英語の文法を勉強中なら常識!前置詞が省略されるのはどんなとき?
英語を単なる暗記ではなく、「理解しながら」勉強していくために、今日の話を欠かすことはできない。
in, on, with, of, as, to など、英語にはさまざまな前置詞があるが、実はある特定の条件下では、前置詞が必ず省略されてしまう。
ここでは、前置詞の基本的な性質を確認した上で、どういった場合に前置詞が省略されてしまうのかについてお話しする。
大学入学レベルの文法力を身に付けたいのなら、必須の知識だ。
CONTENTS
前置詞の後ろには「名詞」がやって来る
まずは基本を確認しよう。前置詞は、読んで字のごとく、前に置く詞(ことば)だ。前置詞の後ろには、必ず名詞が置かれる。
Let’s hang out with us!
一緒に遊びに行こうよ!
I’m annoyed at his ignorance.
彼の無知さにイライラする。
I’m used to cold weather.
私は寒い気候に慣れている。
上で挙げた3つの例だと、どれも単語一語の名詞が前置詞の後ろに置かれているが、場合によっては、単語二語以上から成るの名詞が前置詞の後ろに置かれることもある。
ここで言う「単語二語以上から成る名詞」とは、動名詞・名詞的用法の不定詞・間接疑問文・that節の4つだ。
そこで、この4つの名詞が前置詞の後ろに置かれる場合について、それぞれ見て行こう。
前置詞の後ろに、動名詞が置かれる場合
動名詞は、動詞の意味を含む名詞の一種だ。一般的にはdoingという形をしている。
I’m proud of winning this award.
この賞をいただけて光栄です。
動名詞が前置詞の後ろに置かれることは、非常によくあることで、一度は目にしたことがあるだろう。
前置詞の後ろに、不定詞が置かれる場合
名詞的用法の不定詞は、動名詞と同じく、動詞の意味を含んだ名詞の一種だが、基本的に前置詞の後ろに置くことはできない。
「of + doing」や「without + doing」という形を見たことがあるとしても、「of + to do」や「without + to do」という形を見たことはないはずだ。
I’m proud of to win this prize.(×)
You cannot make an omelet without to break eggs.(×)
ただ、例外はある。名詞的用法の不定詞(to do)を後ろに従える前置詞として、but(を除いて)を知っておこう。
We had no choice but to go.
私たちには「進むこと」を除いた選択肢がなかった。
⇒ 私たちは進むしかなかった。
butは接続詞として有名だが、このように「を除いて」という意味の前置詞として用いることもある。
動名詞(doing)ではなく名詞的用法の不定詞(to do)を従える、特殊な前置詞だ。
前置詞の後ろに、間接疑問文が置かれる場合
間接疑問文は、「疑問文の意味を含んだ名詞のカタマリ」だ。「疑問詞 + SV」や「whether + SV」という形で表される。
I’m afraid of what she will say back.
彼女が何と言ってくるのかが不安だ。
Everything depends on whether he has a passion for that.
すべては、彼がそれに対して情熱を持っているかどうかだ。
間接疑問文も名詞の一種なので、こうやって前置詞の後ろに置かれることがある。
前置詞の後ろに、that節が置かれる場合
最後に、that節が前置詞の後ろに置かれる場合だ。that節も名詞の働きをするものなので、他の名詞と同じように、前置詞の後ろに置かれてもよいはずだ。
I'm sure of that you will succeed.(×)
しかし、上のような例文には、少々違和感を感じるのではないだろうか。前置詞ofの直後にthat節が続くという形は、ほとんど見たことがない気がする。
実はこれが今日のポイントで、前置詞の後ろにthat節が置かれたときには、前置詞が必ず省略されてしまうのだ。(※ごく一部の例外はあるが、基本的にはそう考えてもらってよい。)
後ろにthat節が置かれると、前置詞は必ず省略される
先ほどの例文に違和感を感じるのは当然のことで、正しくは次のような前置詞が省略された英文となる。
I'm sure of that you will succeed.(×)
↓
I'm sure of that you will succeed.(○)
あなたは成功すると思いますよ。
この、「後ろにthat節が置かれたときには前置詞が必ず省略される」というキマリを知っておかないと、いろいろとミスを犯すことになる。次のようなミスが典型的なものだ。
だから、thinkを「他動詞」だと錯覚してしまっている
「I think that ……」という形を中学校の頃からずっと目にしてきているので、thinkを他動詞だと錯覚してしまっている人も多い。
I think that robots will take over many of our jobs.
私は、ロボットが多くの仕事を取って代わると思う。
通常、thinkは「think of ~」や「think about ~」という形で用いる自動詞だが、今日お話ししたように、that節が後ろに置かれているためofやaboutが省略されてしまっているのだ。
I think (of) that robots will take over many of our jobs.
これを理解しておかなければ、thinkを他動詞だと錯覚してしまい、例えば次のような間違いを犯すことになる。
Wherever you are, I’m thinking you.(×)
あなたがどこにいても、私はあなたのことを考えています。
「~を考える」という意味のthinkはあくまでも自動詞なので、前置詞のofやaboutを忘れないようにしよう。
Wherever you are, I’m thinking of you.(○)
まとめ
いかがだっただろう。
「後ろにthat節が置かれたときには、必ず前置詞が省略される」
こういったちょっとした知識の積み重ねが、後々、文法力を飛躍的に伸ばしてくれる。
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