センスが上がる!複合関係代名詞 whatever の2つの意味と使い方
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複合関係代名詞 whatever には、「~するものは何でも」という順接的な意味と、「たとえ何が~しようとも」という逆説的な意味がある。
ここでは、whatever の2つの意味と使い方について、「 whatever って、こういうときに使うんだ!」と肌で感じられる、リアルな例文も交えて解説していこう。
また補足として、スラング的に(くだけた場面で)使われる whatever についても見ておこう。
・whatever のリアルな使い方がわかる
・whatever の2つの意味を使い分けられるようになる
・whatever のスラング的な使い方もわかる
まずは例文で確認!whatever のリアルな使い方
具体的な説明に入る前に、まずは whatever という言葉を実際にはどう使うのか、身近な例文で確認しておこう。
参考書などに載っているようなお堅い例文ではなく、あなたが実際に表現する機会がありそうな例文を用意したので、これだけでも勉強になると思う。
※聞き取りに慣れるよう、音声はループ再生されるようにしてあります。
彼が言うことは何でも批判されるだろう。
あなたが論じること何もが、さらに嘘を含んで広まる。
たくさん時間を使わせちゃったから、何でも食べたいものおごるよ。
メディアで聞くことを何でもかんでもそのまま信じちゃダメだよ。
やりたいことがあるなら何だってすればいいと思うけど、実際にやる前によく考えてね。
何をしてもそのことが頭から離れなくてね。
どんな状況だったとしても、それって正当化できないでしょ。
私って何を食べてもまずお腹を壊すってことがないんだよね。
どの色を選んでも、そのシャツ似合うよ。
何を約束したって彼は守ったためしなんてないよ。
whatever のリアルな使い方がわかったところで、続いてはもう少し具体的な説明に入っていこう。
複合関係代名詞 whatever には2つの意味がある
先ほどの例文からもわかるように、whatever には「~するものは何でも」という順接的な意味と、「たとえ何が~しようとも」という逆説的な意味がある。
それぞれについて、詳しく解説していこう。
「~するものは何でも」という意味の whatever は名詞節をつくる
whatever を「~するものは何でも」という意味で使うときのポイントは、whatever が名詞節をつくるという点だ。
名詞節は名詞の一種なので、普通の名詞と同じように主語Sになったり目的語Oになったりする。
Whatever he says will be criticized.
彼が言うことは何でも批判されるだろう。
You shouldn't indiscriminately trust whatever you hear in the media.
メディアで聞くことを何でもかんでもそのまま信じちゃダメだよ。
※「節」とは単語二語以上のカタマリのうち、SVの形があるもののことだ。SVの形がなければ「句」という。
whatever = anything that に置き換えられる
なお、「~するものは何でも」という意味は、whatever ではなく anything that を使っても表現できる。ここでの any は「どんな・任意の」という意味だ。肯定文での any はこの意味になることが多い。
また、関係代名詞 which を使って anything which としても伝わるとは思うが、先行詞に any や all the などすべてのものを表す形容詞が添えられた場合には、関係代名詞は that が好まれる傾向にあるので、ここでは whatever = anything that としている。
※ご参考:関係代名詞 that のみを使う3つの場合とその理由
= Anything that he says will be criticized.
anything that に置き換えた文を見ても、whatever 以降(つまり anything that 以降)が大きな名詞のカタマリになっていることがわかる。
「~するものは何でも」という順接的な意味を表す whatever は名詞節をつくるということを、文法上のポイントとして押さえておこう。
ちなみに「複合関係代名詞」とは?
なお、複合関係代名詞とは、「先行詞と関係代名詞がくっついた(複合した)関係代名詞」のことだ。
whatever = anything that と置き換えられることからもわかるように、「~するものは何でも」という意味の whatever は、先行詞 anything と関係代名詞 that(または which )がくっついた言葉だと考えられる。
だから、whatever は複合関係代名詞と呼ばれているわけだ。
※ご参考:関係代名詞 what の使い方|接続詞 that との違いはこれだ!
「たとえ何が~しようとも」という意味の whatever は副詞節をつくる
一方、whatever を「たとえ何が~しようとも」という意味で使うときのポイントは、whatever が副詞節をつくるという点だ。
Whatever the situation might have been, it can't be justified.
どんな状況だったとしても、それって正当化できないでしょ。
I can't stop thinking of it whatever I do.
何をしてもそのことが頭から離れなくてね。
先に説明した「たとえ何が~しようとも」という意味の whatever とは節の品詞が異なるという点を押さえておこう。
助動詞の may がよく使われる
また、逆接的な意味の whichever では、よく助動詞の may や would が添えられる。
どの色を選んでも、そのシャツ似合うよ。
ここでの may は「譲歩の may」と呼ばれているもので、譲歩構文(逆接的な意味の表現)でよく添えられるものだ。
※ご参考:英語でよく聞く「譲歩」ってどういう意味?4つの譲歩構文まとめ
whatever = no matter what に置き換えられる
なお、「たとえどれが(どちらが)~しようとも」という意味は、whatever ではなく no matter what を使って表現されることもある。
ニュアンスとしては、no matter what の方が気持ちが強くこもった表現だ。
= No matter what the situation might have been, it can't be justified.
= No matter what he promises, nothing has ever been kept.
no matter what もよく使われる表現なので、併せて知っておこう。
スラング的な whatever の使い方
英文法(語順のルール)を学ぶ上で重要な whatever の意味と使い方は、これまでに触れた「~するものは何でも(順接的/名詞節)」と「たとえ何が~しようとも(逆接的/副詞節)」の2つだが、それとは別に whatever がスラング的に(くだけた場面で)使われることがある。
1. などなど・そんな感じのもの
私のこと、マサとか何とかそんな感じで呼んでよ。
このシリアルバーには、アーモンド、カシューナッツなどなど、いろんなナッツが入ってるよ。
今夜のイベントでは、音楽に料理にダンスなどなど、いろいろあるよ!
2. どうでもいい・興味がない
どうでもいいや。実はあまり興味ないし。
あんまり腹が立ったものだから、「どうでもいいよ」って言って帰って来たんだ。
まあ、どうでもいいけどね。
3. いったい何が(何を)/what の強調
いったい何て言ったの?
いったい何がいけないんだい?
それっていったいどういう意味なの?
さいごに「whatever のつくる節の品詞に注目しよう」
同じ言葉でも、品詞の違いによって意味が変わってくるというのは、英語ではよくあることだ。
⇒「~するものは何でも」(順接的)
whichever (S) V が副詞節
⇒「たとえ何が~しようとも」(逆接的)
2つの意味を持つ whatever については、ここをしっかりと押さえておこう。
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