付帯状況のwithって何?重要表現with O Cは独立分詞構文もどき

「付帯状況の with」を用いた with O C という表現は、長文でも文法問題でもよく出てくる大切なものだ。
ここでは with O C のすべてについて、わかりやすく解説していこう。
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付帯状況の with は、欲張りな前置詞?
付帯状況の with は、一般の前置詞(in や from, on など)とは違った性質を持っている。
一般の前置詞の後ろには名詞が目的語Oとして続くだけだが、付帯状況の with の後ろには目的語Oだけでなく、さらにはその目的語Oの動作や状態を表す補語Cも続く。
※目的語Oの動作や状態を表す部分を補語Cと呼ぶのは、第5文型(SVOC)と同じだ。第5文型(SVOC)については、詳しくは「英語が苦手な人へ!第5文型SVOCを100%理解できるようになる話」を参考にしてほしい。
どうしてこのように、with の後ろに目的語Oだけでなく補語Cも続くのかは、付帯状況の with の意味が鍵を握っている。
付帯状況の with は「~しながら」という意味なので、後ろに名詞が置かれるだけだと文の意味が成り立たないのだ。
彼女は「髪しながら」走っていた。
「~しながら」というのだから、彼女の髪(her hair)が「どうしながら」なのかを表す言葉が必要だ。例えば、次のように。
彼女は髪をなびかせながら走っていた。
このように付帯状況の with は、目的語Oだけでなく、さらにはその目的語Oの動作や状態を表す言葉(これを補語Cと呼ぶ)まで必要とする、ちょっと欲張りな前置詞なのだ。
O : 前置詞 with の目的語
C : 目的語の動作や状態を表す部分
with O C は「独立分詞構文」に似ている!?
さて、この with O C という表現は、独立分詞構文の一種だと考えることもできる。独立分詞構文とは、簡単に言うと、主語がハッキリと書かれた分詞構文のことだ。
独立分詞構文については、詳しくは以下の記事で解説しているので参考にしてほしい。
※参考記事:誤解してない!?独立分詞構文こそ分詞構文の本来の姿
All things considered, you should quit the company.
あらゆる条件を考えると、あなたは会社を辞めた方がいい。
With her eyes closed, she said her prayers.
目を閉じたまま、彼女は祈りをささげた。
もちろん、文法的には分詞構文は副詞句なので、
ということにはなる。
「with O C は独立分詞構文の一種」という考え方は、with の後ろの O と C の部分にのみ注目した考え方だと押さえておこう。
with O C の3つの意味
with O C を「独立分詞構文に近いもの」だと押さえておくと、文構造を理解しやすいだけでなく、次のようなメリットもある。
with O C が持つ「~しながら」以外の意味を覚えやすくなるのだ。
with O C には、付帯状況(~しながら)の他に、条件(~するならば)や原因(~するので)といった意味もあるが、これらはすべて分詞構文に備わっている代表的な意味だ。
1. 付帯状況(~しながら)
2. 条件(~するならば)
3. 原因(~するので)
1. 付帯状況(~しながら)
2. 条件(~するならば)
3. 原因(~するので)
4. 時(~するとき)
5. 譲歩(~するけれども)
つまり、with O C を分詞構文みたいなものだと押さえておけば、わざわざ with O C の意味を覚え直す必要がないということだ。
それでは具体的に、with O C の3つの意味を、例文を交えながら確認していこう。
1. 付帯状況(OがCしながら)
口をいっぱいにしたまま喋るんじゃないよ。
He was sitting with his legs crossed.
彼は脚を組んで座っていた。
2. 条件(OがCするならば/OがCならば)
そのボタンを押すと点灯します。
3. 原因(OがCするので/OがCなので)
多くの人がやかましく話していたので、私は仕事に集中できなかった。
It was so cold, with strong winds blowing.
風が強かったので、とても寒かった。
with O C の C にやってくるのは、現在分詞や過去分詞だけじゃない
なお、これまでに見た例では、with O C の C には現在分詞か過去分詞が置かれていたが、補語Cの位置には次のようなものも置かれる。
My father sleepes with his mouth open.
父は口を開けたまま寝る。
※「純粋な」と添えたのは、現在分詞や過去分詞も形容詞の一種だから。
■ C の位置に副詞
She was walking in the rain with her shoes off.
彼女は靴を脱いで歩いていた。
※副詞は基本的には補語Cにはならないが、on や off などの比較的簡単な副詞は、例外的に補語Cになる。
■ C の位置に前置詞句(形容詞句)
He was standing, with his hands into his pockets.
彼はポケットに手を突っ込んで立っていた。
第5文型(SVOC)の補語Cの位置にいろんなものが置かれるのと同様だ。
付帯状況の with に関する文法問題は、こう解く
最後に、苦手な人の多い with O C の問題の解き方について触れておこう。
基本的には O と C だけを抜き出し、be動詞を補って考えればよい。
Q1. with her hair ( )
She was running with her hair ( ).
彼女は髪をなびかせながら走っていた。
1. waving
2. waved
1. waving を選んだ場合には、
Her hair was waving.(○)
(髪がなびきながら……)
という関係が成り立ち、正しいとわかる。1が正解。
一方、2. waved を選んだ場合には、
Her hair was waved.(×)
(髪がなびかせられながら……)
となり不自然だ。
Q2. with his legs ( )
He was sitting with his legs ( ).
彼は脚を組んで座っていた。
1. crossing
2. crossed
1. crossing を選んだ場合には、
His legs were crossing.(×)
(彼の脚が組みながら……)
となり成り立たない。
一方、2. crossed を選んだ場合には、
His legs were crossed.(○)
(彼の脚が組まれながら……)
という関係が成り立ち、正しいとわかる。2が正解だ。
まとめ「with O C は第5文型的な感覚で」
付帯状況の with を用いた with O C という表現では、まずは3つの意味をしっかりと覚えておこう。
1. 付帯状況(~しながら)
2. 条件(~するならば)
3. 原因(~するので)
加えて、最後にも解説したように、with O C の文法問題を解くときには、O と C だけを抜き出して、be動詞を補って考えるということ。これは第5文型(SVOC)への対処の仕方によく似ている。
with O C を扱うときには、第5文型的な感覚で臨むようにしよう。
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