強調構文とは? 形式主語構文との見分け方・2つのポイント

英文法
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強調構文とは、主語S・他動詞の目的語O・副詞を強調するときに使う表現だ。“It is ●● that ...” という形で表し、強調したい言葉を It is の後ろ(●●)に置く。

見た目が形式主語構文と紛らわしいので、ここでは、強調構文の特徴を押さえた上で、形式主語構文との見分け方も学んでいこう。

CONTENTS

強調構文で強調できる3つのもの

強調構文では、次の3つのものを強調することができる。

強調構文で強調できる3つのもの

1. 主語Sになっている名詞
2. 他動詞の目的語Oになっている名詞
3. 副詞(副詞句・副詞節)

少し複雑に感じたかもしれないが、ポイントは、強調構文では「形容詞」は強調できないというところだ。形式主語構文と見分ける上でも重要なポイントなので、しっかり押さえておこう。

強調構文の作り方

強調構文は “It is ●● that ...” という形で表し、強調したい言葉を It is の後ろ(●●)に置く。例えば、次のような形だ。

You said “Goodbye.”

(あなたはサヨナラと言った。)

↓ 主語Sの You を強調すると……

It was you that said “Goodbye.”

(サヨナラを言ったのはあなただ。)

*動詞の時制が過去(ここでは said )の場合には、be 動詞も過去形( was )にしよう。

それぞれの文が伝えている内容は同じだが、強調構文で表した「サヨナラを言ったのはあなただ」の方が気持ちがこもっているのを感じ取れるかもしれない。

それでは、もう少し具体的に見てみることにしよう。

1. 主語Sになっている名詞

「主語Sになっている名詞」を強調すると、次のようになる。

You started talking about it.

↓ 主語Sの You を強調すると……

It was you that [who] started talking about it.

(それについて話し始めたのはあなたでしょ。)

*名詞(人)が強調される場合、that が who になることもある。

They have done so much to shrink the economy.

↓ 主語Sの They を強調すると……

It is they that [who] have done so much to shrink the economy.

(経済を縮小させることをたくさんしてきたのは彼らの方だ。)

*名詞(人)が強調される場合、that が who になることもある。

2. 他動詞の目的語Oになっている名詞

「他動詞の目的語Oになっている名詞」を強調すると、次のようになる。

You have to change yourself.

↓ 目的語Oの yourself を強調すると……

It is yourself that [who] you have to change.

(あなたが変えるべきなのは、自分自身だよ。)

*名詞(人)が強調される場合、that が who になることもある。

You see what you're looking out for.

↓ 目的語Oの “what you're looking out for” を強調すると……

It is what you're looking out for that [which] you see.

(あなたが目にするものは、見たいと思っているものだよ。)

*名詞(物事)が強調される場合、that が which になることもある。

3. 副詞(副詞句・副詞節)

「副詞(副詞句・副詞節)」を強調構文で強調すると、次のようになる。

He was educated in America.

↓ 副詞句の “in America” を強調すると……

It was in America that [where] he was educated.

(彼が教育を受けたのはアメリカだ。)

*「場所」を表す副詞が強調される場合、that が where になることもある。

She will give a seminar on psychology tomorrow.

↓ 副詞の tomorrow を強調すると……

It is tomorrow that [when] he will give a seminar on psychology.

(彼が心理学についてのセミナーをするのは明日だ。)

*「時」を表す副詞が強調される場合、that が whenになることもある。

I come alive the most here.

↓ 副詞の here を強調すると……

It is here that [where] I come alive the most.

(私がもっとも生き生きできるのはここだ。)

*「場所」を表す副詞が強調される場合、that が where になることもある。

形式主語構文との見分け方

強調構文と形式主語構文はとてもよく似た形をしているが、品詞や文型に注目することで両者を見分けることができる

具体的には、次の2つのポイントに注目しよう。

1. be 動詞の後ろに注目する

強調構文と形式主語構文の一つ目の違いは、be 動詞の後ろに続く品詞だ。

強調構文

be 動詞の後ろは「名詞」または「副詞」

形式主語構文

be 動詞の後ろは補語C(「名詞」または「形容詞」

つまり、be 動詞の後ろに「副詞」があれば強調構文だということが、「形容詞」があれば形式主語構文だということがわかる。

見分け方の例1

It is here that I come alive the most.

→ 副詞( here )なので、これは強調構文

見分け方の例2

It is natural that you don't want to be hated.

→ 形容詞( natural )なので、これは形式主語構文

2. that の後ろに注目する

一方で、be 動詞の後ろに「名詞」が置かれている場合には、そこだけで見分けることはできない。強調構文でも形式主語構文でも、be 動詞の後ろに「名詞」が続くことがあるからだ。

この場合には、that の後ろの文構造に注目しよう。

強調構文

“It is” の後ろに名詞(主語Sまたは目的語O)を回しているので、that の後ろは不完全文(※1)になる。

形式主語構文

that の後ろは完全文(※2)になる。

※1:主語S、目的語O、補語Cのいずれかが足りず、文の形が不完全な文

※2:文型が完成している文

見分け方の例3

It is yourself that you have to change.

→ that の後ろは他動詞 change の目的語Oがない不完全文なので、これは強調構文

見分け方の例4

It is a pity that people judge a book by its cover.

→ that の後ろは “people judge a book by its cover” という完全文なので、これは形式主語構文

さいごに|英文法は「品詞と文型」に注目して学ぼう

ここでは強調構文の特徴と、形式主語構文との見分け方を学んだが、やはり基礎になるのは「品詞と文型」だ。

中でも「自動詞と他動詞の違い」は英文法(語順のルール)の最重要事項なので、興味が不安があれば、以下のページの動画で確認してみよう。

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