疑問詞は品詞じゃない!?中学英語の文法を勉強する時点で知っておこう

英文法英文法の基礎
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疑問詞-8

中学英語でも習う「疑問詞」には、who, which, what, when, where, why, howの7つがある。

意外かも知れないが、文法力を身に付ける上で最初に理解しておいた方がよいのは、「疑問詞」という言葉が品詞の名前ではないということだ。

ここでは、疑問詞の基本的な使い方を確認した上で、それぞれの疑問詞にどういった働きがあるのかを整理しよう。

CONTENTS

疑問詞の2通りの使い方

疑問詞-1
疑問詞を用いた英文には、2つの形がある。

「?(クエスチョンマーク)」で終わる普通の疑問文と、文の中で名詞節として働く間接疑問文だ。

実際には、前者のことを「直接疑問文」と言ったりもするが、まあそれは置いておこう。用語に固執してしまい、知識が実用的でなくなるのが一番よくない。

1. 普通の疑問文で用いる

疑問詞で始まる普通の疑問文は、キミも見たことがあるだろう。


What is your principle in your life?
人生におけるあなたの信念は何ですか?
Why did you act like that?
どうしてそのように行動したのですか?


 
Yes・Noで答えることのできない疑問文だ。

2. 間接疑問文で用いる

疑問詞は、間接疑問文の中でも用いられる。


I want you to know how I felt.
私がどのように感じていたかをあなたに知ってほしい。


 
間接疑問文とは、文の中で名詞節として働く疑問文のことだ。普通の疑問文と違い、「疑問詞+S+V」という語順を取る。

詳しくは以下の記事で解説しているので、必要な人は参考にしてもらいたい。

※参考:that節の親戚!?間接疑問文で初心者が知っておくべき2つのポイント

今日は、主にはこの間接疑問文を、例文として用いて行くことにしよう。

「疑問詞」は品詞じゃないが…

疑問詞-2
初めに少し触れたが、「疑問詞」という言葉は品詞の名前ではない。英語では品詞と言うと、名詞・助動詞・動詞・形容詞・副詞・接続詞・前置詞・間投詞の8つを指す。

ここでキミに、文法力を身に付けるためのコツを一つお教えしよう。

このような「~詞」という漢字が付いているにも関わらず、品詞の名前ではないものを扱う場合には、それがどんな品詞に相当するのかを考えるとよい。例えば、次のように。


不定詞 ⇒ 名詞 or 形容詞 or 副詞
動名詞 ⇒ 名詞
分詞 ⇒ 形容詞
分詞構文 ⇒ 副詞
関係代名詞 ⇒ 接続詞+代名詞


 
こうすることで、複雑な文法用語に惑わされることなく、文法的な(論理的な)考え方を身に付けていくことができる。

7つの疑問詞についても、同じように考えて行こう。疑問詞は、名詞・形容詞・副詞のいずれかの働きを持つものだ。

疑問詞who

疑問詞-3
疑問詞のwhoは、名詞として用いるのが一般的だ。「誰が」「誰を」のように、主語Sや目的語Oとして働く。

名詞としてのwho, whom


It is dificult to know who will win the election.
誰がその選挙で勝つのかを測るのは難しい。
I know whom she loves.
私は彼女が誰を愛しているかを知っている。


 
ここでのwhoは、間接疑問文「who will win the election」の中で主語Sになっている。一方でwhomは、間接疑問文「whom she loves」の中で、他動詞lovesの目的語Oになっているわけだ。

形容詞としてのwhose


Be careful whose advice you buy.
誰のアドバイスを聞き入れるのかに注意せよ。


 
疑問詞whoの所有格whoseについては、形容詞だと考えることもできる。「誰の ⇒ 助言」という形で、名詞を修飾しているからだ。

また、例えば「blue ocean(青い海)」を一つの名詞だと認識するのと同じように、「whose advice」を一つの名詞だと捉えることもできる。

疑問詞which

疑問詞-4
疑問詞のwhichは、名詞または形容詞として用いられる。

名詞の場合には「どちらが(どれが)」「どちらを(どれを)」、形容詞の場合には「どちらの(どの)」という意味だ。

名詞としてのwhich


I don’t know which is the better choice for my business.
どちらが自分のビジネスにとってより良い選択かわからない。


