【例文満載】受動態を能動態にする3つのステップ
英語の受動態( be + done )は、能動態( do )よりも形が難しく、文型や意味を掴みにくいことがある。
そこで、英文法(語順のルール)に慣れるまでは、受動態を能動態に書き換えて考えるようにしよう。そうすれば、文型や意味がわかりやすくなるはずだ。
CONTENTS
基本の確認|受動態の作り方
このあと学ぶ「受動態を能動態にする3つのステップ」の準備として、まずは「受動態の作り方」を確認しておこう。
基本的には、次の3つのステップに従えば、受動態の文を作ることができる。
1. 目的語Oを「主語S」にする
2. 他動詞Vを「 be 動詞 + 過去分詞」にする
3. 動作主を「 by ●● 」で表す(自明・不明なら省略)
詳しくは以下のページで学習できるので、必要に応じて保存しておこう。
※ご参考:
英語の受け身(受動態)を徹底攻略
作り方やニュアンスは?
受動態を能動態にする3つのステップ
受動態を能動態に戻すときには、先ほどの「受動態の作り方」の逆を行おう。
1. 動作主(たいていは by S )を主語Sにする
2. 「 be 動詞 + 過去分詞」を他動詞Vの形にする
3. 受動態の文の主語を「目的語O」にする
この3ステップを基本にして、ここからは、さまざまな受動態を能動態に戻してみよう。
なお、受動態の文に動作主( by ●● )が表現されていなければ、people, we, you, they(世間一般の人々)や someone(誰か)が動作主だと考えるようにしよう。
第3文型(SVO)の受動態
第3文型(SVO)の受動態は、受動態の中ではもっともシンプルなので、比較的、能動態に戻しやすいかもしれない。
(その肖像画はそのアーティストに描かれた。)
↓ 能動態に戻すと……
The artist painted the portrait.
(そのアーティストがその肖像画を描いた。)
(そのメールはチームのみんなに送られたよ、マネージャーから。)
↓ 能動態に戻すと……
The manager sent the email to everyone in the team.
(マネージャーはそのメールをチームのみんなに送った。)
(チップは慣例的に支払われるものさ、サービス業に従事する人々にね。)
↓ 能動態に戻すと……
People customarily give tips to those who work in the service industry.
(人は慣例的にチップを支払うのさ、サービス業に従事する人々にね。)
第4文型(SVOO)の受動態
第4文型(SVOO)の受動態には、人が主語Sになったものと、物事が主語Sになったものの2つがある。
※ご参考:
第4文型(SVOO)とは?
動詞の一覧と例文まとめ
主語Sが「人」
(私は彼女にピアノの弾き方を教えてもらった。)
↓ 能動態に戻すと……
She taught me how to play the piano.
(彼女は私にピアノの弾き方を教えてくれた。)
(彼女は親に新しい車を買ってもらった。)
↓ 能動態に戻すと……
Her parents bought her a new car.
(彼女の親は彼女に新しい車を買ってあげた。)
(彼女は誕生日に夫から花束をもらった。)
↓ 能動態に戻すと……
Her husband gave her a bouquet of flowers on her birthday.
(彼女の夫は彼女の誕生日に花束をあげた。)
主語Sが「物事」
(スペイン語はガルシア先生によって教えられている。)
↓ 能動態に戻すと……
Mr. Garcia teaches the students Spanish.
(ガルシア先生が生徒にスペイン語を教えている。)
(その博物館では学生に対して割引が適用される。)
↓ 能動態に戻すと……
The museum offers students a discount.
(その博物館は学生に割引を適用している。)
※前置詞 by は使っていないが、文脈から、動作主は the museum だと考えられる。
(ニュースはメディアによって公共に伝えられる。)
↓ 能動態に戻すと……
The media tells the public the news.
(メディアは人々にニュースを伝える。)
第5文型(SVOC)の受動態
第5文型(SVOC)の受動態は、補語Cにどんなものが置かれるのかによって、いくつかの種類がある。
※ご参考:
第5文型(SVOC)のたった1つのポイント
例文も全パターンあり
補語Cが名詞
(彼女はクララと呼ばれている、おばあさんにちなんで。)
↓ 能動態に戻すと……
We call her Clara, after her grandmother.
(私たちは彼女をクララと呼んでいる、彼女のおばあさんにちなんで。)
(この本は傑作だと考えられている。)
↓ 能動態に戻すと……
People consider this book a masterpiece.
(人はこの本が傑作だと考えている。)
(その公園はリバティ・グリーンと名付けられた。)
↓ 能動態に戻すと……
They named the new park in town Liberty Green.
(彼らはその公園をリバティ・グリーンと名付けた。)
補語Cが形容詞
(その家は青く塗られている。)
↓ 能動態に戻すと……
Someone painted the house blue.
(誰かがその家を青く塗った。)
※過去形の painted にすると時制は変わるが、paints にするよりは表現として自然な能動態になる。
(その解決策は革新的だとチームからは考えられた。)
↓ 能動態に戻すと……
The team considered the solution innovative.
