形式主語 it の使い方|真主語は不定詞や that 節だけじゃない!?

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形式主語構文とは、不定詞や that 節など、主語が長いときに好まれる表現で、文頭では「形式主語」と呼ばれる it が使われる。

ここでは、英語で形式主語構文が好まれる理由や、形式主語 it に対応する4つの真主語(意味的な主語)について整理していこう。

形式主語構文は、文章でも会話でもよく使われるので、丁寧に学んでおこう。

CONTENTS

形式主語構文とは?

形式主語構文とは、不定詞や that 節など、主語が長いときに好まれる表現で、文頭では「形式主語」と呼ばれる it が使われる。

To raise children while working full-time as a parent is really difficult.

↓ 長い主語を後で表現するなら……

It is really difficult to raise children while working full-time as a parent.

(本当に難しいんだよね、親としてフルタイムで働きながら子供を育てることは。)

That you don't want to be hated is natural.

↓ 長い主語を後で表現するなら……

It is natural that you don't want to be hated.

(自然なことだよ、あなたが嫌われたくないと思うのは。)

形式主語 it の役割は「英文における主語の『位置』を表す」というもので、それが何を意味しているのかは、不定詞や that 節などによって後から表現される。

形式主語構文を使う理由

形式主語構文が好まれる理由として、一般的によく言われるのは、「英語では長い主語が嫌われるから」というものだ。

ただ、もう一歩本質に近づくのなら、「主張・結論が遅くなるのが嫌われる」と理解することもできる。

話し手・書き手の主張・結論は、動詞Vを聞かないとわからない。主語が長くなればなるほど、「結局、何が言いたいんだろう?」という印象の表現になってしまう。

主語が長い表現

To raise children while working full-time as a parent is really difficult.

親としてフルタイムで働きながら子供を育てることは、本当に難しい。)

結局、何が言いたいのか、最後まで聞かないとわからない……。

形式主語構文

It is really difficult to raise children while working full-time as a parent.

本当に難しいんだよね、親としてフルタイムで働きながら子供を育てることは。)

「難しい」という主張・結論がすぐにわかる。

「主張や結論を先に伝える方がわかりやすい」という意識があるから、英語では長い主語が敬遠されて、形式主語構文が好まれるということだ。

形式主語 it に対応する4つの真主語

形式主語構文を使いこなしたり、理解したりするためには、どんな表現が真主語(※)になるのかを知っておくのが効果的だ。

※真主語:形式主語 it の内容を述べる本当の主語

真主語になれるのは、次の4つの表現だ。

・名詞的用法の不定詞
・動名詞
・that 節
・間接疑問文

それぞれ、具体的に見てみよう。

1. 名詞的用法の不定詞

It is ridiculous to hire people based on gender, not skill.

(馬鹿げてるよ、スキルではなく性別に基づいて人を雇うことは。)

It is so heartwarming to see this moment.

(すごく心が温まるね、こうした瞬間を目にすることは。)

It is really difficult to raise children while working full-time as a parent.

(本当に難しいんだよね、親としてフルタイムで働きながら子供を育てることは。)

なお、名詞的用法の不定詞(〜すること/名詞として使う不定詞)については、以下のページで全体像を学ぶことができる。

2. 動名詞

It was a great pleasure meeting you.

(本当に良かったです、あなたにお会いできて。)

It is no use thinking about it.

(無駄だよ、それについて考えるのは。)

It was great working with you on this.

(素晴らしかったです、この件であなたと共に働けたことが。)

3. that 節

It's a pity that people judge a book by its cover.

(残念なことですね、人が本を表紙で判断するのは。)

It's natural that you don't want to be hated.

(自然なことだよ、あなたが嫌われたくないと思うのは。)

It is true that future consequences are shaped by present actions.

(真実だよ、未来の結果が現在の行動で決まるというのは。)

4. 間接疑問文

It is not important where you are from.

(重要じゃないさ、あなたがどこからやって来たかなんて。)

It doesn’t matter how many people are doing it.

(重要じゃないよ、どれだけ多くの人がそれをしているかなんて。)

It’s up to you whether/if you believe it or not.

(あなた次第だよ、それを信じるかどうかは。)

なお、間接疑問文(疑問文の意味を持つ名詞節)について、詳しくは以下のページで学ぶことができるので、興味があればそちらも押さえておこう。

さいごに|形式主語 it があれば、真主語を探そう

ここでは形式主語構文について学んだが、英文を読んでいると、「あれ? この it は形式主語なのかな?」と迷うこともあると思う。

そんなときには、真主語(不定詞・動名詞・that 節・間接疑問文)をしっかりと探してみよう。形式主語の it だとしたら、必ず、後ろに真主語があるはずだ。

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