大学受験の英語でも頻出!「補語のas」について語ってみた

英文法前置詞
最終更新日:
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「補語のas」と言われると、これまた難解に聞こえるだろうが、前置詞の名称がその後ろにどういうものがやってくるのかによって名付けられていることは、「2つのof」の話の中でも述べた。

参考:英語が得意な人は必ず知っている、2つのofの使い方

結論から言うと、「補語のas」というのは、後ろに補語Cっぽいものを従えるasのことで、大学入試の英語でも最重要と言える前置詞だ。

ここではいくつかの例文を通して「補語のas」に触れることで、知識と思考回路の両方を手に入れていただきたい。

なお、今日お話しする「補語のas」については、こちらの動画でも説明しているので、参考にしていただきたい。

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例文1「彼をペテン師だと見なしている」

1つ目の例文はこちら。

People regard him as an imposter.
人は彼をペテン師だと見なしている。

ここでの問題は、「彼」が本当にペテン師かどうかということではない。お堅い話だが、君の文法力を磨いていくために、まずは文型を考えよう。

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それが悪いという訳ではない、むしろ基礎から英語を学んでいくのであれば大歓迎なのだが、品詞や文の要素の働きを重要視している人は、「第3文型」だと答えるだろう。基本に従った、素晴らしい答えだ。

前置詞が出てきたときには、基本的には「前置詞句」というカタマリで捉える。今回なら「as + an imposter」を1つのカタマリ(句)だと見なそう。(句・節という概念については以下を参考にしてほしい。)

参考:【初心者必見】前置詞・接続詞から学ぶ、句・節という概念

この前置詞句は、「ペテン師として ⇒ 見なす(regardする)」というように動詞を修飾しているわけだから、文の要素は修飾語Mだ。

修飾語Mというのは、そのセンテンス自体の骨格構造には影響しない贅肉のようなものだ。文型を考える際には、修飾語Mは考慮しなくてよい。as an imposterという前置詞句に着目すると、第3文型という答えに辿り着くわけだ。

意味的には、むしろ第5文型に近い

ところで、物事は立体的だ。常に二面性を持つ。多くの就活生が行う自己分析での「短所」というものは、規模の大きな企業に属する場合の「短所」に過ぎない。スモールカンパニーが躍進すると言われているこれからの時代は、「協調性の無さ」は「長所」かも知れない。

先程の例文を、別の視点で見てみると、今度は「第5文型」に近い感覚で捉えることができる。

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asが前置詞だということをいったん置いておいて、ここではセンテンスの意味に意識を集中させてほしい。

「彼をペテン師として見なす」という訳は、前置詞asを「~として」としっかり訳出しした直訳だが、結局のところ「him = an imposter」なわけです。これ、第5文型に非常に近くありませんか?第5文型(SVOC)というのは、OとCの間に主語-述語の関係(OがCである・OがCする)がある文型でしたよね。

参考:知らなきゃヤバい!?第5文型のたった1つのポイント
参考:英語が苦手な人へ!第5文型を100%理解できるようになる話

前置詞asの後ろのan imposterが、あたかも第5文型の補語Cのような働きをしているのだ。

regard A as B(AをBとして見なす)のasが「補語のas」と言われるのは、こういった意味的な側面から見ての話なのだ。

例文2と、補語のasの特殊性

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特殊な前置詞、というと、何を思い浮かべるだろう?例えば、butは接続詞として有名だが、「~を除いて」という意味の前置詞としても用いられる。

動作を表す名詞(~すること)をその後ろに従える場合、一般の前置詞では動名詞(doing/~すること)を従えるのに対して、前置詞butは名詞的用法の不定詞(to do/~すること)を従える。

I had no choice but to go forward.
私には前進することを除いた選択肢がなかった。
⇒ 私は前進するしかなかった。

特殊な前置詞の代表として前置詞butを挙げたが、asはまた違った意味で特殊な前置詞だ。次の例文を見てほしい。

I regard the situation as serious.
私は状況が深刻だと見なしている。

さてこの例文、ガチガチの文法信者からすると、いささか納得がいかない。

だって、seriousの品詞は?そう、形容詞ですよね。前置詞の後ろには名詞が置かれなければならないのだが、serious(重大な)は形容詞だ。いったい、どういうことなのだろう?

ここで「補語のas」の性質が効いてくる。

要は、「I regard the situation as …」と言った時点で、「asの後ろにはthe situationとイコール関係のもの、つまり補語Cっぽいものを付け加えよう!」という意識が働く。

間違っても、「asは前置詞だから、名詞を置かなくちゃ!」という意識は芽生えないのだ。

確かに名詞も補語Cになるが、やはり補語Cとして代表的なものは形容詞だ。後ろに形容詞を従えることもあるという点が、前置詞asの特殊性というわけだ。

ちなみに、文法信者が好みそうな考え方も示しておこう。

「前置詞の後ろに形容詞が置かれるなんて納得いかない!」「通常のルールの適用外だっ!」「ノーカウント!ノーカウント!」

ということであれば、seriousの直前にbeingを補ってみるとよい。beingというのは動詞のing形の中でももっともシンプルなものなので、よく省略されるのだ。前置詞asの目的語Oとしてbeing seriousという動名詞が置かれていたのだけれども、そのbeingが省略されてしまって、見かけ上、前置詞asの後ろに形容詞seriousがあるように見える、と理解することもできる。

動名詞beingが省略されているというこの考え方にも、確かに一定の理がある。文法的な(論理的な)思考をものにするために、これはこれで理解しておきたいものだ。

まとめ

今日お話しした「補語のas」というものは、大学受験でも頻出の前置詞である。

・なぜ「補語のas」という名前が付いているのか
・他の前置詞に比べて、特殊な点はどこか

この2点をしっかりと復習してもらえれば、真の意味で「補語のas」が君の知識となるだろう。

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