関係代名詞 that のみを使う3つの場合とその理由

英文法関係詞
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関係代名詞that-1

物・事を先行詞とする場合、関係代名詞としては which または that が使われる。

基本的にはどちらを使ってもらってもよいが、「あるもの」が先行詞となった場合には、関係代名詞は that がかなり好まれる。

ここでは、関係代名詞 that が好まれる3つの場合について、「なぜ that が好まれるのか?」という理由とともに整理していこう。

この記事を読んで得られること

  • 関係代名詞 that が好まれる3つの場合を覚えられる
  • なぜ、関係代名詞 that が好まれるのか、感覚的にもわかる

関係代名詞 that が好まれる3つの場合

学校の授業や参考書などでは、「先行詞に all the, every, any, the first, the only, the biggest, no …… などが添えられている場合には、関係代名詞は that にしてください!」と説明される(押し付けられる)ことが多いと思うが、これだと納得感もなければ記憶にも残らない。

そこで、関係代名詞 that が好まれる場合については、次の3つに場合分けをして、まずは全体像から押さえておこう。

1. 先行詞が「すべてのもの」を表す場合

関係代名詞 that が好まれる一つ目の場合は、先行詞が「すべてのもの」を表す場合だ。具体的な例を挙げると、

・all(すべての)
・every(あらゆる)
・any(どんな・何でも)

という言葉(形容詞)が先行詞に添えられる場合には、which ではなく that がかなり好まれる。

Everything that can be counted does not necessarily count.
大事なものすべてが数えられるものというわけではない。
数えられるすべてのものが必ずしも重要だとは限らない。
(アルベルト・アインシュタイン)

※もうワンランク上を目指すあなたへ

can be counted の counted は「~を数える」という他動詞の過去分詞、does not count の count は「重要である」という自動詞。同じ count という言葉の意味の揺らぎを活かした表現だ。

The most important thing is to enjoy your life ― to be happy ― it’s all that matters.
もっとも重要なのは人生を楽しむこと。幸せであること。それが、大切なすべてのことよ。
(オードリー・ヘップバーン)

※もうワンランク上を目指すあなたへ

ここでの all は名詞(すべてのこと)で、関係詞節 that matters の先行詞になっている。that が主格の関係代名詞、matters は「重要である」という意味の自動詞。

2. 先行詞が「唯一のもの」を表す場合

関係代名詞 that が好まれる二つ目の場合は、先行詞が「すべてのもの」を表す場合だ。具体的な例を挙げると、

・only(唯一の)
・very(まさにその)
・序数詞(first, second, third ……)
・最上級(biggest, simplest ……)

などが先行詞に添えられると、which ではなく that がかなり好まれる。

The only thing that is constant is change.
変化以外に永続的なものはない。
変わらずにずっとある唯一のものは、変化だ。
(ヘラクレイトス/ギリシア人哲学者)

3. 先行詞が「0のもの」を表す場合

関係代名詞 that が好まれる三つ目の場合は、先行詞が「0のもの」を表す場合だ。具体的には、

no

が先行詞に添えられると、which ではなく that がかなり好まれる。

There is no rule that has no exceptions.
例外のないルールはない。

ここがポイント!なぜ、関係代名詞 that が好まれるのか?

さて、ここまでに整理したのは「知識」だが、せっかくなので「感覚」の部分まで踏み込んでみよう。

先行詞が「すべてのもの・唯一のもの・0のもの」を表す場合に、どうして関係代名詞は which ではなく that がかなり好まれるのか? これは、which や that という言葉を使うときのちょっとしたイメージの違いに注目すると腑に落ちやすい。

which という言葉は、関係代名詞ではなく疑問詞として使うこともあり、その場合には「どれかというと……」という意味が表面化する。その「どれかというと……」というイメージが、用法は変わっても同じ言葉なので、関係代名詞 which を使うときにも潜んでいるということだ。

同じように、that という言葉は、関係代名詞ではなく(単なる)代名詞として使うことも多く、その場合には「それはね……」という意味だ。その「それはね……」というイメージが、用法は変わっても同じ言葉なので、関係代名詞 that を使うときにも潜んでいる。

つまり、関係代名詞 which と that を使うときの感覚的な違いとしては、次のようになる。

◆関係代名詞 which
「どれかというと……」といういくつかのモノの中から選び取るイメージで先行詞を説明する

◆関係代名詞 that
「それはね……」という気持ちでそれほど限定せずに軽く先行詞を説明する

さて、ここまで読んでくれている勘の良いあなたなら、もう気付いているかもしれない。

先行詞が「すべてのもの・唯一のもの・0のもの」である時点で、比較の対象がないので、「どれかというと……」という気持ちや感覚は湧いてこない。だから、こういった場合には、関係代名詞 that(それはね……)が好まれるというわけだ。
 
 
なお、これは補足だが、たとえ先行詞が「すべてのもの・唯一のもの・0のもの」だったとしても、それが人であれば who も用いられる。今日の話の例外として押さえておこう。

まとめ

英文法(語順のルール)の学習全般に言えることだが、バラバラの知識を一つひとつ丸暗記していくのは、非常にコストがかかる勉強法だ。(時間的・エネルギー的・経済的に。)

ここでお話ししたように、まずは全体像を眺めてから個別の知識に触れるようにすると、今までバラバラに思えていた知識が繋がってくるだろう。

関係代名詞 that が好まれるのは、先行詞が「すべてのもの・唯一のもの・0のもの」である3つの場合だ。その理由と併せて、しっかりと押さえておこう。
 
 
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