be動詞を舐めるな!「状態」と「存在」2種類のはたらき

英文法
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英語でもっともシンプルな動詞に思えるbe動詞だが、意外に奥深いはたらきを持っているものだ。

このbe動詞への理解を深めることによって、初めて納得できる表現も数多く存在する。

そこで今日は、be動詞の2種類のはたらきを確認し、その上で、英文法を勉強中の人なら誰もが見たことのある構文について、理解を深めていくことにしよう。

解説動画「2種類のbe動詞」

 
be動詞のはたらきについて、ストレスなく知りたい場合には、解説動画を撮ってあるので参考にしてください。
 

第2文型(SVC)をつくるbe動詞には、「意味」がない

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be動詞の基本的なはたらきを、簡単な例を深掘りすることによって考えよう。


He is kind.
彼はやさしい。


 
この珍しくも何ともない文は、第2文型(SVC)として扱うのがもっとも一般的だろう。HeがS、isがV、kindがCの第2文型(SVC)だ。

ここで、このbe動詞が担っている訳(意味)に注目したい。

Heで「彼は」、kindで「やさしい」なのだから……実はbe動詞isには訳(意味)がないということがわかる。

「えっ?森せんせい、be動詞isには “彼は” の “は” っていう意味があるんじゃないの?」

こう言われそうな気もするが、be動詞がない文だって「彼」「彼女」という風に訳しますよね?


He can run fast.
速く走ることができる。


 
ってことは、「彼は」の「は」は、be動詞が持っている意味じゃないってこと。英語では、主語自体に「彼は」の「は」が含まれるということを覚えておこう。


He is kind.


 
改めて。Heで「彼は」、kindで「やさしい」……isには動詞としての訳(意味)が含まれていない。これが、第2文型(SVC)をつくるbe動詞の特徴だ。

「be動詞+補語C」を、一つのVだと見なしてもいいよ

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第2文型(SVC)をつくるbe動詞には、動詞としての訳(意味)が含まれていないわけだが、これが原因で「第何文型か?」という見方に、少々幅が出てくる。


He is kind.
S V C


 
確かにこれは第2文型(SVC)だと考えるのが一般的だが、動詞としての訳(意味)を持っていないbe動詞だけをV(述語動詞/述部)、つまり、何かを述べている部分だと扱うのは、ちょっと気持ちが悪い。

「V(述語動詞)って言う割には、何も述べてないじゃん!」

と突っ込まれたら、ぐうの音くらいしか出ない。

 
ぐぅぅ……

そこで、「be動詞+補語C」を一つのVだと見なす見方も併せて知っておこう。


He is kind.
S  V


 
「is kind」を「やさしいよ」という意味のVだと捉えているのだ。

これは、「be動詞+現在分詞」を、現在進行形というVだと見なすのと同じ感覚。


He is swimming.
S   V


 
このように「He is kind」は、第2文型(SVC)だと考えることもできるし、第1文型(SV)だと考えることもできるわけだ。

第2文型(SVC)をつくるのが「状態のbe動詞」

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そして、ご紹介が遅くなったが、この第2文型(SVC)をつくるbe動詞のことを「状態のbe動詞」とか「状態を表すbe動詞」と言ったりする。

動詞としての訳(意味)を持っていない、第2文型(SVC)をつくるbe動詞。それが「状態のbe動詞」だ。

第1文型(SV)をつくるのが「存在のbe動詞」

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同じbe動詞でも、次のような文はどうだろう?


My key is in my bag.
私の鍵は私のカバンの中にある。


 
勘のいい人なら和訳を見た時点で、「あれっ?このbe動詞、さっきのヤツと違うんじゃない?」と気付くだろう。

そう。今回のbe動詞は、さっきみたいな「意味のないbe動詞」ではない。具体的に、語句ごとの意味を考えればすぐにわかる。

My keyで「私の鍵は」、in my bagで「私のカバンの中に」なのだから……

今回のisは「ある」という、しっかりとした訳(意味)を担っている!

