動名詞の使い方・完全ガイド|例文満載
動名詞( doing /〜すること)は「動詞の意味を持つ名詞」なので、英文の中では、単語一語の名詞( food や money など)と同じように、主語S・補語C・目的語Oになる。
また、動名詞の形には、一般動詞を動名詞にしたもの( do → doing )や be 動詞を動名詞にしたもの( be → being )、受動態を動名詞にしたもの( be done → being done )がある。
ここでは、英語の読解力や表現力を正しく伸ばすために、動名詞の使い方を丁寧に学んでいこう。
CONTENTS
動名詞の4つの使い方
動名詞( doing )は「〜すること」という意味の表現で、文法的には「名詞の一種」なので、単語一語の名詞( food や money など)と同じように、主語S・補語C・他動詞の目的語O・前置詞の目的語Oになる。
なお、他動詞が目的語Oを必要とするのと同じように、他動詞が動名詞になった場合にも、後ろには目的語Oが続くというのもポイントだ。
1.「主語S」が動名詞の例文
(よく笑うことは、幸せな人生の秘訣だ。)
(毎朝ジョギングをすることが、私を健康に保ってくれる。)
(質問をすることは、私たちの理解を深めてくれる。)
2.「補語C」が動名詞の例文
(私の夢は世界中を旅することだ。)
(私が情熱のあるのは、数学を学ぶことだ。)
(良い人生の秘訣は他人を助けることだ。)
なお、補語Cとは、第2文型(SVC)では主語Sと、第5文型(SVOC)では目的語Oとイコール関係にある言葉のことだ。
補語Cについて、詳しくは以下のページで確認しておこう。
3.「他動詞の目的語O」が動名詞の例文
他動詞の後ろには必ず目的語Oが必要だが、目的語Oになる品詞は「名詞」だ。動名詞は「名詞の一種」なので、他動詞の目的語Oになることもよくある。
(週末は昔の映画を観るのを楽しんでいます。)
(休日の間にクッキーを焼くのが好きなんです。)
(休日は仕事のメールを送るのを避けています。)
なお、自動詞と他動詞の違いは、英文法(語順のルール)でもっとも重要な基礎のうちの一つだ。
「 look は自動詞で、watch は他動詞」だということを理解できていない場合には、以下のページの動画でしっかりと確認しておこう。
4.「前置詞の目的語O」が動名詞の例文
(彼女は新言語を学ぶことに興味がある。)
(来週お会いできることを楽しみにしています。)
(彼はディナーに遅れたことを謝った。)
be 動詞の動名詞
一般動詞( do )の動名詞が doing なのに対して、be 動詞( am, are, is )の動名詞は being という形になる。
be 動詞は「状態」や「状態の変化」を表すので、その動名詞は「〜であること」「〜になること」と訳そう。
(正直であることは、どんな人間関係でも重要だ。)
(成功の鍵は、努力する際に一貫していることだ。)
(私たちのチームメンバーになることに興味はありますか?)
受動態の動名詞
また、受動態( be + done /〜される)を動名詞にすると being done となる。受動態の be 動詞だけを動名詞にした形だ。
(気にかけている人たちに無視されるのは辛い。)
(勉強中に邪魔されることが嫌いです。)
(パーティーに招待してもらって、すごく興奮してるの!)
動名詞と不定詞の違い
動名詞( doing )と名詞的用法の不定詞( to do )は、どちらも「〜すること」という意味の表現だが、そこには次のような大まかな違いがある。
You should stop drinking coffee at night.
(夜にコーヒーを飲むのは止めた方がいいよ。)
※「夜にコーヒーを飲む」というのは「これまでやってきたこと」なので、動名詞 “drinking coffee at night” が適切。
We plan to travel to Hokkaido.
