前置詞+関係代名詞+to do を理解するための3つのポイント

英文法関係詞
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「前置詞+関係代名詞+to do」という形は、一見するとわかりにくい形だが、丸暗記をする必要はない。

いくつかの基本的な考えを踏まえると「ああ、なるほど!」と腑に落とすことができる。

この記事を読んで得られること

  • 前置詞+関係代名詞+to do という形が理解できる
  • 関係代名詞への苦手意識が減る

CONTENTS

前置詞+関係代名詞+to do は「主語+be動詞」が省略された表現

関係代名詞についての質問の中で多いのが、

I have no words with which to express my thanks.
(私には感謝の気持ちを表す言葉がない/言葉では言い表せないほど感謝しています)

という英文の文構造がわかりません。

という質問だ。

確かに、普通は関係代名詞の後ろにはS+Vが続くので、to express … という不定詞が続いているのは、一見すると奇妙に思える。

けれども、実はこれは、「主語+be動詞」が省略された表現だと考えることができる。

I have no words with which (I am) to express my thanks.

※「考えることができる」と言っているのは、実際に “I am” を明記して表現することはほとんどないからだ。

with which の後ろに I am が隠れているのなら、関係代名詞の後ろには、いつも通りしっかりとS+Vが続いていることになる。

接続詞の後ろの「主語+be動詞」はよく省略される

ではなぜ with which の後ろの I am は 省略されてしまうのだろう?

それは、英語では接続詞の後ろで「主語+be動詞」がよく省略されるからだ。

接続詞の後ろで「主語+be動詞」が省略された表現の例

I loved it when young.
= I loved it when (I was) young.
私は昔それが好きだった。

Call me if needed.
= Call me if (it is) needed.
必要なら私に電話してください。

When asked for comment, she said “It’s not my business.”
= When (she was) asked for comment, she said “It’s not my business.”
コメントを求められたとき、彼女は「私には関係ないわ」と言った。

関係代名詞は接続詞のはたらきを持っている。そこで、普通の接続詞のときと同じように、with which の後ろの I am(その文の主語S+be動詞)が省略されるというわけだ。

S + be + to do では、be to = will のように考えられる

あとは

I have no words with which (I am) to express my thanks.

の “I am to express ……” という部分が解釈できれば、すべて解決だ。

be動詞の後ろに不定詞(to express my thanks)が続くのも、一見奇妙に思えるかもしれないが、これは不定詞を学ぶとよく出てくる表現だ。

俗に「be to構文」と呼ばれるもので、be + to を will や can といった助動詞に置き換えて考えることができる。

The next meeting is to be held on Wednesday 22 May. (is to = will)
次回のミーティングは5月22日(水)に行われることになっている。

No stars are to be seen in the daytime. (are to = can)
日中に星を見ることはできない。

※ご参考:be to の正体と覚え方

I am を補うことで生まれた am to も、助動詞 can に置き換えて考えてみよう。

I have no words with which (I am) to express my thanks.
= I have no words with which I can express my thanks.

こうして I am を補い、am to を can に置き換えれば、文構造を理解した上で「感謝の気持ちを表す言葉が見当たりません」という意味まで辿り着ける。

まとめ

「前置詞+関係代名詞+to do」という形は、何も丸暗記する必要はない。

1. 関係代名詞には接続詞のはたらきがある
2. 接続詞の後ろでは「主語+be動詞」が省略されやすい
3. S + be + to do では be + to = will, can のように考えられる

といった他の場面でもよく出てくる基本的な考え方を当てはめるだけで、しっかりと理解することができる表現だ。

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