分詞構文の問題の解き方・決定版!副詞節に戻して考えよう

英文法分詞構文
最終更新日:
これが確実!分詞構文の問題は副詞節に戻して考えよう-2

分詞構文というのは、英文法の中でも苦手な人が多い単元だ。

あなたも、問題集とにらめっこしているときに、

「どうして日本語では “見る” と書いてあるのに、英語では “Seen(見られる)” になるんだろう…?」

と不思議に思ったことはないだろうか?

ここでは、誰でも簡単に分詞構文の問題を解けるようになる考え方をお伝えしていこう。

 
分詞構文を副詞節に戻して考えるのがポイントですね。

この記事を読んで得られること

  • 分詞構文の問題が確実に解けるようになる
  • 感覚ではなく論理で分詞構文を理解できる

CONTENTS

分詞構文の作り方を確認

分詞構文の作り方-2

本題に入る前に、まずは分詞構文の基本をおさらいしよう。

分詞構文とは、動詞の意味を持った副詞のことで、「接続詞+SV」という形の副詞節をコンパクトにした省略表現の一種だ。

日常のコミュニケーション(会話やメール)ではほとんど使われないが、新聞や評論文・小説の中ではよく見かける表現だ。

副詞節を分詞構文に書き換える場合には、次の3つのステップに従えばよかった。

副詞節を分詞構文にする3つのステップ
1. 接続詞を消す
2. 主節の主語と一致するなら、主語を消す
3. 残った動詞を “~ing” という形にする

具体的には、次のようになる。

When the lady saw me, she ran away.
(私を見ると、その女性は走り去った。)
↓ この副詞節を分詞構文にすると…
When the lady Seeing me, she ran away.
 
ちなみにコレは、ジェフの実体験よね。
 
なんでやねん。
 
この「分詞構文への書き換え方」については、詳しくは以下の記事で解説している。

参考記事:これだけは知っておきたい!分詞構文を正しく作るための3つのステップ

分詞構文はもとの副詞節に戻して考えよう

これが確実!分詞構文の問題は副詞節に戻して考えよう1

分詞構文が苦手な人の多くは、分詞構文で "~ing" を使うのか "~ed" を使うのかを、感覚的に判断してしまっている。

もちろん英語は言語なので、数学のように論理だけで成り立っているわけではない。言葉を発するときの気持ちや感覚に目を向けるのも、英語学習では大切なことだ。

けれども、やはり感覚だけに頼るのは危険だ。そもそも、日本語と英語では語順のルール(=文法)がまるで違うので、日本語の感覚で英語に接すると痛い目に遭う。

郷に入っては郷に従え、だ。英語には英語のルールで接しよう。

分詞構文の問題を確実に解きたいのなら、ズバリ、分詞構文をもとの副詞節に戻すことだ。

手順はいたってシンプル。最初に確認した「分詞構文の作り方」の逆を行えばいい。

◼︎分詞構文を副詞節に戻すには…
1. 接続詞を復活させる
2. 「主節の主語と同じ主語」を復活させる
3. “~ing” を動詞の形にする

たったこれだけで、今まで苦手だった分詞構文がわかるようになるのだから、やらない手はない。

それでは具体的に、3つの問題で練習してみることにしよう。

例1. 「あなたに比べると、彼は…」

これが確実!分詞構文の問題は副詞節に戻して考えよう-2

(  ) to you, he is an expert,
あなたに比べると、彼は専門家だ。

1. Comparing
2. Compared

 
正しい選択肢は、どっちでしょう?
 
「あなたに比べると…」という能動的な日本語から考えると、1. comparing が正解のように思えるが……

それぞれを空欄に入れて、副詞節に戻してみよう。

Comparing を選んだ場合

Comparing to you, he is an expert.

分詞構文を副詞節に戻す流れは、

1. 接続詞を復活させ、
2. 「主節の主語と同じ主語」を復活させ、
3. “~ing” を動詞の形にする

だった。これに従って、上の文を書き換えると、

Comparing to you, he is an expert.

If he compares to you, he is an expert.(×)

となるが、ここで、出来上がった副詞節 “If he compares to you” を見てほしい。

この副詞節では、he が compares の主語になってしまっている。「あなたに比べると彼は専門家だ」という表現では、「彼比較している」わけではないので、これだと意味が成り立たない。

また、何よりも他動詞 compares の目的語Oがないのが文法的にまずい。

 
英語の動詞は多くが「他動詞」でしたよね。
 
結論として、正しい副詞節に書き換えられないので "Comparing to you" は間違いということになる。

なお、「どのような接続詞を用いるのか?」については、文脈から適当に判断しよう。ここでは If を用いて表現したが、When でも問題ないだろう。

Compared を選んだ場合

Compared to you, he is an expert.

