え?英語の接続詞って2種類あるの?等位接続詞って何なのさ

「せんせ~!とうい接続詞があるなら、ちかい接続詞もあるんですか~?」
これは、私の中学時代の同級生が、塾の先生に向けてよく投げかけていた言葉だ。
英語の接続詞を2種類に分けられることは確かだが、残念ながら、とうい接続詞・ちかい接続詞の2種類ではない。
ここでは、2種類の接続詞の違いに簡単に触れ、その一方の等位接続詞について学びを深めることにしよう。
等位接続詞と従位接続詞の簡単な違い
英語には、等位接続詞と従位接続詞の2種類がある。
文法学の先生方からお叱りを受けるかも知れないが、それぞれの働きは、次のように簡単に表すことができる。
等位接続詞 … 接続詞以降を後から訳す
従位接続詞 … 接続詞以降を先に訳す
これだけだと、いまいちピンと来ないと思うので、例を挙げよう。andは等位接続詞、whenは従位接続詞だ。
He came to see me, and begged me to forgive him.
これらを見てもわかるように、等位接続詞(and)の場合は前から後ろに向けて訳している。一方で、従位接続詞(when)の場合には接続詞よりも後ろを先に訳している。
覚えておきたい5つの等位接続詞
等位接続詞の数はそれほど多くない。全部で5つだ。しっかりと覚えておこう。
■ and(そして)
He came to see me, and begged me to forgive him.
彼は私に会いに来て、許してくれるよう懇願した。
■ but(しかし)
I emailed her, but she never wrote back.
彼女にメールをしたが、返事はなかった。
■ or(そうでなければ/または/すなわち)
You have to stay cool and calm, or you’ll lose the opportunity to negotiate.
冷静かつ穏やかでなければならない。さもないと、交渉する機会を失う。
※orには他にも「または」や「すなわち」といった意味がある。
■ so(そして・だから)
They refunded me, so I could try again.
彼らは私にお金を返してくれた。だから私はもう一度挑戦できた。
■ for(なぜならば・というのも)
I did not dispare, for he was with me.
私は絶望しなかった。なぜなら、彼が一緒にいてくれたからだ。
※前置詞のforではないので注意。
なお、orの否定語であるnorをカウントするなら、等位接続詞は全部で6つとなる。norは否定的な意味を持つので、その後ろは倒置が起こるという点にも注意しておこう。
I will show no partiality, nor will I flatter anyone.
私はえこひいきはしないし、誰にもお世辞を言うつもりもない。
※参考記事:知らなきゃ激ムズ!?英語で倒置が起こる2パターン
等位接続詞の基本的な働き
「前から後ろに向けて訳すのが等位接続詞」だと述べたが、ここで、もう少し深追いしてみよう。
等位接続詞の中でも、特にand, but, orは、同じ形・同じ品詞を繋ぐという性質が強い。
■名詞と名詞を繋ぐ
We all have a life story and a message that can inspire others to live a better life.
私たちは皆、他の人がより素晴らしい人生を送るキッカケとなるような、物語やメッセージを持っている。
■名詞句と名詞句を繋ぐ
To think and to act are very different things.
考えることと行動することは、大きく違うことだ。
■名詞節と名詞節を繋ぐ
To know what you know and what you do not know, that is true knowledge.
何を知っていて何を知らないかを知ること。それこそ本当の知識だ。
このように、等位接続詞(特にand, but, or)に遭遇したときには、いったい何と何が繋がれているのかをよく見極めよう。
正確な文構造の把握が、正確な和訳に繋がると、キミも十分に感じているはずだ。
接続副詞は「等位接続詞もどき」
等位接続詞と同じような意味を持つものとして、次のようなものが挙げられる。
■それゆえ・したがって
… thus, therefore, accordingly, consequently, hence
■しかしながら・にもかかわらず
… however, nevertheless, nonetheless
■一方で・それに対して
… on the other hand, meanwhile
これらは純粋な等位接続詞ではなく、接続副詞と呼ばれるもので、等位接続詞と副詞の働きを兼ね備えている。
どういうことなのか?however(しかしながら)を例に見てみよう。
I went to the library, but it was closed.
I went to the library; however, it was closed.
… セミコロンの後に置く
I went to the library. However, it was closed.
… 文頭に置く
I went to the library. It was, however, closed.
… カンマで区切って挿入する
等位接続詞butと同じような意味を持つhoweverだが、butに比べるとその位置がまるで副詞のように自由度が高いことがわかる。2つのカンマ(,)を用いて、挿入的に置くことができるのだ。
意味合いは等位接続詞と似ているが、副詞のように置く場所が割と自由。これが「接続副詞」だ。
さいごに
いかがだっただろう。5つの等位接続詞を覚えることには、それほど労力はかからないだろう。
等位接続詞の基本的な知識に加えて、今後より重要になってくるのは、等位接続詞が何と何を繋いでいるのかを見極めるということだ。
文型や品詞などに代表されるように、文構造を正しく把握することが、正しい和訳・解釈に繋がる。
見慣れた単語だからといって等位接続詞を侮らないように!
ここがわかると英語の勉強が加速する
