完了形の分詞構文 “having 過去分詞” が持つ2つの働き

英文法分詞構文
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完了形の分詞構文having過去分詞-1

分詞構文には、単純形(doing)と完了形(having+過去分詞)の2種類がある。

ここでは、完了形の分詞構文(having+過去分詞)が持つ2つの働きについて、学びを深めていこう。

 
ザックリ言うと、時制のズレを表すために使うのが「having+過去分詞」ですね。

主節の動詞と「同じ時制」なら、単純形の分詞構文

完了形の分詞構文having過去分詞-1

分詞構文は、動詞の意味を持った副詞の一種で、副詞節をコンパクトにした省略表現だ。

基本的には、以下のような手順に従って、副詞節を分詞構文に書き換えることができる。

■副詞節を分詞構文に書き換える3つのステップ
1. 接続詞を消す
2. 主節の主語と同じなら、主語を消す
3. 残った動詞を必ず “~ing” という形にする

この「副詞節を分詞構文にする3つのステップ」で今回注目したいのが、3つ目の「残った動詞を “~ing” にする」という部分だ。

まず、副詞節の中の動詞が主節の動詞と同じ時制であれば、その動詞をそのまま “~ing” にすればよい。

■副詞節も主節も、どちらも現在形
Although I admit your sentiment, I definitely do not agree with it.

Admitting your sentiment, I definitely do not agree with it.
(あなたの気持ちはわかるけど、どうしてもそのことには賛成できない。)
■副詞節も主節も、どちらも過去形
When she heard his voice, she turned around.

Hearing his voice, she turned around.
(彼の声を聞いて、彼女は振り向いた。)

このように、副詞節の動詞が現在形であろうが過去形であろうが、ともかく主節の動詞と同じ時制なら、単なる “~ing” で始まる分詞構文となる。

 
ちなみに、こういった「単に動詞に ing を付けただけ」の分詞構文を単純形の分詞構文と言うのよ。
 
では、副詞節の中の動詞が、主節の動詞の時制とズレている場合には、どうすればいいのだろう?

主節の動詞より「前の時制」なら、完了形の分詞構文

完了形の分詞構文having過去分詞-2

副詞節の動詞が、主節の動詞よりも「前」の時制であれば、 “having+過去分詞” という形の分詞構文(完了形の分詞構文)を使おう。

■副詞節が過去、主節が現在
As he worked until 2am last night, he must be so sleepy.

Having worked until 2am last night, he must be so sleepy.
(昨夜は深夜2時まで働いていたので、彼はとても眠いに違いない。)
■副詞節が大過去、主節が過去
Though I had seen her before, I couldn’t recall her name.

Having seen her before, I couldn’t recall her name.
彼女に以前会ったことがあったが、私は彼女の名前を思い出せなかった。
 
「大過去」というのは、過去よりもさらに「前」の時を表す時制よ。
 
見た目は「過去完了」と一緒だから、気を付けてね。

現在完了や過去完了のときも、完了形の分詞構文

完了形の分詞構文having過去分詞-3

また、副詞節の中の動詞が現在完了や過去完了である場合にも、 “having+過去分詞” という形の分詞構文が使われる。

■副詞節が現在完了、主節が現在
As he has experienced so many deceptions, he is prone to suspect everyone.

Having experienced so many deceptions, he is prone to suspect everyone.
(幾度となく騙されてきたので、彼はすべての人を疑う傾向がある。)
 
be prone to は「~する傾向がある」っていう表現だな。
 

■副詞節が過去完了、主節が過去
As she had read the book, she returned it to the library.

Having read the book , she returned it to the library.
(彼女はその本を読み終えたので、図書館へ返した。)
 
ちなみに "Hading+過去分詞" っていう形はないから、気を付けてね。

「過去」なのか「現在完了」なのか見分けはつかないの?

さて、ここまでで、完了形の分詞構文 "having+過去分詞" には、

1. 主節の動詞よりも「前」の動作(過去や大過去)
2. 現在完了や過去完了

の2つの意味合いがあることがわかったが、ここである疑問が浮かぶ。

 
"having+過去分詞" が過去を表しているのか現在完了を表しているのかは、どうやって見分けたらいいんだ?
 
こういった疑問だ。

これに関しては、やはりある程度、文脈から判断する他ないのだが、その際に参考にしてほしいのは「動詞の過去形」と「動詞の現在完了形」の違いだ。

現在完了は「現在」のことを言っている

動詞の「過去形」と「現在完了形」の違いが苦手な人は多いと思うので、少しだけ説明しよう。

例えば、

 
もうご飯食べちゃったぁ~
 
と言っているオリヴィアは、実際にはどんなことを伝えたいのだろう?

オリヴィアの性格を考えると、きっと

 
(いや、だから今はもう、お腹いっぱいなんだって!察しろ、バカ。)
 
ということを、暗にチクチクと言っているのだろう。

このように「過去のことを引き合いに出してはいるが、伝えたいのは現在の気持ち」というケースが日常の会話の中ではよくあり、これが「現在完了」と呼ばれる表現なのだ。

■現在完了形
He is a web designer. He has created many websites.
彼はウェブデザイナーなんだ。これまでにたくさんウェブサイトを作ってきたんだよ。

「今もそういう仕事をしてるんだよ!」という含みがある

■過去形
I created a website when I was in high school.
高校のときにウェブサイトを作ったんだ。

過去の事例を挙げているだけで、「今」については言及していない

現在完了形は「現在」と関係のある表現、過去形は「現在」とは関係のない表現だと理解しておこう。

"having+過去分詞" が、現在と繋がっているかどうか

こういった、動詞の「現在完了形」と「過去形」の違いを踏まえて、改めて "having+過去分詞" が「現在完了」を表しているのか「過去」を表しているのかを考えてみよう。

Having experienced so many deceptions, he is prone to suspect everyone.
(幾度となく騙されてきたので、彼はすべての人を疑う傾向がある。)

「幾度となく騙されてきた」という経験が「すべての人を疑う」という今の状態に繋がっているので、この "Having experienced …" は現在完了の意味を持つ分詞構文だと考えられる。

副詞節に戻すのなら、現在完了を使って書き換えよう。

(A) Having experienced so many deceptions, he is prone to suspect everyone.

(A) As he has experienced so many deceptions, he is prone to suspect everyone.

まとめ

完了形の分詞構文 "having+過去分詞" には、次の2つの働きがあることがわかった。

1. 主節の動詞よりも「前」の動作であることを表す
主節が現在
⇒ “having+過去分詞” は過去
主節が過去
⇒ “having+過去分詞” は大過去

2. 現在完了や過去完了の意味合いを表す
主節が現在
⇒ “having+過去分詞” は現在完了
主節が過去
⇒ “having+過去分詞” は過去完了

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