名詞節とは? 副詞節・形容詞節との違いと3つの代表的な表現

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名詞節とは、大きな名詞として働くSVのカタマリ(節)のことで、単語一語の名詞( phone や idea など)と同じように、主には主語S・補語C・目的語Oになる。

代表的な名詞節としては、

・that 節( that SV )
・間接疑問文( when SV / whether SV など)
・what が導く関係詞節

の3つを押さえておこう。どれも英文法(語順のルール)の基礎として重要な表現ばかりだ。

CONTENTS

基本の確認|名詞節をマスターするために

名詞節をしっかりと理解するために、まずは「名詞」および「節」という言葉について、簡単に確認しておこう。

「そこは十分理解している」という場合には、次の「名詞節とは?」という項目に進んでも大丈夫だ。

名詞とは?

名詞とは、次の5つの働きをする品詞のことだ。

名詞の5つの働き

主語Sになる
My phone is old.(私の携帯は古い。)

補語Cになる
This is my bag.(これは私のカバンです。)

他動詞の目的語Oになる
I like your haircut.(あなたの髪型、好きだよ。)

前置詞の目的語Oになる
I talked about my experience.(私は自分の経験について話した。)

前の名詞を同格的に修飾する(修飾語Mになる)
My dog John is very shy.(ジョンという私の犬はとてもシャイだ。)

最後の「前の名詞を同格的に修飾する」という働きは、他の働きに比べると稀なものなので、基本的には、名詞は主語S・補語C・目的語O(他動詞や前置詞の)になると押さえておこう。

節(せつ)とは?

単語2つ以上のカタマリのうち、SVがないものを句、SVがあるものを節という。

句:SVがないカタマリ

前置詞句、不定詞、動名詞、分詞……など

節:SVがあるカタマリ

that 節間接疑問文関係詞節、多くの接続詞が作る副詞節……など

前置詞( in や on など)の後ろには必ず「名詞」が続くし、接続詞( if や because など)の後ろには必ず「SV」が続く。

「必ず続く言葉があるのなら、一つのカタマリだと見てしまおう」というのが、句や節といった視点だ。これを踏まえて、名詞節について学んでいこう。

名詞節とは?

名詞節とは、その名の通り、大きな名詞として働くSVのカタマリ(節)のことで、単語一語の名詞( phone や idea など)と同じように、主には主語S・補語C・目的語Oになる。

英語の代表的な名詞節として、

1. that 節( that SV )
2. 間接疑問文( when SV / whether SV など)
3. what が導く関係詞節

の3つを押さえておくと、英文法(語順のルール)への理解がかなりスッキリする。

1. that 節

that 節とは、接続詞 that が作るSVのカタマリ(節)のことで、「〜する(という)こと」という意味の名詞節だ。

It is really surprising that he forgot her birthday.

(彼が彼女の誕生日を忘れたのは、本当に驚きだよ。)

My concern is that she hasn’t called yet.

(私が気になるのは、彼女からまだ電話がないことです。)

I didn't know that he moved to Paris.

(彼がパリに移ったのを知らなかった。)

なお、同格修飾の that 節については、必要があれば以下のページで学んでおこう。

- 詳しく学ぶ -

2. 間接疑問文

間接疑問文とは「疑問文の意味を持つ名詞節」のことで、疑問詞( who や when など)で始まるものと、接続詞の whether や if(〜するかどうか)で始まるものの2種類ある。

Whom you marry will affect your future.

(誰と結婚するかは未来に影響する。)

Could you tell me when the restaurant is closing?

(レストランがいつ閉まるか教えていただけますか?)

とても重要な表現だし、疑問詞( who や when など)を使ったもの「だけ」が間接疑問文だと勘違いしやすいところなので、丁寧に学んでおこう。

- 詳しく学ぶ -

3. what が導く関係詞節

普通の関係代名詞( who / which / that )が形容詞節を作るのに対して、関係代名詞 what は名詞節を作る。これは、関係代名詞 what が先行詞 the thing(こと・もの)と関係代名詞 which が合わさった言葉だからだ。

What he did is against the law.
= The thing which he did is against the law.

