センスが上がる!複合関係代名詞 whoever の2つの意味と使い方
複合関係代名詞 whoever には、「~する人は誰でも」という順接的な意味と、「たとえ誰が~しようとも」という逆説的な意味がある。
ここでは、whoever の2つの意味と使い方について、臨場感のある例文も交えて解説していこう。
この記事を読んで得られること
- whoever のリアルな使い方がわかる
- whoever の2つの意味を使い分けられるようになる
CONTENTS
まずは例文で確認!whoever のリアルな使い方
具体的な説明に入る前に、まずは whoever という言葉を実際にはどう使うのか、身近な例文で確認しておこう。
参考書などに載っているようなお堅い例文ではなく、あなたが実際に表現する機会がありそうな例文を用意したので、これだけでも勉強になると思う。
※聞き取りに慣れるよう、音声はループ再生されるようにしてあります。
先着順です。
急ぎだから、誰でもいいから知っている人に頼んでみて。
気にすることないよ。人の悪口を言う人は信用されないから。
私たちと一緒に働く気がある人は誰でも歓迎です。
誰に会っても丁寧に接しなさい。
誰が私たちを引き裂こうとしようとも、君に対する私の愛が変わることはないから。
誰が説得してみても、彼女が意志を曲げることはないと思うね。
誰がどうやるのかなんて彼にはどうでもいいんだよ。彼にとってはとにかくできればいいんだから。
ママがいないときは誰が来ても絶対にドアを開けてはダメよ。
whoever のリアルな使い方がわかったところで、続いてはもう少し具体的な説明に入っていこう。
複合関係代名詞 whoever には2つの意味がある
先ほどの例文からもわかるように、whoever には「~する人は誰でも」という順接的な意味と、「たとえ誰が~しようとも」という逆説的な意味がある。
それぞれについて、詳しく解説していこう。
「~する人は誰でも」という意味の whoever は名詞節をつくる
whoever を「~する人は誰でも」という意味で使うときのポイントは、whoever が名詞節をつくるという点だ。
名詞節は名詞の一種なので、普通の名詞と同じように主語Sになったり目的語Oになったりする。
Whoever comes first will be served first.
先着順です。(最初にやってきた人なら誰でも最初に扱われる。)
It's urgent. Try to ask who(m)ever you know.
急ぎだから、誰でもいいから知っている人に頼んでみて。
You should be polite to whomever you meet.
誰に会っても丁寧に接しなさい。
※「節」とは単語二語以上のカタマリのうち、SVの形があるもののことだ。SVの形がなければ「句」という。
whoever = anyone who に置き換えられる
なお、「~する人は誰でも」という意味は、whoever ではなく anyone who を使っても表現できる。
ここでの any は「どんな・任意の」という意味だ。肯定文での any はこの意味になることが多い。
= Anyone who comes first will be served first.
whoever = anyone who に置き換えた文を見ても、whoever 以降(つまり anyone who 以降)が大きな名詞のカタマリになっていることがわかる。
「~する人は誰でも」という順接的な意味を表す whoever は名詞節をつくるということを、文法上のポイントとして押さえておこう。
ちなみに「複合関係代名詞」とは?
なお、複合関係代名詞とは、「先行詞と関係代名詞がくっついた(複合した)関係代名詞」のことだ。
whoever = anyone who と置き換えられることからもわかるように、「~する人は誰でも」という意味の whoever は、先行詞 anyone と関係代名詞 who がくっついた言葉だと考えられる。
そこで、whoever は複合関係代名詞と呼ばれているわけだ。
※ご参考:関係代名詞 what の使い方|接続詞 that との違いはこれだ!
「たとえ誰が~しようとも」という意味の whoever は副詞節をつくる
一方、whoever を「たとえ誰が~しようとも」という意味で使うときのポイントは、whoever が副詞節をつくるという点だ。
Whoever tries to split us apart, my love for you will never change.
誰が私たちを引き裂こうとしようとも、君に対する私の愛が変わることはないから。
I don't think she will change her mind whoever tries to convince her.
誰が説得してみても、彼女が意志を曲げることはないと思うね。
※「誰が説得しても ⇒(意志を)曲げない」ということなので、本来は not は will change を否定している。ただ、英語では否定語はなるべく早めに述べられるので、think を否定する位置に not が置かれている。
先に説明した「~する人は誰でも」という意味の whoever とは節の品詞が異なるという点を押さえておこう。
助動詞の may がよく使われる
また、逆接的な意味の whoever では、よく助動詞の may や would が添えられる。
誰に会っても丁寧に接しなさい。
ここでの may は「譲歩の may」と呼ばれているもので、譲歩構文(逆接的な意味の表現)でよく添えられるものだ。
※ご参考:英語でよく聞く「譲歩」ってどういう意味?4つの譲歩構文まとめ
whoever = no matter who に置き換えられる
なお、「たとえ誰が~しようとも」という意味は、whoever ではなく no matter who を使って表現されることもある。
ニュアンスとしては、no matter who の方が気持ちが強くこもった表現だ。
= No matter who tries to split us apart, my love for you will never change.
= I don't think she will change her mind no matter who tries to convince her.
no matter who もよく使われる表現なので、併せて知っておこう。
さいごに「whoever のつくる節の品詞に注目しよう」
同じ言葉でも、品詞の違いによって意味が変わってくるというのは、英語ではよくあることだ。
⇒「~する人は誰でも」(順接的)
whoever (S) V が副詞節
⇒「たとえ誰が~しようとも」(逆接的)
2つの意味を持つ whoever については、ここをしっかりと押さえておこう。
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