
too … to 構文は「…すぎて~できない」「~するには…すぎる」といった否定的な意味の表現で、形容詞や副詞の程度を表すときに使うものだ。
ここでは、too … to 構文の使い方や注意点、また、似たような意味を持つ so that 構文への書き換えなどについて、実際に使う場面がありそうな例文を交えて解説しよう。
なお、enough to との違いについては、以下のページで詳しく解説しているので、必要があれば参考にしてほしい。
※参考記事:enough to の意味と使い方|too ~ to との違いはココ!
・too … to 構文の使い方がわかる
・so that 構文への書き換えと注意点がわかる
・実際に使う場面がありそうな例文で学べる
この記事の目次
例文で確認! too … to 構文の使い方
too … to 構文は「…すぎて~できない」「~するには…すぎる」といった否定的な意味を持ち、形容詞や副詞の程度を表す表現だ。
いくつか例文を見てみよう。
なお、例文の下に添えている「訳し上げ」というのは、英文を後ろから前に訳していくことを、「訳し下げ」というのは、英文を前から後ろに訳していくことを指している。
[訳し上げ]
今すぐには寝られないほどお腹が空いている。
[訳し下げ]
お腹が空きすぎてすぐには寝られないよ。
[訳し上げ]
湖の氷はスケートをするには薄すぎる。
[訳し下げ]
湖の氷は薄すぎてスケートはできないよ。
[訳し上げ]
私の名前は発音するには複雑すぎるので、私のことはリーと呼んでください。
[訳し下げ]
私の名前は複雑すぎて発音できないので、私のことはリーと呼んでください。
[訳し上げ]
その仕事は彼が扱うには少々大きすぎる。
[訳し下げ]
その仕事は少々大きすぎて、彼には扱えない。
[訳し上げ]
昨年、あるイベントで新しいノートパソコンを見てみたんだけど、私が読んだり使ったりするには、ディスプレイとキーボードが小さすぎたんだよね。
[訳し下げ]
昨年、あるイベントで新しいノートパソコンを見てみたんだけど、ディスプレイとキーボードが小さすぎて、私には使いにくかったんだよね。
このように、too … to 構文では、不定詞が表している動作が否定的な意味になる。
too は否定的な意味の言葉!?
ちなみに、いわゆる否定語( not や never )がないのに too … to 構文が否定的な意味になるのは、副詞の too(…すぎる)が否定的な気持ちから出る言葉だからだ。
too hungry(腹ペコすぎる)
too thin(薄すぎる)
too complicated(複雑すぎる)
こうした表現には、すべて否定的なニュアンスが感じられるだろう。言い方を変えると、too(…すぎる)は単なる強調の副詞ではなく、強調と否定の2つの気持ちを宿した言葉だということだ。
too … to 構文を使うときの2つの注意点
too … to 構文を使うときには、次の2つのポイントに注意しよう。
1. 意味上の主語は to の前に置く
不定詞の意味上の主語(不定詞が表している動作を行う主語)が「文頭の主語」や「世間一般の人々」と異なる場合には、to の前に “for + A” という形で表現する。
その仕事は彼が扱うには少々大きすぎる。
※ to handle の意味上の主語が「文頭の主語」でも「世間一般の人々」でもないので、for him という形で表す。
お腹が空きすぎてすぐには寝られないよ。
※ to fall asleep right now の意味上の主語が「文頭の主語(I)」と同じなので、わざわざ表現しない。
湖の氷は薄すぎてスケートはできないよ。
※ to skate on の意味王の主語は「世間一般の人々」なので、わざわざ表現しない。
“for + A” という形で意味上の主語を表すのは、一般の不定詞の場合でも同様なので、しっかりと押さえておこう。
2. 目的語Oが文頭の主語と同じなら表現しない
ここは too … to 構文を使うときにもっとも注意すべきところだ。
英語では「形容詞を修飾する to do(副詞的用法の不定詞)の目的語Oが文頭の主語Sと同じ場合には、目的語Oを表現しない」という傾向がある。
too … to 構文は、副詞の too と副詞的用法の不定詞を使った表現で、このパターンに当たる。そのため、不定詞の中の目的語Oが文頭の主語Sと同じ場合には、それを表現しない。
The ice on the lake is too thin to skate on it.(×)
Please call me Lea because my name is too complicated to pronounce it.(×)
The job is a little too large for him to handle it.(×)
「英語では日本語と違って目的語Oをとても大切にする」という大原則に反する例外なので、ここはしっかりと押さえておこう。
so that 構文への書き換え
さて、too … to 構文のように、形容詞や副詞の程度(~するほど…だ)を表す表現は他にもある。代表的なのは so that 構文だ。
書き換えるときの注意点は、「目的語」と「否定語 not 」をしっかりと表現するというところだ。
= The ice on the lake is so thin that we (you) can not skate on it.
※目的語Oは原則、表現する。too … to 構文が例外。
※「強調+否定」の意味を持つ too が、「強調の so 」と「否定の not 」に分かれた感じ。
= The job is so large that he can not handle it.
※目的語Oは原則、表現する。too … to 構文が例外。
※「強調+否定」の意味を持つ too が、「強調の so 」と「否定の not 」に分かれた感じ。
なお、もちろん so that 構文には、ここで出てきた用法以外にも重要な使い方がある。英文法(語順のルール)の基礎固めとして so that 構文を理解する必要があれば、以下の記事を参考にしてほしい。
※参考記事:これなら一生忘れない!so that 構文の4つの意味と使い方
さいごに「too … to 構文は、否定的な意味の表現」
too … to 構文を使うときのポイントは、
・目的語Oが文頭の主語と同じなら表現しない
という2つだ。また、余裕があれば、最後にお話しした so that 構文への書き換えも押さえておこう。
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