重要表現 enough to do の意味と使い方|too ... to との違いはココ
enough to は「~するほど」や「とても…なので~する」といった意味の表現で、日常的にもよく使われるものだ。
ここでは、重要表現 enough to の意味と使い方について、いくつかの例文を交えて学んでいこう。
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例文で確認! enough to do の使い方
enough to は「~するほど」や「とても…なので~する」といった意味を持ち、形容詞や副詞の程度を表したり、それらに意味を付け加えたりする表現だ。
いくつか例文を見てみよう。
なお、例文の下に添えている「訳し上げ」というのは、英文を後ろから前に訳していくことを、「訳し下げ」というのは、英文を前から後ろに訳していくことを指している。
[訳し上げ]
その回はもう一度見てしまうほど良い。
[訳し下げ]
その回はとても良いので、もう一度見てもいいくらいだ。
[訳し上げ]
カリフォルニアポテトサラダはメイン料理でもいいくらい満足のいくものだ。
[訳し下げ]
カリフォルニアポテトサラダはとても満足のいくものなので、メイン料理でもいいくらいだ。
[訳し上げ]
あなたは何が正しくて何が間違っているのかがわかるくらいの年齢だ。
[訳し下げ]
あなたはもういい歳なんだから、何が正しくて何が間違っているかわかってもいいはずだ。
[訳し上げ]
彼女は彼がドア越しに聞こえるくらい大声だった。
[訳し下げ]
彼女はとても大声だったので、彼がドア越しで聞くことができた。
[訳し上げ]
このサイトのフォント(文字)は、お年寄りが読めるほど大きい。
[訳し下げ]
このサイトのフォント(文字)はとても大きく、お年寄りが読めるほどだ。
このように、一般的に enough to という表現は、訳し上げすることも訳し下げすることもできる。
ただ、英文が長いときには、「訳し上げ」だと不自然な(まどろっこしい)日本語になりやすいので、その場合には「訳し下げ」がオススメだ。
enough to do を使うときの3つの注意点
enough to を使うときには、次の3つのポイントに注意をしておくと安心だ。
1. enough は形容詞の「後ろ」に置く
enough(とても・十分に)という副詞が他の副詞と違うのは、単語一語なのに形容詞や副詞を後ろから修飾するというところだ。
例えば、「その回はとても良かったので……」と言う場合、日本語の「とても良かった」という語順につられて “enough good(×)” としないように気を付けよう。
The episode is good enough to watch again.(○)
The episode is enough good to watch again.(×)
2. 意味上の主語は to の前に置く
他の不定詞と同じように、意味上の主語を表現する場合には、to の直前に “for + A” という形で表現する。
The fonts on this site are large for the elderly enough to read.(×)
enough to を一つのカタマリとして覚えてしまうと、意味上の主語( for + A )の置き場に困ってしまうので、ここも注意が必要だ。
なお、意味上の主語については、以下のページで詳しく学んでおこう。
3. 目的語Oが文頭の主語と同じなら表現しない
ここは enough to を使うときにもっとも注意すべきところだ。
少し複雑に聞こえるかもしれないが、英語には「形容詞を修飾する to do(副詞的用法の不定詞)の目的語Oが、文頭の主語Sと同じ場合には、目的語Oを表現しない」という傾向がある。
enough to は「副詞の enough 」と「副詞的用法の不定詞( to do )」を使った表現で、このパターンに当たる。そのため、不定詞の中の目的語Oが文頭の主語Sと同じ場合には、それを表現しない。
The episode is good enough to watch it again.(×)
She was loud enough for him to hear her through the door.(×)
The fonts on this site are large enough for the elderly to read them.(×)
「英語では日本語と違って目的語Oをとても大事にする」という大原則に反する例外なので、ここはしっかりと押さえておこう。
enough to do の言い換え
さて、enough to のように「~するほど」「とても…なので~する」という意味を持つ表現は他にもある。代表的なのは so that 構文だ。
enough to を so that 構文を使って言い換えるなら、次のようになる。言い換えるときには「目的語Oの有無」と「主語の表し方」に注意しよう。
= The episode is so good that I watch it again.
※ so that 構文では目的語Oを表現する。enough to が例外。
= The fonts on this site are so large that the elderly can read them.
※ so that 構文では目的語Oを表現する。enough to が例外。
“for + A” というのは、あくまでも不定詞の意味上の主語を表しているだけなので、接続詞 that の後ろに置く場合には、しっかりと名詞(上の例文では the elderly )として表そう。
なお、重要表現の so that 構文については、以下のページで詳しく学んでおこう。
too ... to との違い
なお、同じ「形容詞や副詞の程度を表す表現」でも、too ... to は「…すぎて~できない」「~するには…すぎる」という否定的な意味を持つ表現だ。
[訳し上げ]
湖の氷はスケートができないほど薄い。
[訳し下げ]
湖の氷は薄すぎてスケートをすることはできない。
[訳し上げ]
私の名前は発音できないくらい難しいので、私のことはリーって呼んでください。
[訳し下げ]
私の名前は難しすぎて発音できないので、私のことはリーって呼んでください。
「…すぎる」という意味からもわかるように、副詞の too は「否定的な気持ち」を宿した言葉だ。そのため、not がないにも関わらず、too ... to 構文は否定的な意味になる。
重要表現の too ... to 構文については、以下のページで詳しく学んでおこう。
さいごに| so that 構文との関連も忘れずに
enough to を使う上でのポイントは、
・意味上の主語( for + A )は to の前に置く
・目的語Oが文頭の主語と同じなら表現しない
という3つだ。余力があれば、so that 構文への言い換えや、too ... to 構文との違いも押さえておこう。
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