補語って何?目的語との決定的な違いとは

補語とは文の要素(S, V, O, C, M の総称)の一種で、第二文型(SVC)においては主語Sと、第五文型(SVOC)においては目的語Oとイコール関係にある言葉だ。
ここでは、英文法(語順のルール)の基礎として、補語Cについての理解を深めていこう。
なお、「文の要素(S, V, O, C)と品詞は違う」ということを理解できているという前提でお話ししていくので、不安があれば以下のページを参考にしてほしい。
この記事を読んで得られること
- 補語Cと目的語Oの違いがわかる
- 補語Cになる品詞がわかる
CONTENTS
補語とは?
簡単に言うと、補語Cとは、第二文型(SVC)においては主語Sと、第五文型(SVOC)においては目的語Oとイコール関係にある言葉だ。
彼は約束を守る男だ。
※ a man of his word が第二文型(SVC)の補語C
※ He = a man of his word
この紅茶はとても美味しい。
※ so good が第二文型(SVC)の補語C
※ This black tea = so good
私のことはリーと呼んでください。
※ Lea が第五文型(SVOC)の補語C
※ me = Lea
栄養のあるものが私たちを健康に保ってくれる。
※ Lea が第五文型(SVOC)の補語C
※ us = healthy
よく参考書などには、「動詞の意味を補う文の要素を補語Cという」と書いてあったりするが、意味がわからないので、上記のように押さえておいて問題はない。
学習が進んで英文法(語順のルール)が見えてくれば、「補語Cは、主語Sや目的語Oの状態を表す言葉」だという認識を持てるようにもなるが、最初のうちは「主語Sや目的語Oとイコール関係にある言葉」でOKだ。
なお、第五文型(SVOC)の特徴について不安があれば、以下のページを参考にしてほしい。
※ご参考:
第5文型(SVOC)のたった1つのポイント
例文も全パターンあり >>
補語になる品詞
補語Cになることのできる品詞は「名詞」と「形容詞」だ。
この携帯は私のもので、あなたのものではない。
※名詞 mine(私のもの)が第二文型(SVC)の補語C
私は私の猫をムーンと名付けた。
※名詞 MOON(ムーン)が第五文型(SVOC)の補語C
彼の声はあなたに似ている。
※形容詞 similar(よく似た)が第二文型(SVC)の補語C
ドアを開けっ放しにしないでよ。
※形容詞 open(開いた)が第五文型(SVOC)の補語C
補語と目的語の違い
補語Cと目的語Oには、次の2つの違いがある。
1. 主語Sとイコール関係かどうか
SVの後ろにある言葉は、主語Sとイコール関係かどうかによって、補語Cなのか目的語Oなのかを考えることができる。
補語Cが主語Sとイコール関係であるのに対して、目的語Oは主語Sとイコール関係にはならない。
彼は研究者になった。
※ He = a researcher なので、ここでの a researcher は補語Cだとわかる。
彼は研究者を尊敬している。
※ He ≠ a researcher なので、ここでの a researcher は目的語Oだとわかる。
2. 品詞の違い
補語Cになる品詞は「名詞」または「形容詞」だが、目的語Oになる品詞は「名詞」だけだ。
目的語O:「名詞」だけ
補語のある文型
補語Cを使った文型には、第二文型(SVC)と第五文型(SVOC)の2つがある。
第二文型(SVC)
この紅茶はとても美味しい。
彼の声はあなたに似ている。
なお、上記のような純粋な形容詞( good や similar )以外にも、「形容詞的用法の不定詞」「現在分詞」「過去分詞」「前置詞句」などの形容詞句が補語Cに置かれることもよくある。
第五文型(SVOC)
栄養のあるものが私たちを健康に保ってくれる。
ドアを開けっ放しにしないでよ。
なお、上記のような純粋な形容詞( healthy や open )以外にも、「形容詞的用法の不定詞」「現在分詞」「過去分詞」「前置詞句」などの形容詞句が補語Cに置かれることもよくある。
第五文型(SVOC)の全体像については以下のページで解説しているので、必要があれば参考にしてほしい。
※ご参考:
第5文型(SVOC)のたった1つのポイント
例文も全パターンあり >>
さいごに「補語Cになる品詞は名詞か形容詞」
「文の要素(S, V, O, C)と品詞は違う」という前提に立った上で、補語Cになる品詞は名詞か形容詞だということを押さえておこう。
そうすれば、英語の理解(読む・聞く)や表現(話す・書く)がよりいっそう正確になるだろう。