形容詞的用法の不定詞で前置詞が必要なたった1つの理由

英文法不定詞
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形容詞的用法の不定詞-2

“Do you have something to write with?” や “I’m looking for friends to talk to.” など、形容詞的用法の不定詞では、前置詞( with や to など)を表現しないと不適切になるケースがある。

学校の授業などでは、「そういう決まりだから覚えなさい」と押し付けられがちだが、実際には、どうして前置詞が必要なのかは論理的に説明がつくものだ。

ここでは、形容詞的用法の不定詞を関係詞節に置き換えることで、前置詞が必要な理由を探っていこう。

なお、形容詞的用法の不定詞の全体像については、以下のページがお役に立てるだろう。

※ご参考:
形容詞的用法の不定詞の全体像
たった2つのポイントとは? >>

CONTENTS

形容詞的用法の不定詞=関係詞節

「形容詞的用法の不定詞」や「関係詞節」という言葉の表面だけに捉われると、両者は違うものに思えるが、視点を変えるとある共通点が見えてくる。

その共通点とは、どちらも大きな形容詞だというものだ。

You are the first person to say that.
そう言ったのは君が初めてだよ。

※形容詞的用法の不定詞 so say that は、名詞 person を修飾する形容詞句

You are the first person who said that.
そう言ったのは君が初めてだよ。

※関係詞節 who said that は、名詞 person を修飾する形容詞節

このように、品詞という視点で見ると、形容詞的用法の不定詞も関係詞節も、どちらも形容詞のカタマリだ。

そこで、(名詞を修飾する)形容詞的用法の不定詞は、関係詞節に置き換えて考えるようにしよう。SVがない形(句)よりも、SVがある形(節)の方が、文構造(語順)を把握しやすいからだ。

もしも前置詞 with がなかったら?

「何か書くためのもの(道具)を持っていませんか?」と表現する場合、前置詞を使わずに “Do you have something to write?” と表現するのがどうして不適切なのか? 形容詞的用法の不定詞を関係詞節に置き換えて考えてみよう。

前置詞 with を使っていない表現
× Do you have something to write?

↓ 関係詞節で表現するとしたら……

× Do you have something which can write? ……(1)
× Do you have something which I can write? ……(2)

主格の関係代名詞を使った(1)は、「something『が』書く」という意味なので不適切だ。

また、目的格の関係代名詞を使った(2)も、「something『を』書く」という意味になり、こちらも不適切だ。

このように、適切な関係詞節に置き換えることができないというのが、 “Do you have something to write?” が不適切な表現である理由だ。

適切な関係詞節の形は?

それでは、「何か書くためのものを持っていませんか?」を関係詞節を使って表現する場合、どう表現すればいいのかを考えてみよう。

この文脈では、「もの『が』書く」わけでもなければ、「もの『を』書く」わけでもない。

「書くためのもの」というのは、「私が『それを使って』書くことができるもの」という意味だ。

つまり、あえて2つの文で表すとしたら、次のように表現できる。

Do you have something? + I can write with it.

そして、この2つの文を、関係代名詞を使って1つの文にすると、

Do you have something which I can write with?

と表現できる。

このように、something を修飾する関係詞節(形容詞節)としては、前置詞 with を使った “which I can write with” が正しい形だとわかる。

関係詞節で with が必要なら、不定詞でも with が必要

最初に述べたように、品詞という視点で見れば、形容詞的用法の不定詞と関係詞節は「同じもの」だ。

この前提に立てば、「関係詞節で with が必要だから、形容詞的用法の不定詞でも with が必要」だと理解することができる。

Do you have something which I can write with?
= Do you have something to write with?

「関係詞節で前置詞が必要なら、形容詞的用法の不定詞でも前置詞が必要」だという点を押さえておこう。

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ここで学んだように、日本語に比べると、英語の文法は論理的なものだ。

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