(私たちは北海道へ旅行に行くことを計画しています。)
※「北海道へ旅行に行く」というのは「これからのこと」なので、名詞的用法の不定詞 “to travel to Hokkaido” が適切。
こうした違いは絶対的なものではないものの、動名詞( doing )と不定詞( to do )のどちらを使うかの目安になるので、しっかり押さえておこう。
以下のページでは、「動名詞だけを目的語Oにとる他動詞」や「不定詞だけを目的語Oにとる他動詞」などについてもまとめているので、しっかりと読んでおこう。
また、以下の表現は、動名詞( doing )と不定詞( to do )のどちらを使うのかによって、意味が変わってくるものだ。文法問題でも日常会話でも頻出のものなので、併せて押さえておこう。
※ remember to do と remember doing の違い
※ forget to do と forget doing の違い
※ try to do と try doing の違い
※ regret to do と regret doing の違い
※ stop to do と stop doing の違い
動名詞の意味上の主語
動名詞( doing )は「動詞の意味を持つ名詞」なので、その動作に対する主語(※意味上の主語)も存在する。
動名詞の意味上の主語は、文法的には所有格( my, their, its など)で表すのが基本だが、比較的カジュアルな場面だと、目的格( me, them, it など)で表すこともよくある。
「所有格」または「目的格」
We discussed his/him joining the team.
(私たちは彼がチームに加わることについて話した。)
意味上の主語:his(彼が)
動名詞:joining the team(チームに加わること)
※文頭の主語S(文構造上の主語S)と区別するために、動名詞や不定詞に対しては「意味上の主語」という言葉がよく使われる。
意味上の主語を「表現しない」場合
また、動名詞の意味上の主語が「文の主語S」や「世間一般の人々」の場合には、意味上の主語は省略するのが普通だ。
(週末は昔の映画を観ることを楽しんでいます。)
※動名詞の意味上の主語=文の主語( I )
(正直であることは、どんな人間関係でも重要だ。)
※動名詞の意味上の主語=世間一般の人々
以下のページでは、なぜ、動名詞の主語は「所有格」や「目的格」なのかについても学ぶことができるので、文法力を伸ばす場合には参考にしよう。
動名詞を使った慣用表現
動名詞を使った慣用表現としては、以下のものを押さえておけば大丈夫だ。
would you mind doing ...?
would you mind doing(〜していただけませんか?)は、他動詞 mind(を嫌がる)の目的語Oに動名詞( doing )を置いた表現だ。
「あなたは〜するのを嫌がりますか?」という直訳を整えると、「〜していただけませんか?」という言い回しになる。
直訳:(あなたが)音楽の音量を下げるのは嫌でしょうか?
つまり:音楽の音量を下げてもらえませんか?
以下のページでは、意味上の主語を表現した “Would you mind my/me doing ...?(〜してもよろしいですか?)” との違いなども学ぶことができる。
there is no doing
there is no doing(〜することはできない)は、there is 構文の主語Sとして動名詞( doing )を使ったものだ。
(未来を予測することはできない。)
以下のページでは、can’t(〜できない)や it’s impossible to do(〜するのは不可能だ)とのちょっとした違いについても触れている。
look forward to doing
look forward to(〜を楽しみにしている)は前置詞の to を使った表現なので、後ろには動詞の原形( do )ではなく動名詞( doing )が続く。
× I look forward to work with you.
(一緒に働くことを楽しみにしています。)
不定詞の to と勘違いしやすく、文法問題などでも頻出なので、しっかり押さえておこう。
be used to doing
be used to(〜に慣れている)も前置詞の to を使った表現なので、後ろには動詞の原形( do )ではなく動名詞( doing )が続く。
× I’m used to wake up early every morning.
(私は毎朝早起きするのに慣れている。)
過去の習慣を表す助動詞の used to(よく〜したものだ)と混同して、動詞の原形( do )を続けてしまいがちなので気を付けよう。
feel like doing
feel like doing(〜する気分だ、〜したい)は自分の欲求を表す表現で、文法的には、前置詞 like(〜のようだ)の後ろに動名詞( doing )を置いたものだ。
(大きなチョコレートケーキを食べる気分だ。
→ 大きなチョコレートケーキを食べたい。)
以下のページでは、feel like SV(〜のような気がする)との違いについても解説しているので、興味があれば確認しておこう。