as ~ asは比較の基礎!2つの as の大きな意味の違い

英文法の「比較」という単元では、原級比較(同等比較)というものを最初に学ぶことが多い。いわゆる「as ~ as …」という表現のことだ。
多くの学校やスクールなどでは、単に「…と同じくらい~」という和訳だけを覚えさせられるが、それだけでは取りこぼしが大きい。
そこでここでは、2つの as の違いに注目しながら原級比較(同等比較)を学び、英文法の本質に迫っていくことにしよう。
CONTENTS
原級比較(同等比較)は、程度が「同じ」であることを表す
「原級比較」や「同等比較」という言葉はやや堅いカンジがするが、「程度が同じくらいの比較」のことを表している。どちらも同じ意味の言葉だ。
ジェフは私と同じくらい背が高い。
なお、「原級」というのは、形容詞・副詞が比較級や最上級になる前の形のことを指す。
原級 - 比較級 - 最上級
happy - happier - happiest
important - more important - most important
「原形」という言葉と混同しやすいので注意しよう。「原形」というのは、動詞が変化する前の形のことだ。いわゆる三単現の「-s」が付く前の形や、過去形になる前の形がそれに当たる。
go(原形)⇒ goes
make(原形)⇒ made
1つ目の as は「同じくらい」という意味の副詞
それでは具体的に、原級比較(同等比較)の文を見て行くとしよう。
まずは1つ目の as に注目してほしい。仮にこの as がなくても、「Jeff is tall ……」だけで文の形が成り立つことは、おわかりだろうか?
こういった「まぁ、なくても文の形は成り立つよね!」というものは、修飾語Mだ。単なる飾りに過ぎない。1つ目の as は、直後の形容詞tallを修飾している副詞の as 。「同じくらい」という意味を持つので覚えておこう。
2つ目の as は「~するのと比べて」という意味の接続詞
続いては、2つ目のasだ。
2つ目のasは「~するのと比べて」という意味の接続詞だ。接続詞の後ろにはSV構造が欠かせないが、今回はSVのVが「最初のVと一緒だからいらないよ!」という感覚で、省略されてしまっている。
省略されたV(背が高い)を補うと、次のようになる。
「私が背が高い」のと比べて、ジェフは同じくらい背が高い。
よく、口語(話し言葉)では「Jeff is as tall as me」と言うが、2つ目の as は接続詞だ。後ろにSV構造の続く「Jeff is as tall as I」が、基本の形だと理解しておきたい。
なお、接続詞asには「~するのと比べて」以外にも、よく使う意味がいくつかあるので、以下の記事も参考にしてほしい。
否定文では、副詞の as が so になりやすい
また、「as ~ as …」を否定文で用いると、副詞の as は、副詞の so に姿を変える傾向にある。
または
Jeff is not as tall as I.
この場合、意味合い的には比較級になることにも注意しよう。接続詞 as の後ろに省略されているSV構造を復活させれば、比較級の意味合いになることがハッキリわかる。
× Jeff is not so tall as I (am not tall).
省略されているSVを復活させる際に、not まで入れてしまわないように。英語では、否定語が省略されることはなく、逆に言えば、補うこともない。
「私が背が高い」のと比べて、ジェフはそれほど(同じくらい)背が高くはない。
=ジェフは私ほど背が高くない。(Jeff < I)
こうして、原級比較(同等比較)の否定文は、意味合い的には比較級になるのだ。
倍数表現でも、as ~ as … を使う
最後に、倍数表現も覚えておこう。「as ~ as …」という形に、twice(2倍)、three times(3倍)、half(半分)、one third(3分の1)などを添えるだけでよい。
私のサイトの4月のPV数は、3月の2倍だ。
まとめ
いかがだっただろう。いくつか補足的なこともお話ししたが、「as ~ as …」でもっとも重要なのは、2つ目の as が接続詞だということだ。
接続詞 as の後ろに、しっかりとSV構造を補う習慣が、キミの文法力を確実に鍛えてくれるので、ぜひ心がけてほしい。
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