(彼がやったことは法律に反している。)

This is what I want to do in my life.
= This is the thing which I want to do in my life.

(これは私が人生でやりたいことです。)

I can never forget what you did for me.
= I can never forget the thing which you did for me.

(あなたがしてくれたことを決して忘れない。)

what = the thing which に置き換えると、what が導く関係詞節が名詞節になっていることがよくわかる。

- 詳しく学ぶ -

whoever について

なお、関係代名詞 what のように、先行詞と関係代名詞が合わさったもの複合関係代名詞と呼ばれている。複合関係代名詞には、what の他に “whoever = anyone who” や “whichever / whatever = anything which” があり、これらも what と同様に名詞節を作る。

Whoever talks behind someone's back will not be trusted.
= Anyone who talks behind someone's back will not be trusted.

(人の悪口を言う人は信用されない。)

ただ、発展的な内容なので、人によっては後回しでもよさそうだ。

- 関連記事 -

名詞節・副詞節・形容詞節の違い

名詞節・副詞節・形容詞節には、次のような違いがある。

名詞節
→ 主語S・補語C・目的語Oになる(※1)

副詞節
→ 修飾語Mになる(動詞・形容詞・副詞を修飾する)

形容詞節
→ 修飾語Mになる(名詞を修飾する)(※2)

※1. 同格修飾のときのみ、名詞節が修飾語Mになるが、比較的稀なケースなので割愛。
※2. as, like, because が導く形容詞節は補語Cになりうるが、話を簡単にするために、ここでは割愛。

このように、名詞節は(ほぼ)修飾語Mにはならないので、「節の品詞」を見分けるときには、その節が「修飾語Mになっているかどうか」に注目しよう。

なお、主語S・補語C・目的語Oが文の形が成り立つために不可欠な文の要素であるのに対して、修飾語Mは文の形には影響しない(なくても文の形が成り立つ)文の要素だ。

1. if について

接続詞 if は「節の品詞」によって「意味」が変わる代表的な表現だ。

名詞節(〜するかどうか)

I don’t know if she will come to the party.

(私は彼女がパーティに来るかどうかを知らない。)

→ know が他動詞(を知っている)なので、“if she will come to the party” は目的語O(名詞節)。

※ここでの if は間接疑問文と呼ばれる名詞節を作っている。

副詞節(〜するならば)

If the store is open, I'll buy some bread and milk.

(もしお店が開いていれば、パンと牛乳を買うよ。)

→ “I'll buy some bread and milk” で文が完成しているので、“If the store is open” は修飾語M(副詞節/開いていれば → 買う)。

- 詳しく学ぶ -

2. when について

when も「節の品詞」によって「意味」が変わる代表的な表現だ。

名詞節(いつ〜するか)

Could you tell me when the restaurant is closing?

(レストランがいつ閉まるか教えていただけますか?)

→ tell(…に〜を伝える)が第4文型(SVOO)を作る他動詞なので、“when the restaurant is closing” は目的語O(名詞節)。

※この場合の when は疑問詞(いつ)で、間接疑問文と呼ばれる名詞節を作っている。

副詞節(〜するときに)

I was reading a book when she called me up.

(彼女が電話してきたとき、私は本を読んでいた。)

→ “I was reading a book” で文の形が成り立っているので、“when she called me up” は修飾語M(副詞節/電話をしたときに → 読んでいた)。

※この場合の when は接続詞(〜するときに)だ。

形容詞節(〜するような)

I clearly remember the days when I was with you.

(あなたと一緒にいた日々をはっきりと覚えている。)

→ “I clearly remember the days” で文の形が成り立っているので、“when I was with you” は修飾語M(形容詞節/一緒にいた → 日々)。

※この場合の when は関係副詞で、関係詞節と呼ばれる形容詞節を作っている。

さいごに|英文法は「品詞と文型」に沿って学ぼう

ここでは、英語の代表的な名詞節として、that 節・間接疑問文・what が導く関係詞節について学んだ。

名詞節に限らず、節の品詞を判断できると、長い英文でもとてもシンプルに見えてくるので、しっかり復習しておこう。

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