副詞的用法の不定詞の3つの使い方|目的・結果・程度など

英文法不定詞
最終更新日:
副詞的用法の不定詞とは

副詞的用法の不定詞とは、単語一語の副詞(fast や so など)と同じように、動詞や形容詞・副詞を修飾する不定詞(to do)のことで、もっともよく使うのは「~するため」や「~するほど」といった意味だ。

ここでは、副詞の働きと照らし合わせながら、副詞的用法の不定詞の使い方を学んでいこう。

この記事を読んで得られること

  • 副詞的用法の不定詞の3つの使い方がわかる
  • 副詞的用法の不定詞の意味を見分けやすくなる

CONTENTS

副詞が修飾するものは何?

副詞的用法の不定詞は「副詞の一種」なので、大前提として、英文における副詞の使い方を知っておく必要がある。

「副詞は何を修飾するか?」と聞かれてスッと思い出せない場合には、まずは以下のページで確認しておこう。

※ご参考:
英語の副詞の4つの使い方 >>

また、そもそも「SVOC(文の要素)と品詞の違い」がわかっていないと、英文法を理解することはできないので、不安があれば以下のページも参考にしてほしい。

※ご参考:
SVOC(文の要素)とは?
品詞との決定的な違い >>

副詞的用法の不定詞の3つの使い方

副詞の一種である副詞的用法の不定詞には、単語一語の副詞(fast や so など)と同じように、大別すると次の3つの働きがある。

なお、「形容詞を修飾する副詞」と「副詞を修飾する副詞」は同じ意味(程度/~するほど)を持つので、ここでは同じ場合としてまとめている。

1. 動詞を修飾する

動詞を修飾する副詞的用法の不定詞には次の5つの意味があるが、多くは目的(~するために)の意味で使われるという前提を押さえた上で、それぞれの意味を覚えていこう。

目的(~するために)

To keep healthy, I started cycling.
健康のために(健康であり続けるために)、私はサイクリングを始めた。

感情の原因(~して)

I’m so pleased to meet you all.
あなた方に会えて光栄です。

 

※大きな動詞Vと見なせる “am pleased” を、副詞的用法の不定詞 “to meet you all” が修飾している。

判断の根拠(~するとは)

He must be crazy to say such a thing to her.
彼女にそんなことを言うとは、彼は頭がおかしいに違いない。

 

※大きな動詞Vと見なせる “must be crazy” を、副詞的用法の不定詞 “to say such a thing to her” が修飾している。

結果(そして~する)

He grew up to become a doctor.
彼は大きくなって医者になった。

なお、結果(そして~する)を表す副詞的用法の不定詞は、日本語上の繋がりとしては動詞を修飾しているようには感じにくいので、副詞だという認識を持ちにくいかもしれない。

そういった場合には、「動詞を修飾しているから副詞」ではなく「英文の中で副詞が置かれるところに置かれているから副詞」だと押さえておこう。

「意味の繋がり」ではなく「置かれている場所」から品詞を判断するスキルは、読解力や表現力にとっても重要だ。

条件(~するならば)

To hear her talk, you’d think she got 80% of the vote.
彼女が話すのを聞くと、あなたは彼女が80%を得票すると思うでしょう。

目的(~するために)であることをハッキリさせるための表現

このように、動詞を修飾する副詞的用法の不定詞には、いろいろな意味がある。

そのため、「この不定詞は目的(〜するために)の意味だよ!」ということをハッキリさせるために、副詞的用法の不定詞の直前に、しばしば in order が添えられる。

詳しくは以下のページで解説しているので、in order to という表現についての理解に不安があれば、ぜひ参考にしてほしい。

※ご参考:
in order to の意味と使い方
so as to との3つの違い >>

2. 形容詞や副詞を修飾する

形容詞や副詞を修飾する副詞的用法の不定詞は、形容詞や副詞の意味をさらに詳しく説明する。

Some secrets are hard to keep.
秘密にしておくのが難しい秘密もある。

 

※副詞的用法の不定詞 “to keep” は、何がどう hard なのかを補足している。

また、enough や too と共に使われた場合には、副詞的用法の不定詞は形容詞や副詞の程度(〜するほど)を表す。

The episode is good enough to watch again.
その回はもう一度見てしまうほど良い。

 

※副詞的用法の不定詞 “to watch again” が形容詞 good の程度(どれくらいか)を表している。

enough to や too … to については、以下のページで詳しく解説しているので、理解が不十分な場合にはぜひ参考にしてほしい。

※ご参考:
enough to の意味と使い方
too … to との違いはココ >>

3. 文全体を修飾する

“to tell the truth” や “to be frank with you” など、慣用的な副詞的用法の不定詞は、文全体を修飾する副詞として使われる。

To tell the truth, I’m scared.
本当のことを言うと、怖いんだ。
To be frank with you, our government is not trying at all.
率直に言って、政府は何もしていない。

さいごに「何を修飾するかで意味が変わる」

こうして見てみると、たくさん意味があって複雑に思えるかもしれないが、枝葉末節を切り落とした後に残るのは、以下のポイントだ。

副詞的用法の不定詞が……

「動詞」を修飾する場合
目的(〜するために)

「形容詞・副詞」を修飾する場合
程度(〜するほど)

同じ副詞的用法の不定詞でも、「何を修飾するのかによって意味が変わる」というところを押さえておこう。

英文法(語順のルール)を
論理的に身に付けたいあなたへ >>
英文法の無料講義(全31回)