英語の形容詞の2つの使い方|副詞との違いとは?

英文法英文法の基礎
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英語の形容詞とは

形容詞とは「名詞を説明するときに使う言葉」のことで、文の要素としては修飾語(M)または補語(C)になる。

ここでは、形容詞の基本的な使い方を学んで、英文法(語順のルール)の土台作りをしていこう。

なお、日本語には形容動詞(「きれいだ」「静かだ」など)という品詞があるが、英語では形容動詞は形容詞に含まれる。日本語における形容詞も形容動詞も、英文の中では同じように使われるからだ。

また、「文の要素(S, V, O, C)と品詞は違う」ということを理解できているという前提でお話ししていくので、不安があれば以下のページを参考にしてほしい。

※ご参考:
SVOC(文の要素)とは?
品詞との決定的な違い >>

CONTENTS

形容詞の2つの働き

形容詞には、次の2つの働きがある。

1. 名詞を修飾する(修飾語Mになる)

形容詞は名詞を修飾することができ、この場合、文の要素は修飾語Mとなる。

I use a large spoon to eat soup.
私はスープを飲むときには大きなスプーンを使っている。

※形容詞 large が名詞 spoon を修飾している。(大きな ⇒ スプーン)

2. 補語Cになる

形容詞は補語Cの位置に置くこともできる。

第二文型(SVC)の補語Cになる

Her vocabulary is too large for him to comprehend.
彼女の語彙力は彼が理解するには豊富すぎる。

※形容詞 large が第二文型(SVC)の補語Cになっている。

第五文型(SVOC)の補語Cになる

I bought a game controller a week ago, but found it a little large for my hands.
一週間前にコントローラーを買ったんだけど、それは私の手には大き過ぎたよ。

※形容詞 large が第五文型(SVOC)の補語Cになっている。

なお、第五文型(SVOC)に苦手意識がある場合には、以下のページを参考にしてほしい。

※ご参考:
第5文型(SVOC)のたった1つのポイント
例文も全パターンあり >>

形容詞と副詞の違い

形容詞と副詞には、次の2つの違いがある。

1. 何を修飾するか

形容詞が名詞を修飾するのに対して、副詞は動詞・形容詞・副詞(・文全体)を修飾する。

※ご参考:
英語の副詞の4つの働き
形容詞との違いとは? >>

2. 補語Cになるかどうか

形容詞は補語Cになるが、副詞は(基本的には)補語Cにはならない。

正)Your heart is so beautiful.
誤)Your heart is so beautifully.

形容詞と同じ働きをする6つのもの

英文法(語順のルール)を学ぶ目的が、英語の語順を把握しやすくなることだとすれば、「単語一語の純粋な形容詞」だけではなく、代表的な形容詞句や形容詞節を覚えておくことがとても有効だ。

ここでは、代表的な形容詞句や形容詞節にどんなものがあるのかを確認しておこう。

句:SVがない単語二つ以上のカタマリ
節:SVがある単語二つ以上のカタマリ

1. 冠詞

冠詞(a と the)を一つの品詞として扱う場合もあるが、名詞や形容詞・副詞など、他の品詞には無数の単語があるのに、冠詞には a と the の2つしかないというのは、少々バランスが悪い。

ここで、少し視点を変えると、冠詞を形容詞の一種として扱うこともできる。不定冠詞の a も定冠詞の the も、名詞を修飾しているからだ。

I bought a tea cup.
私はあるティーカップを買った。
(ある ⇒ ティーカップ)
I bought the tea cup.
私はそのティーカップを買った。
(その ⇒ ティーカップ)

2.(代)名詞の所有格

所有格(my や his など)は(代)名詞の一種として扱われることも多いが、ここも視点を変えれば、名詞を修飾しているので、形容詞の一種だと考えられる。

My coat needs dry cleaning.
私のコートはクリーニングに出す必要がある。
(私の ⇒ コート)

3. 形容詞的用法の不定詞

形容詞的用法の不定詞は形容詞句(SVの形がない形容詞のカタマリ)の一種だ。

単語一語の形容詞と同じように、名詞を修飾したり、補語Cになったりする。

There are many things to learn from the seminar.
そのセミナーから学ぶ多くのことがある。

※ “to learn from the seminar” が名詞 thing を修飾している。

The rumor turned out to be true.
その噂は本当だとわかった。

※ “to be true” が第二文型(SVC)の補語Cになっている。

Technology enables us to work flexibly and remotely.
テクノロジーが私たちが自由に働くのを可能にしている。

※ “to work flexibly and remotely” が第五文型(SVOC)の補語Cになっている。

4. 分詞(現在分詞・過去分詞)

分詞(現在分詞・過去分詞)も形容詞句(SVの形がない形容詞のカタマリ)の一種だ。

単語一語の形容詞と同じように、名詞を修飾したり、補語Cになったりする。

I see videos of whales swimming beside boats.
ボートに沿って泳いでいる鯨の動画を観た。

※現在分詞 “swimming beside boats” が名詞 boats を修飾している。

Your idea sounds amazing!
そのアイデアは素晴らしいね!

※現在分詞 amazing が第二文型(SVC)の補語Cになっている。

Don’t leave the water running!
水を出しっぱなしにしちゃダメだよ!

※現在分詞 running が第五文型(SVOC)の補語Cになっている。

※ご参考:
現在分詞の2つの意味と使い方
他の ing 形との大きな違い >>

※ご参考:
これで十分!過去分詞の2つの意味と使い方
一覧(音声付き)あり >>

5. 前置詞句

分詞(現在分詞・過去分詞)も形容詞句(SVの形がない形容詞のカタマリ)の一種だ。

基本的には名詞を修飾する形容詞句として使われるが、たまに補語Cになることもある。

They complained about the temperature in my car.
彼らは私の車の中の気温について不満を言った。

※前置詞句 “in my car” が名詞 temperature を修飾している。

It is of no importance to me.
それは私にとって重要ではない。

※前置詞句 “of no importance” が第二文型(SVC)の補語Cになっている。

6. 関係詞節

関係詞節は形容詞節(SVの形がある形容詞のカタマリ)の代表だ。

単語一語の形容詞と同じように、名詞を修飾する。

I want a watch which will last forever.
一生使える時計がほしい。

※関係詞節 “which will last forever” が名詞 watch を修飾している。

※ご参考:
これが関係代名詞の使い方
who, which, that の違いや省略について >>

さいごに「品詞の働きを知ることが英文法のスタート」

ここでは、英文法の基礎として、

形容詞の2つの働き
1. 名詞を修飾する(修飾語Mになる)
2. 補語Cになる

を学んだ。こうした基礎を土台にして学べば、比較的効率良く英文法(語順のルール)を身に付けられる。

もしもあなたが英文法(語順のルール)を身に付けることに興味があれば、以下のページでご紹介している動画講義(全31回)もお役に立てるだろう。

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