副詞節とは? 修飾語Mとの違いや名詞節・形容詞節との見分け方
副詞節とは、大きな副詞として働くSVのカタマリ(節)のことだ。
ほとんどの接続詞( if / when / before / after など)が副詞節を作り、単語一語の副詞( always や tomorrow など)と同じように、主には動詞を修飾する修飾語Mになる。
参考書やウェブサイトによっては、「副詞節」と「修飾語M」を混同してしまっているものもあるので、その点にも注意しながら学んでいこう。
CONTENTS
基本の確認|副詞節をマスターするために
副詞節をしっかりと理解するために、まずは「副詞」および「節」という言葉について、簡単に確認しておこう。
「そこは十分理解している」という場合には、次の「副詞節とは?」という項目に進んでも大丈夫だ。
副詞とは?
副詞とは、次の4つの働きをする品詞のことだ。
動詞を修飾する
go home(家に → 帰る)
always drink coffee(いつも → 飲む)
形容詞を修飾する
so beautiful(とても → 美しい)
very tight(とても → きつい)
副詞を修飾する
so fast(とても → 早く)
very loudly(とても → 大きな声で)
文全体を修飾する
generally(一般的には)
certainly(確かに)
中でも「動詞を修飾する」というのは、副詞のメイン機能で、ほとんどの副詞節もこの働きを持っている。
節(せつ)とは?
単語2つ以上のカタマリのうち、SVがないものを句、SVがあるものを節という。
前置詞( in や on など)の後ろには必ず「名詞」が続くし、接続詞( if や because など)の後ろには必ず「SV」が続く。
「必ず続く言葉があるのなら、一つのカタマリだと見てしまおう」というのが、句や節といった視点だ。これを踏まえて、副詞節について学んでいこう。
副詞節とは
副詞節とは、その名の通り、大きな副詞として働くSVのカタマリ(節)のことで、「接続詞 + SV 」という形をしている。
接続詞の中には、名詞節を作る that や、形容詞節も作れる because, as, like もあるが、ほとんどの接続詞は副詞節を作る。
副詞節を作る接続詞
それでは具体的に、いくつかの副詞節を見ていこう。
※「副詞節」には下線を付けている。
※「副詞節」と「接続詞」を混同しないように。
時(〜するとき、〜する間に、など)
時を表す接続詞:when / while / before / after / until / as soon as など
(彼女が電話してきたとき、私は本を読んでいた。)
(太陽が沈んでいく間、私たちは浜辺で話をした。)
(到着したらすぐ連絡してください。)
原因(〜するので)
原因を表す接続詞:because / since / as など
(少し具合が悪かったので、早めに帰った。)
(道が混んでいるから、別のルートにした方がいいよ。)
(外は雨だから、今日はピクニックに行けないね。)
条件(〜するならば、たとえ〜だとしても、など)
条件を表す接続詞:if / even if / unless など
(もしお店が開いていたら、パンと牛乳を買うよ。)
(たとえ一晩かかっても、そのプロジェクトをやり終えるつもりだ。)
(彼女が望まない限り、私は行くつもりがない。)
譲歩(〜するけれど、〜する一方で)
譲歩を表す接続詞:though / although / while / whereas など
(一生懸命勉強したけれど、彼は試験に通らなかった。)
(私は紅茶が好きです。兄はコーヒーが好きなんですけどね。)
(ジョンはとても外向的です。双子の兄がとても内向的なのに対して。)
場所(〜するところで)
場所を表す接続詞:where / wherever など
(遊んだおもちゃを元あった場所に戻しなさい。)
(あなたがどこにいても、あなたは私の心の中にいる。)
様態(〜するように)
様態を表す接続詞:like / as など
(彼女のように料理ができたらなあ。)
(この部屋、好きなように使ってください。)
目的(〜するために)
目的を表す接続詞:so that など
(寝過ごさないようにアラームをかけた。)
(後で復習できるように、講義中にノートを取ってるんです。)
※普通、that 節は名詞節だが、副詞 so と一緒に使われると副詞節になる。
程度(〜するほど)
程度を表す接続詞:so ... that など
(その橋は車が通れないほど狭い。)
(すごく早く起きたので、コーヒーショップも空いてない。)
※多くの副詞節は動詞を修飾するが、程度(〜するほど)を表す so that 構文は、形容詞や副詞を修飾する副詞節になる。
副詞節の見分け方・3つのポイント
