
「関係代名詞までは何とかわかるけど、さすがに関係副詞はちょっとカンベンしてほしい…」
こんな風に及び腰になっている人も多いのではないだろうか。確かに、苦手意識を持つ人が多い関係副詞だが、ある一点さえ押さえてしまえば、ビックリするほど簡単にものにすることができる。
このページを丁寧にスクロールして、関係副詞に対する絶対的な自信を手に入れてほしい。
この記事の目次
「副詞」という品詞を意識することが、何よりも重要
まずはここ。品詞の話を抜きにして、関係副詞を語ることはできない。
副詞のもっとも大きな働きは、動詞を修飾するというものだ。
I often go there.
そこへよく行きます。
I didn’t know that then.
そのとき、そのことを知らなかった。
「名詞」なんじゃないかと勘違いされやすい there や then だが、これらはしっかりと動詞を修飾している。there や then は「副詞」なんだという意識を持とう。
また英語には、単語一語の副詞とは別に、「副詞句」と呼ばれるものも存在する。
I’m meeting him at the cafe.
私はカフェで彼に会う予定だ。
I was with her at the time.
私はそのとき彼女と一緒にいた。
上に示したような「前置詞+名詞」というカタマリは、副詞句の代表的なもの。at the cade(そのカフェで)や at the time (そのときに)は、それぞれ動詞を修飾している。こういったものも、副詞の一種として認識しておこう。
なお、「句」という言葉に馴染みのない人は、以下の記事を参考にしてほしい。
関係副詞は、先行詞を「副詞」として登場させたいときに使う
関係詞(関係代名詞や関係副詞など)から始まるSVのカタマリを「関係詞節」と呼び、その関係詞節に修飾されている名詞を「先行詞」と呼ぶ。
■ which ~ for が「関係詞節」、company が「先行詞」
The company which I worked for is now closed down.
私が働いていた会社は、現在は廃業している。
■ where 以降が「関係詞節」、restaurant が「先行詞」
This is the restaurant where I first met him.
ここは私が初めて彼に会ったレストランだ。
さて、どういうタイミングで関係副詞を使うのかというと、関係詞節の中で先行詞を「副詞」として登場させたい場合だ。
例えば、「ここは私が初めて彼に会ったレストランだ」という表現を考えてみよう。
これを、わざわざ砕けた言い方に変えてみよう。
こうすると、先行詞に対する説明の部分、つまり、関係詞節の中で、「レストラン」という語を副詞として扱っているのがよくわかる。「ここで」は「出会った」を修飾しているのだから、副詞だ。
こういったときに関係副詞を使い、先ほどのように表現する。
This is the restaurant where I first met him.
ここは私が初めて彼に会ったレストランだ。
(ここはね、レストランなんだけど、ここで私は初めて彼に出会ったの!)
「2つのSV」から考えるのもアリ!
少々感覚的な説明を先行させたが、多くの参考書にあるように、2つのSV構造を元に関係副詞を考えるのもとても有効だ。
関係副詞は副詞や副詞句が姿を変えたもので、2つの文を繋ぐ働きを持っている。
例えば、「ここはそのレストランだ」と「ここで初めて彼に出会った」を繋いで、「ここは私が初めて彼に出会ったレストランだ」という表現をすることができる。
This is the restaurant. + I first met him here.
⇒ This is the restaurant where I first met him.
※副詞 here が、関係副詞 where に姿を変えた。
This is the restaurant. + I first met him at the restaurant.
⇒ This is the restaurant where I first met him.
※副詞句 at the restaurant が、関係副詞 where に姿を変えた。
ここでもやはり、関係詞を扱う上で「品詞」という視点が欠かせないことがわかるだろう。
なお、関係代名詞と関係副詞の違いについては、以下の記事でより詳しく説明しているので、参考にしてほしい。
※参考記事:関係代名詞・関係副詞の違いをマスターする3つのポイント
最低でもこれだけは!4つの関係副詞
「関係詞節の中で先行詞を副詞として登場させる」
「関係副詞は、副詞や副詞句が姿を変えたもの」
こういった関係副詞の本質を押さえた上で、4種類の関係副詞それぞれについて学ぶのが得策だ。
1. 関係副詞when
「時」を表す副詞・副詞句は、関係副詞 when に姿を変え、関係詞節の中で副詞として働く。
The exact time is not made clear. + He left his house then.
⇒ The exact time when he left his house is not made clear.
彼が家を出た正確な時間は、まだハッキリしていない。
The night seemed so long. + We decided to break up on the night.
⇒ The night when we decided to break up seemed so long.
別れを決めた夜は、とても長く感じられた。
※先行詞が「時」を表す名詞だからという理由で、関係副詞 when を用いているわけではない。あくまで、副詞・副詞句が関係副詞 when になっているだけだ。
2. 関係副詞where
「場所」を表す副詞・副詞句は、関係副詞whereに姿を変え、関係詞節の中で副詞として働く。
This is the park. + Children can play safely here.
⇒ This is the park where children can play safely.
ここは子供たちが安全に遊ぶことのできる公園だ。
The hall is here around. + The lecture is to be held in the hall.
⇒ The hall where the lecture is to be held is here around.
その講演会が行われる会場は、この辺りだ。
※先行詞が「場所」を表す名詞だからという理由で、関係副詞 where を用いているわけではない。あくまで、副詞・副詞句が関係副詞 where になっているだけだ。
3. 関係副詞why
「原因・理由」を表す副詞は、副詞句 for the reason のみだ。これが関係副詞 why に姿を変え、関係詞節の中で副詞として働く。
Do you know the reason? + She is so angry for the reason.
⇒ Do you know the reason why she is so angry?
彼女がそんなにも怒っている理由を知っていますか?
※先行詞が「reason」だからという理由で、関係副詞 why を用いているわけではない。あくまで、副詞句が関係副詞 why になっているだけだ。
4. 関係副詞how
「方法・手段」を表す副詞は、副詞句 in the way のみだ。これが関係副詞 how に姿を変え、関係詞節の中で副詞として働く。
This is the way. + He succeeded in life in the way.
⇒ This is
これが彼が人生で成功した方法だ。
注意すべきは、先行詞 the way と関係副詞 how は、絶対に同時には用いないということ。必ずどちらか一方が省略される。
※先行詞が「way」だからという理由で、関係副詞 how を用いているわけではない。あくまで、副詞句が関係副詞 how になっているだけだ。
さいごに
今回の話でもっとも重要だったのは、
「関係詞節の中で先行詞を副詞として登場させる」
「関係副詞は、副詞や副詞句が姿を変えたもの」
こういった点だ。
文法の基礎である「品詞」というフィルターをほんの少し通すだけで、理解が大幅に進むということを体感してもらえたなら幸いだ。
関係詞をなるべく効率的に
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