考えは表面的には合理的に聞こえる。
3. SVO(第3文型)
基本的な意味:SはOをVする
私はあなたの考えが好きだ。というのも、とても独特だからね。
新しいノートパソコンを買ったんだよ。
4. SVOO(第4文型)
基本的な意味:SはO(人)にO(物・事)をVする
私は彼女にある提案をした。
お父さんが時計を買ってくれた。
5. SVOC(第5文型)
基本的な意味:SはO=CだとVする、SはOにCさせる
あなたの存在が私を幸せにしてくれる。
※ me = happy
栄養のあるものが私たちを健康に保ってくれる。
※ us = healthy
このように、第五文型(SVOC)はOとCの間にも「主語-述語の関係」が成り立つ重要な文型だ。
さいごに「SVOCMと品詞は違う」
英文法(語順のルール)を学ぶ上では、ここでお話ししたように、「文の要素(SVOCM)と品詞は違う」ということを最初に理解しておこう。ここを踏み外すと、このあとの学習が総崩れになる可能性が高まってしまう。
また、あなたが英文法の基礎固めをしようと思っているとしたら、英語学習ボックスの無料講義(全31回)がきっとお役に立てるので、そちらもぜひ参考にしてほしい。