これで十分!あなたの勉強効率を高めてくれる群前置詞16選
一つひとつの単語の品詞に注目することは、確かに、文法力を身に付ける上で大切なことだ。
ただ、場合によっては、もう少しゆとりのある見方をする方が、効率よく勉強を進められることもある。
そこで今回は、覚えておくと便利な群前置詞について、一通りまとめておこう。
CONTENTS
- そもそも「群前置詞」とは?
- 代表的な群前置詞16選
- 1. As for/~に関して言えば
- 2. but for/~がなければ
- 3. according to/~によると
- 4. instead of/~の代わりに
- 5. in spite of/~にもかかわらず
- 6. thanks to/~のおかげで
- 7. in case of
- 8. for fear of/~を恐れて
- 9. because of, due to/~が原因で
- 10. by means of/~という手段で、~によって
- 11. for the sake of/(利益や目的)のために
- 12. regardless of/~にかかわらず
- 13. in honor of/~に敬意を表して、~を祝して
- 14. in terms of/~の観点から
- 15. at the sight of/~を見て
- 16. in favor of
- さいごに
そもそも「群前置詞」とは?
普通、英語の前置詞といえば、of, in, on などのように、単語一語のものがほとんどだろう。
これに対して群前置詞というのは、単語二つ以上を一つの前置詞だと見なせるカタマリのことだ。
こういった見方をすることで、余分な思考を省くことができる。
逆に、群前置詞という見方を知らなければ、
「前置詞 for の前に接続詞 as が置かれてるけど、どういうこと?」
と戸惑ってしまうこともあるだろう。
代表的な群前置詞16選
「また覚えなくちゃいけないことが増えるな~……」
と思うかも知れないが、有り難いことに、英語の群前置詞はある程度数が限られている。
一つひとつ確認していこう。
1. As for/~に関して言えば
As for は文頭で用いて、その人や事柄についての新しい情報を述べるときに使われる群前置詞だ。
As for Jeff, he thinks money is more important than love.
ジェフはと言えば、愛よりもお金が大切だと考えている。
2. but for/~がなければ
but for は仮定法と一緒によく使われる群前置詞で、「~がなければ」という意味だ。
But for his help, I would have failed in my business.
彼の助けがなかったなら、私はビジネスで失敗していただろう。
3. according to/~によると
こちらは、第三者や専門機関などを挙げて、何か情報を伝えるときに用いられる表現だ。
According to the weather report, the rain will change into snow late at night.
天気予報によると、雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう。
4. instead of/~の代わりに
こちらは中学でも習うような群前置詞で、「~の代わりに」という意味だ。
Give a hug instead of saying something.
何かを言う代わりに、抱き締めてあげるといい。
5. in spite of/~にもかかわらず
こちらも中学でも習うような群前置詞だ。
In spite of the adversity, I had much confidence.
逆境にもかかわらず、私には自信があった。
6. thanks to/~のおかげで
thanks to は「~のおかげで」という意味の群前置詞だ。
Thanks to you, we had a great time.
おかげさまで、素晴らしい時間を過ごせました。
7. in case of
in case of は注意して覚えるべき群前置詞で、異なる2つの意味がある。
■ ~の場合には
In case of emergency, please push this button.
緊急の場合には、このボタンを押してください。
■ ~に備えて
Seatbelts make your body remain in the seat in case of accident.
事故に備えて、シートベルトは体を座席に密着させてくれる。
8. for fear of/~を恐れて
これは「~を恐れて」という意味の群前置詞。
また特に、後ろに動作を表すものがやって来る場合には、「~しないように」という意味になることを覚えておこう。
I don't tell her so, for fear of making her angry.
彼女を怒らせるのを恐れて(彼女を怒らせないように)、私はそのことを彼女に言わなかった。
9. because of, due to/~が原因で
because of は群前置詞の中でも有名なものだろう。よりフォーマルなものとしては、due to を覚えておこう。
The trains have stopped because of the typhoon, so I can’t go home.
台風で電車が止まっちゃって、家に帰れないよ。
10. by means of/~という手段で、~によって
means は「方法・手段」という意味でよく使われる。そこを押さえておくと、この群前置詞の意味は覚えやすいだろう。
We express our thoughts by means of words.
言葉によって私たちは思考を表現する。
11. for the sake of/(利益や目的)のために
「~のために」という日本語は意外と厄介で「原因や理由」を表すこともあるが、for the sake of は「(利益や目的)のために」という意味の群前置詞だ。
I go to the gym for the sake of my health.
私は健康のためにジムに通っている。
12. regardless of/~にかかわらず
5. の in spite of と同じ「~にかかわらず」という日本語があてられて違いがわかりにくいが、regardless of は「~を無視して」というニュアンスの群前置詞だ。
She buys whatever she wants, regardless of the price.
値段にかかわらず、彼女は欲しいものを何でも買う。
13. in honor of/~に敬意を表して、~を祝して
A party was held in honor of his success.
彼の成功に敬意を表して、パーティーが開かれた。
14. in terms of/~の観点から
term は「期間」や「専門用語」という意味でよく用いられる名詞だが、群前置詞 in terms of はそういった意味とは関係がない。
英文の中でもよく出てくる表現で、「~の観点から」という意味の群前置詞として覚えておこう。
In terms of customer satisfaction, XYZ is the best technology company.
顧客満足度という観点から考えると、XYZ社がもっとも素晴らしい技術系の企業だ。
15. at the sight of/~を見て
see の名詞形 sight が使われた群前置詞だ。
She smiled at the sight of me.
彼女は私を見て微笑んだ。
2つのofの使い方
16. in favor of
in favor of は、2つの意味を持つ群前置詞だ。
導く前置詞句が、be 動詞の補語になる形容詞句となる場合には「~に賛成している」、副詞句となる場合には「~に有利なように」という意味になる。
■ be 動詞の補語になるとき
I’m in favor of your idea.
私はあなたの考えに賛成です。
■ 副詞句になるとき
The law has been changed in favor of consumers.
その法律は消費者に有利なように改正された。
さいごに
いかがだっただろう。
群前置詞はさほど数も多くないので、ここでまとめたものさえ覚えれば、ひとまずOKだ。
こういった知識が、余分な思考をカットするバイパスとなるということを知っておこう。
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