「分詞構文を正しく作るための3つのステップ」の「4. 副詞節の中が受動態の場合」でも詳しくお話ししているが、過去分詞で始まっている(ように見える)分詞構文の直前には、Being や Having been が省略されている。

分詞構文を副詞節に戻すときには、この Being や Having been をしっかりと補って考えよう。

(Being) Compared to you, he is an expert.

↓ 接続詞を復活させ、
↓ 主節の主語を同じ主語を復活させ、
↓ ~ing を動詞の形に戻すと…

If he is compared to you, he is an expert.(○)

こうして出来上がった副詞節 "If he is compared to you(もし彼があなたと比較されたなら)" は、意味的にも文法的にも問題がない。

正しい副詞節に書き換えられる "Compared to you" が、正しい分詞構文だ。

例2. 「専門用語なしで書いてあるので、このページは…」

これが確実!分詞構文の問題は副詞節に戻して考えよう-3

(  ) without technical terms, this page is easy to read.
専門用語なしで書いてあるので、このページは読みやすい。

1. Writing
2. Written

 
正しい選択肢は、どちらかしら?
 
ここもそれぞれ、副詞節に戻して考えよう。

Writing を選んだ場合

Writing without technical terms, this page is easy to read.

↓ 接続詞を復活させ、
↓ 主節の主語を同じ主語を復活させ、
↓ ~ing を動詞の形に戻すと…

Because it writes without technical terms, this page is easy to read.(×)

これだと、it (= this page) が writes の主語になってしまうし、他動詞 writes の目的語Oがないのも問題だ。

副詞節に書き換えると、1. Writing が不正解だということがわかる。

Written を選んだ場合

先ほどの “Compared to you” と同じように、過去分詞で始まる分詞構文なので Being を補って考えよう。

(Being) Written without technical terms, this page is easy to read.

↓ 接続詞を復活させ、
↓ 主節の主語を同じ主語を復活させ、
↓ ~ing を動詞の形に戻すと…

Because it is written without technical terms, this page is easy to read.(○)

この副詞節なら、意味的にも文法的にも申し分ない。

正しい副詞節に書き換えられるので、2. Written が正解だ。

例3. 「遠くから見ると、その島は…」

これが確実!分詞構文の問題は副詞節に戻して考えよう-4

(  ) from a distance, the island looks like a heart.
遠くから見ると、その島はハート形に見える。

1. Seeing
2. Seen

 
あら、ロマンチックな話ね。
 
女子か。
 
これが3つめ、最後の問題だ。答えだけでなく、考え方もマスターしよう。

Seeing を選んだ場合

Seeing from a distance, the island looks like a heart.

↓ 接続詞を復活させ、
↓ 主節の主語を同じ主語を復活させ、
↓ ~ing を動詞の形に戻すと…

If it sees from a distance, the island looks like a heart.(×)

この文の副詞節では、it (= the island) が sees の主語になっていて、意味がオカシイ。

島が見る(×)

また sees は基本的に他動詞なので、目的語Oがないのが文法上のな誤りだ。

 
でもさ、seeing の意味上の主語を we だと考えて
 
If we see from a distance(遠くから見ると)
 
っていう副詞節になるって考えたら、イケそうじゃない?
 
それでもダメよ。やっぱり、他動詞 see の目的語Oがないもんね。
 
ああ、そっか!
 
いいかい、みんな。英米人が文法に精通しているとは限らないんだぜ。
 
自分で言うな、自分で。

Seen を選んだ場合

(Being) Seen from a distance, the island looks like a heart.

↓ 接続詞を復活させ、
↓ 主節の主語を同じ主語を復活させ、
↓ ~ing を動詞の形に戻すと…

If it is seen from a distance, the island like a heart.(○)

この副詞節なら、意味的にも文法的にも間違いはない。

正しい副詞節に書き換えられる 2. Seen を用いた分詞構文が正解だ。

分詞構文についての動画講義(25分)

なお、今回の話に関しては以下の動画講義の中でもお話ししているので、理解をより深めるために参考にしてもらいたい。

さいごに「句を節に変形して考える」

ここでお話しした最大のポイントは、

分詞構文は、分詞構文のまま考えない。
分詞構文は、副詞節に戻して考える。

だ。

そもそも分詞構文が難しく感じられるのは、それがSV構造が省略された副詞句だからだ。

最初のうちは、SV構造が省略された分詞構文に真正面から挑む必要はない。分詞構文を副詞節に戻して、SV構造が目に見える形で考えるようにしよう。そうすれば、きっと分詞構文と仲良くなれるはずだ。
 
分詞構文をなるべく効率的に
身に付けたい人はこちら >>
英文法の無料講義(全31回・500分)

 
 
英語学習におすすめの記事

 
 

読解力・表現力を伸ばすための
英文法の勉強法とは? ▶︎▶︎▶︎