名詞が並ぶだけじゃない!意外と奥深い not A but B の話

英文法
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「not A but B」は中学校でも出てくるほど基本的な表現で、その意味を知っている人は比較的多いと思う。

ただ、実際の英文の中では、必ずしも「not you but I」というようなわかりやすい形で出てくるとは限らない。

そこで今日は、「not A but B」の基本的なことを確認した上で、そのちょっとした応用まで触れていきたいと思う。

「not A but B」のもっとも基本的な形

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「not A but B」は「AではなくてB」という意味を持つ表現で、A・Bの部分に単なる名詞が入った形がもっとも有名だろう。


Not I but my brother lives in Kyoto.
私ではなく兄が京都に住んでいる。


 
基本的なことだが、このように「not A but B」という形が主語Sになる場合、動詞の形は「B」に従って決まる。my brotherが三人称・単数の名詞なので、動詞の形をliveではなくてlivesにしているわけだ。

A・Bには、同じような形が入ればそれでいい

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さて、先ほどのように、A・Bの部分に「I」や「my brother」といった単なる名詞が置かれる場合は、さほど問題ではないだろう。やや扱いづらくなるのは、A・Bの部分に「句」や「節」がやって来る場合だ。

「句」「節」というのは、どちらも単語2つ以上のカタマリで、SV構造がないものを「句」、SV構造があるものを「節」と呼ぶ。

…単語2つ以上のカタマリ/SV構造なし
…単語2つ以上のカタマリ/SV構造あり

参考:前置詞・接続詞から学ぶ、句・節という概念

「not A but B」のA・Bには、同じような形が来ればそれでよいので、こういった句や節が置かれることもしばしばある。

「句」が入る場合

A・Bに「句」が入った文の一例がこちらだ。


Try not to become a man of success but rather to become a man of value.
成功者になろうとするのではなくて、むしろ価値ある人間になろうとせよ。(アインシュタイン)


 
厄介なのは、「句」の一種である「不定詞」という、比較的長いものが置かれているために、文全体の形が見極めにくくなることだ。


Try not to become a man of success but rather to become a man of value.


 
こういった、多少複雑な文であったとしても、しっかりと「not A but B」の形だと気付けるようにしていきたい。

notが本来の位置から移動することもある

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また、notという否定語は、「I don’t know ……」「He didn’t come ……」などのように、その文の最初の動詞を打ち消すことがもっとも多い。

言い方を変えれば、notにとってもっとも居心地の良い場所は、その文の最初の動詞の近くなのだ。

こういった性質から、「not A but B」のnotが、本来の位置ではなく、動詞を打ち消す場所に置かれてしまうことがあるので要注意だ。次の文を見てもらいたい。


Love does not consist in gazing at each other but in looking outward together in the same direction.


 
こうなってしまうと、なかなか「not A but B」という形だと気付きにくいが、butという単語をヒントに「ひょっとして、not A but B の変則的な形か!?」と閃けるようにしたい。

notを本来の位置に戻すと、次のようになる。


Love consists not in gazing at each other but in looking outward together in the same direction.
愛とは互いに見つめ合うことではなく、同じ方向を共に見据えることである。(サン・テグジュペリ)


 
「句」の一種である前置詞句(in + doing)が、「not A but B」のA・Bに置かれている形だ。

「節」が入る場合

さて、A・Bに「節」が入った文も軽く紹介しておこう。


She likes him not because he is handsam but because he he is sincere.
彼女が彼を好きなのは、イケメンだからではなく、誠実だからだ。


 
接続詞becauseが導く副詞節が、A・Bの位置に置かれたものだ。

強調構文との組み合わせで使う「not A but B」

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最後になるが、この「not A but B」という表現は、強調構文とコラボすることが多い。

強調構文とはその名の通り、「何か」を強調して伝えたいときに用いる表現だ。詳しくはまた別の記事でお話しするが、強調構文というものを使えば、例えば主語Sを強調することができる。


He is responsible for the accident.
彼はその事故に責任がある。
↓(Heを強調するなら……)
It is he that is responsible for the accident.
その事故に責任があるのは、彼だ。


 
このように、元の文を以下のようなテンプレートに当てはめたのが強調構文だ。

It is (強調したいもの) that (残りの部分)

これを参考にして、次の文を考えてみよう。


It is not what you say but how you say it that counts.


 
うん、なかなかの難問だ。強調構文で表されたこの形では、少々考えにくい。先ほどのテンプレートを参考に、強調構文にする前の形に戻してやることにしよう。

「It is」と「that」を除けば、元の形に戻るはずだ。


It is not what you say but how you say it that counts.

Not what you say but how you say it counts.
「何を言うか」ではなく「それをどのように言うか」が重要だ。


 
こうすることで、「not A but B」という形で表された「Not what you say but how you say it」が、大きな主語Sになっている文だとわかる。

「not A but B」と「強調構文」のコラボにも、しっかりと馴染んでいこう。

まとめ

いかがだっただろう。中学校でもお馴染みの「not A but B」だが、大切なのは、「not A but B という形だと気付けるかどうか」だ。

否定語notが動詞に近寄って来るということや、強調構文とのコラボが起こりやすいということを、しっかりと覚えておこう。

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