what we call(いわゆる)の使い方と英文法|例文・音声満載
what we call や what is called は「いわゆる」という意味の慣用表現で、文法的には関係代名詞 what を使ったものだ。
ここでは、フレーズの意味を丸暗記するだけでなく、なぜ what we call が「いわゆる」という意味になるのかを整理していこう。
また、例文や音声を通して、類似表現の so-called との違いを押さえていくのもオススメだ。
CONTENTS
基本の確認|what = the thing which
what we call(いわゆる)の意味と文構造を理解するために、まずは関係代名詞 what について、基本的なポイントを確認しておこう。
※「関係代名詞 what はバッチリ!」という場合には、次の「 what we call の意味と文構造」に進んで大丈夫だ。
関係代名詞 what(〜するもの・〜すること)は、先行詞 the thing(こと・もの)のニュアンスを含む関係代名詞なので、what = the thing which に置き換えて考えるのが基本だ。
↓ what = the thing which に置き換えて……
I understand the thing which you are saying.
(あなたが言っていることは理解してるよ。)
このように置き換えると、関係代名詞 what が名詞節(SVがある大きな名詞)を作っているのがわかる。
詳しくは以下のページで学ぶとして、what we call(いわゆる)をマスターする準備としては、
・関係代名詞 what は名詞節を作る
という2つのポイントを押さえておこう。
2つの文に分ける
また、関係代名詞 who, which, that が出てきたら、2つの文に分けて考えるのも大切だ。そうすることで、関係詞節の中の文構造(語順)がわかりやすくなるからだ。
2つの文に分けるときには、先行詞を代名詞として繰り返そう。
↓ what = the thing which に置き換えて……
I understand the thing which you are saying.
↓ 2つの文に分けるなら、先行詞 the thing を 代名詞 it で繰り返して……
I understand the thing. + You are saying it.
(そのことは理解してるよ。+あなたがそのことを言っている。)
こうして2つの文に分けたことで、which と it が対応している( which は are saying の目的語Oだ)ということがわかりやすくなった。
これらを踏まえて、what we call や what is called の意味と文構造を見ていこう。
what we call の意味と文構造
what we call(いわゆる)は関係代名詞 what を使った表現で、直訳するなら「私たちが〜と呼んでいるもの」という意味になる。「いわゆる」という意味は、この直訳をシンプルに言い換えたものだ。
これは私たちがインフレと呼んでいるものだ。
=これはいわゆるインフレだ。
※インフレ:物価が上昇している状態、貨幣価値が下落している状態
また、文の形としては、what we call(いわゆる)だけが独立しているのではなく、後ろに続く言葉(ここでは inflaiton )も含めて、関係詞節の中が第5文型(SVOC)になっている。
先ほど確認したように、what = the thing which に置き換えた上で、2つの文に分けてみよう。
↓ what = the thing which に置き換えると……
This is the thing which we call inflation.
↓ 2つの文に分けるなら、先行詞 the thing を 代名詞 it で繰り返して……
This is the thing. + We call it inflation.
(これはそういうものだ。+私たちはそれをインフレと呼んでいる。)
このように2つの文に分けると、“We call it inflation.” という第5文型(SVOC)が浮かび上がり、関係詞節 “which we call inflation” も第5文型( which が目的語O、inflation が補語C)だとわかる。
例外|what = the person who(m) になる場合
なお、関係代名詞 what は the thing which に置き換えるのが基本だが、what we call(いわゆる)を使って「人」を説明する場合には、例外的に what = the person who(m) だと考えよう。
↓ what = the person who(m) に置き換えて……
He is the person who(m) we call a vegetarian.
彼は私たちがベジタリアンと呼ぶ人物だ。
=彼はいわゆるベジタリアンだ。
いずれにしても、what we call(いわゆる)は、後ろに続く言葉( inflation や a vegetarian )も含めた大きな名詞節を作っているというのがポイントだ。
what is called の意味と文構造
what is called(いわゆる)は、先ほどの what we call を受動態にした表現だ。2つの文に分けたところから逆算して考えてみよう。
↓ 2つ目の文を受動態にすると……
This is the thing. + It is called inflation (by us).
↓ 関係代名詞 which を使って繋ぐと……
This is the thing which is called inflation.
↓ the thing which = what に戻すと……
This is what is called inflation.
これはインフレと呼ばれているものだ。
=これはいわゆるインフレだ。
なお、受動態の文の作り方については、必要に応じて以下のページで確認しておこう。
what we call の使い方と例文
文脈的には、what we call や what is called(いわゆる)は、聞き手にとって馴染みがなさそうな言葉を使うときの前置きになる表現で、後ろに補足説明が続くことも多い。
(彼女はいわゆるライフスキルを高校生に教えている。)
※ライフスキル:意志決定、問題解決、創造的思考など、人生の問題に対してより効果的に対応するための能力
(彼はいわゆる博学者で、多くの分野の知識を持っている人だ。)
(彼女はいわゆる園芸の達人で、彼女が手を加えた植物は見事に咲き誇る。)
※ green thumb:園芸の才能、親指が緑色になるくらいまで植物を触っている人
※ここでの with は付帯状況の with( with O C の with )
(市場への貨幣供給量が急速に増えると、いわゆるインフレに繋がることがよくある。)
(金融の世界において、彼女はいわゆる達人で、迅速で戦略的な意志決定でよく知られている。)
なお、「いわゆる」という意味だけに注目すると、what we call や what is called が副詞っぽく感じられるかもしれない。
ただ、これまでに学んだように、文法的には、後ろに続く言葉も含めて名詞節になっているので、what we call や what is called だけをカンマで区切らないように気を付けよう。
類似表現 so-called
what we call や what is called の類似表現に、形容詞の so-called(いわゆる)がある。
両者はほとんど同じような意味で、交換可能なケースも多いが、so-called はネガティブ(批判的・懐疑的)なニュアンスで使われることもある。
(私たちはいわゆる専門家を雇ったが、彼は問題を悪化させただけだった。)
中立的な表現をするなら、what we call や what is calle を使うようにしておこう。
さいごに|英文法をマスターしたいあなたへ
ここでは、what we call や what is called(いわゆる)の意味や文構造について学んだが、英文法(語順のルール)は読解力や表現力の土台になるものだ。
もしもあなたに英文法の伸び代があれば、当サイトの無料動画「暗記のいらない英文法(全31回)」も併せて学んでおこう。
きっと、英文法への苦手意識を克服するキッカケになるはずだ。