英文の中の節(接続詞 + SV )が副詞節かどうかを見分けられると、英文の解釈が正確になる。副詞は(主には)動詞を修飾するので、副詞節だとわかれば、そこを動詞にかけて訳す(解釈する)ことができるからだ。
副詞節を見分けるときには、
1. ほとんどの接続詞は副詞節を作る
2. 修飾語Mかどうかを確認する
3. 意味の繋がりを確認する
という3つのポイントを大切にしよう。
1. ほとんどの接続詞は副詞節を作る
これまでにも触れたように、大前提として、ほとんどの接続詞は副詞節を作る。別の言い方をするなら、名詞節や形容詞節を作る接続詞(あるいは接続詞のニュアンスを含む言葉)は限られている。
そこで、名詞節や形容詞節を作る接続詞を覚えておくと、副詞節かどうかを見分けやすくなる。名詞節や形容詞節を作る接続詞(あるいは接続詞のニュアンスを含む言葉)は、それぞれ次の通りだ。
名詞節を作る接続詞
● 疑問詞( who / which / when / how など)
● 接続詞 whether / if(〜するかどうか)
● 関係代名詞 what
● 複合関係代名詞( whoever / whichever / whatever )
※関係代名詞 what 、疑問詞、複合関係代名詞は、純粋な接続詞ではなく、接続詞のニュアンスを含む言葉。(接続詞以外の働きも含んでいる。)
形容詞節を作る接続詞
● 関係副詞( when / where / why / how )
● 原因の because(〜だから)
● 様態の as / like(〜するような)
※関係代名詞と関係副詞は、純粋な接続詞ではなく、接続詞のニュアンスを含む言葉。(接続詞以外の働きも含んでいる。)
2. 修飾語Mかどうかを確認する
副詞は必ず修飾語Mになるので、副詞節かどうかを見分けるためには、その節が修飾語Mの位置に置かれているかどうかを確認しよう。
(ただし、修飾語Mが必ずしも副詞になるとは限らないので、そこは注意が必要だ。)
修飾語Mかどうかを確認するためには、節だけでなく、文全体の形を広く見渡すことが重要だ。
→ “We talked on the beach” で第1文型(SV)が出来上がっているので、残りの “while the sun was setting” は修飾語M。副詞節の可能性が高い。
→ “The bridge is so small” で第2文型(SVC)が出来上がっているので、残りの “that a car can not pass there” は修飾語M。副詞節の可能性が高い。
ただ、修飾語Mには、動詞・形容詞・副詞を修飾する「副詞」だけでなく、名詞を修飾する「形容詞」も含まれるので、「修飾語Mだから副詞節だ」と決め付けるのは早計だ。(特に、名詞の後ろに修飾語Mがある場合。)
そこで、最終的には「意味の繋がり」まで確認するようにしよう。
3. 意味の繋がりを確認する
副詞は必ず修飾語Mになるが、修飾語Mが必ずしも副詞とは限らない。
「この節は修飾語Mの位置に置かれている」と判断できたら、それが副詞節なのか形容詞節なのか、最終的には「意味の繋がり」まで考えて判断しよう。
“I was reading a book” で第3文型(SVO)が出来上がっているので、残りの “when she called me up” は修飾語M。
↓ 意味の繋がりを確認すると……
「電話をしたとき → 読んでいた」という繋がりなので(動詞 was reading を修飾しているので)副詞節。
“I clearly remember the days” で第3文型(SVO)が出来上がっているので、残りの “when I was with you” は修飾語M。
↓ 意味の繋がりを確認すると……
「一緒にいた → 日々」という繋がりなので(名詞 days を修飾しているので)形容詞節。
言葉の(特に英語の)意味は「文法」と「文脈」の両方に影響される。「文法」を勉強していると、どうしても「文脈」が疎かになりがちなので、その両面を見るよう心がけておこう。
補足:時や条件を表す副詞節について
なお、英語には「時や条件を表す副詞節」では未来形を現在形にするという、少し謎めいた、けれども、とても重要な英文法(語順のルール)がある。
副詞節について学んだ今ならよく理解できると思うし、詳しくは以下のページで解説しているので、余力があれば併せて学んでおこう。
さいごに|節の品詞がわかると英語が楽になる
ここで学んだ副詞節は、要は「副詞の一種」だ。確かに、単語一語の副詞( always や tomorrow など)とはサイズが違うが、「ここからここまでは大きな副詞なんだな」と捉えることができれば、長めの英文でもすごくシンプルに見えてくる。
副詞節に限らず、接続詞が出てきたら「節の品詞」を考えるようにしよう。
>> 次に学ぶ記事 >>