センスが上がる!複合関係代名詞 whichever の2つの意味と使い方
複合関係代名詞 whichever には、「~するものはどれでも(どちらでも)」という順接的な意味と、「たとえどれが(どちらが)~しようとも」という逆説的な意味がある。
ここでは、whichever の2つの意味と使い方について、「 whichever って、こういうときに使うんだ!」と肌で感じられる、リアルな例文も交えて解説していこう。
この記事を読んで得られること
- whichever のリアルな使い方がわかる
- whichever の2つの意味を使い分けられるようになる
CONTENTS
まずは例文で確認!whichever のリアルな使い方
具体的な説明に入る前に、まずは whichever という言葉を実際にはどう使うのか、身近な例文で確認しておこう。
参考書などに載っているようなお堅い例文ではなく、あなたが実際に表現する機会がありそうな例文を用意したので、これだけでも勉強になると思う。
※聞き取りに慣れるよう、音声はループ再生されるようにしてあります。
色違いで2つ買ったから、どっちが好きな方を1つあげるよ。
あなたが好きなどちらについてでも話すよ。
2個買ったら、どちらか好きな景品をくれるそうだよ。
いずれかご都合の良い方法でフィードバックをお送りください。
どっちを食べたってカロリー面ではほとんど変わらないでしょ。
どっちの本を読んでも、きっと夢中になること間違いなしだよ。
どっちのモデルを買ったって機能はどちらも同じようなものだよ。
どっちの服を着てみても、何かピンとこない気がする。
どっちの食事を選んでも一日分の塩分摂取量は超えるでしょ。
whichever のリアルな使い方がわかったところで、続いてはもう少し具体的な説明に入っていこう。
複合関係代名詞 whichever には2つの意味がある
先ほどの例文からもわかるように、whichever には「~するものはどれでも(どちらでも)」という順接的な意味と、「たとえどれが(どちらが)~しようとも」という逆説的な意味がある。
それぞれについて、詳しく解説していこう。
「~するものはどれでも(どちらでも)」という意味の whichever は名詞節をつくる
whichever を「~するものはどれでも(どちらでも)」という意味で使うときのポイントは、whichever が名詞節をつくるという点だ。
名詞節は名詞の一種なので、普通の名詞と同じように主語Sになったり目的語Oになったりする。
Please choose whichever you find most interesting!
一番おもしろいと思うものを選んでね!
I’ll talk about whichever you like.
あなたが好きなどちらについてでも話すよ。
※「節」とは単語二語以上のカタマリのうち、SVの形があるもののことだ。SVの形がなければ「句」という。
whichever = anything that に置き換えられる
なお、「~するものはどれでも(どちらでも)」という意味は、whichever ではなく anything that を使っても表現できる。ここでの any は「どんな・任意の」という意味だ。肯定文での any はこの意味になることが多い。
また、関係代名詞 which を使って anything which としても伝わるとは思うが、先行詞に any や all the などすべてのものを表す形容詞が添えられた場合には、関係代名詞は that が好まれる傾向にあるので、ここでは whichever = anything that としている。
※ご参考:関係代名詞 that のみを使う3つの場合とその理由
= I’ll talk about anything that you like.
anything that に置き換えた文を見ても、whichever 以降(つまり anything that 以降)が大きな名詞のカタマリになっていることがわかる。
「~するものはどれでも(どちらでも)」という順接的な意味を表す whichever は名詞節をつくるということを、文法上のポイントとして押さえておこう。
ちなみに「複合関係代名詞」とは?
なお、複合関係代名詞とは、「先行詞と関係代名詞がくっついた(複合した)関係代名詞」のことだ。
whichever = anything that と置き換えられることからもわかるように、「~するものはどれでも(どちらでも)」という意味の whichever は、先行詞 anything と関係代名詞 that(または which )がくっついた言葉だと考えられる。
だから、whichever は複合関係代名詞と呼ばれているわけだ。
※ご参考:関係代名詞 what の使い方|接続詞 that との違いはこれだ!
「たとえどれが(どちらが)~しようとも」という意味の whichever は副詞節をつくる
一方、whichever を「たとえどれが(どちらが)~しようとも」という意味で使うときのポイントは、whichever が副詞節をつくるという点だ。
Whichever you eat there's not much difference in terms of calories.
どっちを食べたってカロリー面ではほとんど変わらないでしょ。
I guarantee that you will be absorbed whichever book you read.
どっちの本を読んでも、きっと夢中になること間違いなしだよ。
先に説明した「~するものはどれでも(どちらでも)」という意味の whichever とは節の品詞が異なるという点を押さえておこう。
助動詞の may がよく使われる
また、逆接的な意味の whichever では、よく助動詞の may や would が添えられる。
どっちの食事を選んでも一日分の塩分摂取量は超えるでしょ。
ここでの may は「譲歩の may」と呼ばれているもので、譲歩構文(逆接的な意味の表現)でよく添えられるものだ。
※ご参考:英語でよく聞く「譲歩」ってどういう意味?4つの譲歩構文まとめ
whichever = no matter which に置き換えられる
なお、「たとえどれが(どちらが)~しようとも」という意味は、whichever ではなく no matter which を使って表現されることもある。
ニュアンスとしては、no matter which の方が気持ちが強くこもった表現だ。
= No matter which you eat there's not much difference in terms of calories.
= No matter which meal you choose, it will go beyond your daily salt intake.
no matter which もよく使われる表現なので、併せて知っておこう。
さいごに「whichever のつくる節の品詞に注目しよう」
同じ言葉でも、品詞の違いによって意味が変わってくるというのは、英語ではよくあることだ。
⇒「~するものはどれでも(どちらでも)」(順接的)
whichever (S) V が副詞節
⇒「たとえどれが(どちらが)~しようとも」(逆接的)
2つの意味を持つ whichever については、ここをしっかりと押さえておこう。
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