このように、「ある・いる・存在する」という意味をしっかりと持ったbe動詞を、先ほどの「状態のbe動詞」に対して「存在のbe動詞」と言ったりする。

そして、この「存在のbe動詞」は、第1文型(SV)をつくっているとわかるだろうか?

in my bagは副詞句だ。「私のカバンの中に ⇒ ある」というように、動詞を修飾している。副詞は必ず修飾語Mとしてはたらくので、「My key is in my bag」は第1文型(SV)だということがわかる。


My key is <in my bag>.
S   V  <M>
※修飾語Mは、文型には影響しないもの。


 
「ある・いる」という意味をしっかり持ち、第1文型(SV)をつくる。それが、「存在のbe動詞」だ。

で、この知識って必要なの?

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ここまで、第2文型(SVC)をつくる「訳(意味)を持たないbe動詞」と、第1文型(SV)をつくる「訳(意味)を持つbe動詞」についてお話ししてきた。

「森せんせー、学校とかでそんな細かなこと教えられてませんけどー。ホントにこんな知識、必要なんですかー?」

と言われるかもしれないが、こういうちょっとした知識が後々かなり効いてくる。

そこで、この2種類のbe動詞を知っておくと理解が深まる「ある構文」について触れて、今日の話をおしまいにしよう。

There being no chair …… のbeingが省略されない理由

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英文法を勉強中の人なら、誰もが一度は聞いたことのある「分詞構文」という表現。

分詞構文についての細かなことは以下の記事を参考にしてもらうとして、ここでは次の2つの文をそれぞれ分詞構文を使って書き換えてみるとしよう。

参考記事:分詞構文を正しく作るための3ステップ
参考記事:誤解してない!?独立分詞構文こそ、分詞構文の本来の姿

まずは、こちらの文。


As this was done, we went home.
それが終わったので、私たちは帰宅した。


 
これを、分詞構文を用いて表現すると、次のようになる。


As this was done, we went home.

This (being) done, we went home.


 
分詞構文をつくる際には、副詞節の中の動詞(今回ならwas)を必ず「~ing」という形にするが、中でもbeingというのは非常に省略されやすいものだ。

なぜ省略されるかって?それは、動詞としての訳(意味)を持っていない「状態のbe動詞」に由来するbeingだから。

「もともと動詞としての意味を持たないんだから、このbeingは省略しちゃってもいいでしょ!」

という感覚から、分詞構文ではよくbeingが省略されるのだ。結果として「This done」という分詞構文が出来上がる。

じゃあ続いてもう一つ。こちらはどうだろう?


As there was no chair in the room, I had to stand.
部屋の中には椅子がなかったので、私は立っていなければならなかった。


 
これを、分詞構文を用いて表現すると、こうなる。


As there was no chair in the room, I had to stand.

There being no chair in the room, I had to stand.


 
こちらの場合ではbeingが省略されないのだ。

「ハイ、謎です!だから英文法はイヤなんです!また例外を暗記しなくちゃいけないの!?」

大丈夫。謎でも何でもないですよ。要は、thereの構文で使われるbe動詞が「存在のbe動詞」だということを押さえるだけでいいんです。

no chair(0個の椅子)が、in the room(部屋の中)に、was(あった!)と言っているわけだから、このbe動詞は「存在のbe動詞」、動詞としての訳(意味)をしっかりと持っている。

だから、「There being no chair in the room」のbeingは省略できないのだ。このbeingには「動詞としての意味」が宿ってしまっている。

こうやってbe動詞のはたらきに注目すれば、省略されるbeing・省略されないbeingについても十分納得できるはずだ。

まとめ

今日は、「状態のbe動詞」「存在のbe動詞」という、2種類のbe動詞についてお話しした。

学校の授業などでは強調されない部分かも知れないが、こういった知識を「英文法の基礎」としてしっかり身に付けていってもらいたい。

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