(チームはその解決策が革新的だと考えた。)
(そのプロジェクトは成功したとクライアントに考えられた。)
↓ 能動態に戻すと……
Our client deemed the project successful.
(クライアントはそのプロジェクトが成功したと考えた。)
補語Cが現在分詞 doing
(彼は食料雑貨店でリンゴを盗むのを目撃された。)
↓ 能動態に戻すと……
Someone saw him stealing apples from the grocery store.
(彼が食料雑貨店からリンゴを盗むのを目撃した人がいる。)
(彼女はシャワー中に歌っているのをボーイフレンドに聞かれた。)
↓ 能動態に戻すと……
Her boyfriend heard her singing in the shower.
(ボーイフレンドは彼女がシャワー中に歌っているのを聞いた。)
(その映画は面白いと評論家に判断された。)
↓ 能動態に戻すと……
The critics judged the movie entertaining.
(評論家はその映画が面白いと判断した。)
補語Cが過去分詞 done
(窓が壊されているのが見つかった。)
↓ 能動態に戻すと……
Someone found the window broken.
(誰かが窓が壊されているのを見つけた。)
(オフィスは専門の清掃業者によって綺麗に保たれている。)
↓ 能動態に戻すと……
A professional cleaning service keeps the office cleaned.
(専門の清掃業者がオフィスを綺麗にしてくれています。)
(パーティの後、空のコップとお皿が散らばっていた。)
↓ 能動態に戻すと……
After the party, they left empty cups and plates scattered.
(パーティの後、彼らは空のコップとお皿を散らかしたままだった。)
補語Cが不定詞 to do
(私は遊びに出かける前に宿題を終わらせるように言われた。)
↓ 能動態に戻すと……
My parents told me to finish my homework before going out to play.
(親が私に、遊びに出かける前に宿題を終わらせるよう言った。)
※文脈から、ここでは動作主を my parents にしている。
(その医者は患者からセカンド・オピニオンを求められた。)
↓ 能動態に戻すと……
The patient asked the doctor to provide a second opinion.
(患者は医者にセカンド・オピニオンを求めた。)
(友だちに会った後、私は頑張って勉強するよう動機付けられた。)
↓ 能動態に戻すと……
Seeing my friends motivated me to study harder.
(友だちに会ったことが、頑張って勉強するよう私を動機付けた。)
※前置詞 by は使っていないが、文脈から、動作主は seeing my friends(友達に会ったこと)だと考えられる。
句動詞の受動態
句動詞(単語2つ以上の大きな動詞)の中でも、look into(〜を調査する)や believe in(〜を信じる)など、「自動詞 + 前置詞 = 他動詞」と見なせる場合の受動態には注意が必要だ。
「自動詞の過去分詞 + 前置詞 = 他動詞の過去分詞」だと考えて、能動態に戻すようにしよう。
(その事件は警察に徹底的に調査された。)
↓ 能動態に戻すと……
The police thoroughly looked into the incident.
(警察はその事件を徹底的に調査した。)
(子供を褒め過ぎないことの重要性は、教育者によって広く信じられている。)
↓ 能動態に戻すと……
Educators believe in the importance of refraining from excessive praise for children.
(教育者は子供を褒め過ぎないことの重要性を信じている。)
使役動詞の受動態
使役動詞( make, have, let )のうち、受動態にできるのは make だけで、受動態の文では to 不定詞が使われる。能動態の文では原形不定詞( to がない不定詞)になるので気を付けよう。
※ご参考:
これで解決! 使役動詞とは?
make, have, let の違いと使い方
(私は夫に何時間も待たされた。)
↓ 能動態に戻すと……
My husband made me wait for hours.
(夫は私を何時間も待たせた。)
(彼は自身が怒らせた客に謝罪させられた。)
↓ 能動態に戻すと……
The customer he offended made him apologize for his behavior.
(彼が怒らせた客が、その行動を彼に謝罪させた。)
知覚動詞の受動態
知覚動詞( see, notice, hear など)を受動態にした文でも、to 不定詞が使われる。能動態の文では原形不定詞( to がない不定詞)になるので気を付けよう。
(変な匂いがキッチンからやってくるのが感知された。)
↓ 能動態に戻すと……
They noticed the strange smell to be coming from the kitchen.
(彼らはキッチンから変な匂いがするのに気付いた。)
(注意深く分析すれば、共通のパターンが現れるのが観察される。)
↓ 能動態に戻すと……
Through careful analysis, we can see the underlying pattern emerge.
(注意深く分析すれば、私たちは共通のパターンが現れるのを見ることができる。)
さいごに|英文法は体系的に学ぼう
ここでは、受動態を能動態にする手順について学んだが、同時に、受動態「だけ」を学んでも受動態の理解は進まないこともわかったと思う。
第3文型(SVO)・第4文型(SVOO)・第5文型(SVOC)や、(実は第5文型を作っている)使役動詞・知覚動詞など、さまざまな英文法(語順のルール)の基礎知識が関連しているからだ。
断片的な丸暗記ではなく、体系的に理解しながら英文法を身に付ける場合には、全31回の無料授業「暗記のいらない英文法」がお役に立てると思うので、必要に応じて参考にしてもらえると幸いだ。
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