 
ここでは、疑問詞のwhichが、間接疑問文「which is the better choice for my business」の中で主語Sとして働いている。

形容詞としてのwhich


I forgot which email I used for this account.
このアカウントに対してどのメールアドレスを使っていたかを忘れた。


 
疑問詞のwhichが、名詞emailを修飾していることが確認できる。「which email」を一つの名詞だと捉えるのもよい。

疑問詞what

疑問詞-5
疑問詞のwhatも、which同様に、名詞または形容詞として用いられる。

前者の場合には「何が」「何を」、後者の場合には「どの」という意味だ。

名詞としてのwhat


I asked to him what is the key to success.
私は彼に、何が成功への鍵なのか尋ねた。


 
疑問詞のwhatが、間接疑問文「what is the key to success」の中で主語Sになっている。

ちなみに、間接疑問文自体は、他動詞askedの目的語Oになっている名詞節だ。

※参考:that節の親戚!?間接疑問文で初心者が知っておくべき2つのポイント

形容詞としてのwhat


It is up to you what job you choose.
どんな仕事を選ぶかは、あなた次第だ。


 
疑問詞のwhatが、名詞のjobを修飾している。「what job」を一つの名詞だと見てもよい。

間接疑問文「what job you choose」は、文頭の形式主語Itに代入される真主語(本当の主語)だ。なお、形式主語構文については、以下の記事で詳しく解説している。

※参考:不定詞やthat節だけじゃない!形式主語と、4つの真主語まとめ

疑問詞when

疑問詞-6
疑問詞のwhenは、副詞として働く。

副詞としてのwhen


It is uncertain when he will come back.
彼がいつ帰って来るのかはハッキリしていない。


 
疑問詞のwhenが、間接疑問文「when he will come back」の中の動詞「will come back」を修飾している。(いつ ⇒ 帰って来る)

ここでも、間接疑問文が、形式主語Itに代入される真主語(本当の主語)だ。

疑問詞where

疑問詞-7
疑問詞のwhereは、副詞という印象が強いかもしれないが、名詞として用いられることもあるので注意しよう。

名詞としてのwhere


Do you know where he is from?
彼がどこ出身か知っていますか?


 
間接疑問文「where he is from」の中で、疑問詞whereは前置詞fromの目的語Oになっている。

間接疑問文それ自体は、他動詞knowの目的語Oだ。

副詞としてのwhere


Do you know where my cell phone is?
私の携帯電話、どこにあるか知ってる?


 
間接疑問文「where he is」の中で、疑問詞whereは副詞として働いている。「どこに ⇒ ある」というように、be動詞のisを修飾しているのだ。

なお、ここでのbe動詞のように、「ある・いる・存在する」という意味を持つものを「存在のbe動詞」という。

※参考:be動詞を舐めるな!「状態」と「存在」、2種類のはたらき

疑問詞why

疑問詞-8
疑問詞のwhyは、副詞としての働きだけを持つ。

副詞としてのwhy


Explain to me why you were there with her in that morning.
その朝、どうして彼女と一緒にいたのかを説明してよね。


 
疑問詞のwhyが、間接疑問文「why you were there with her in that morning」の中の動詞wereを修飾している。(どうして ⇒ いた)

間接疑問文自体は、他動詞explainの目的語Oだ。

疑問詞how

疑問詞-9
疑問詞のhowも、副詞としての働きだけを持つ。

動詞を修飾するときには方法・手段(どのようにして)、形容詞や副詞を修飾するときには程度(どれくらい)という意味だ。

副詞としてのhow


Please tell me how I should breathe when running.
走っているときにどのように息をしたらよいか教えてください。
I now realize how easy it is to be happy.
私は今、幸せになることがどれほど簡単かわかった。


 
1つ目のhowは「should breathe」を修飾している。動詞を修飾するhowは「どのようにして」という意味になる。間接疑問文「how I should breathe when running」自体は、第4文型SVOOを作る他動詞tellの、2つ目の目的語O。

2つ目のhowは、直後の形容詞easyを修飾している。形容詞や副詞を修飾するhowは「どれくらい」という意味だ。間接疑問文「how easy it is to be happy」自体は、他動詞realizeの目的語Oになっている。

まとめ

いかがだっただろう。

今回お話ししたように、疑問詞を勉強するときには「どんな品詞の働きをしてるのか?」という意識を持つようにしよう。

そうすれば、疑問詞の使い間違いも少なくなり、また、文法力も身に付きやすいはずだ。
 

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