接続詞 that の使い方(基本と応用)|関係代名詞 that との2つの違い
接続詞 that は「〜すること(〜するということ)」という意味を持ち、文法的には、that 節と呼ばれる「名詞節」を作る言葉だ。ここでは、接続詞 that の使い方について、基本と応用に分けて学んでいこう。
また、読解力や表現力を伸ばしたい場合には、接続詞 that と関係代名詞 that の2つの違いについても押さえておこう。
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基本|接続詞 that は「名詞節」をつくる
接続詞 that は「〜すること(〜するということ)」という意味を持ち、that 節と呼ばれる名詞節(SVがある名詞のカタマリ)を作るのが基本だ。
次の英文だと、太字が “接続詞 that” で、下線が “that 節” だ。
(誕生日おめでとう! 素敵な一日になることを願っています!)
※ that 節が他動詞 hope の目的語Oになっている
(私が間違っているということもあり得る。)
※ that 節が真主語S(意味的な主語)になっている
“接続詞 that” と “that 節”を混同したままだと、英文法(語順のルール)が正しく身に付かないので、こうした基本をしっかりと押さえておこう。
接続詞 that を使った例文
接続詞 that(〜すること)は名詞節を作るので、単語一語の名詞( cat や doctor など)と同じように、
・主語S
・補語C
・他動詞の目的語O
・前置詞の目的語O
・同格修飾の修飾語M
のいずれかとして使う。こうした「名詞の使い方」に不安がある場合には、以下のページで全体像を押さえた上で、接続詞 that を使った例文に触れていこう。
that 節が主語Sの例文
that 節が主語Sになる場合には、形式主語構文が使われやすい。
(私が間違っているということもあり得る。)
形式主語:It
真主語:that I am wrong
(人が本を表紙で判断することは残念なことだ。)
形式主語:It
真主語:that people judge a book by its cover
なお、形式主語構文について、不安があれば以下のページで学んでおこう。
that 節が補語Cの例文
(問題はあなたが自分が標準だと思っていることです。)
(結論としては、違いはないということだ。)
なお、補語Cとは「主語Sまたは目的語Oとイコール関係の語句」のことだ。詳しくは以下のページで整理しておこう。
that 節が他動詞の目的語Oの例文
(誕生日おめでとう! 素敵な一日になりますように!)
(私は平等が幻想だと信じている。)
なお、目的語Oとは「動作の対象になる名詞」のことだ。詳しくは以下のページで整理しておこう。
that 節が前置詞の目的語Oの例文
ここはやや発展だが、that 節が前置詞の目的語Oになる場合には、前置詞はほとんどの場合で省略される。
例えば、日常的によく使う “I’m sure (that) …” や “I’m afraind (that) …” では、実はそれぞれ、前置詞 of が省略されている。
(Aを確信している)
I’m sure of that you will love it.
↓ that 節が目的語Oなので、前置詞 of が省略されて……
I’m sure that you will love it.
(きっと気にいると思うよ。)
(Aを恐れている)
I'm afraid of that I can't help you.
↓ that 節が目的語Oなので、前置詞 of が省略されて……
I'm afraid that I can't help you.
(残念ながらお力になれません。)
that 節が同格修飾をする例文
that 節は、前の名詞を同格的に修飾できる代表的な表現だ。
(私は彼がそこにいるという情報を得た。)
※ that 節が information の内容そのものを表している。
(彼にはおそらく、私が彼に恋をしているという考えはない。)
※ that 節が idea の内容そのものを表している。
応用|so that 構文の that 節は「副詞節」
なお、「 that 節は名詞節」というのが英文法(語順のルール)の大原則だが、so that 構文では、例外的に that 節が「副詞節」として使われる。
(同じ過ちを繰り返さないために、この気持ちは覚えておかなくちゃ。)
※「繰り返さないために → 覚えておく」のように、動詞を修飾しているので、ここでの that 節は副詞節。
重要表現の so that 構文については、以下のページで詳しく学んでおこう。
接続詞 that と関係代名詞 that の2つの違い
英語の読解力や表現力を伸ばしたい場合には、接続詞 that と関係代名詞 that の2つの違いもしっかりと押さえておこう。
重要な違いは、次の2点だ。
・後ろが「完全文」になる
・節全体が「名詞節」になる
・後ろが「不完全文」になる
・節全体が「形容詞節」になる
それぞれ、具体的に見てみよう。
1. 後ろに続く文の形(完全文 or 不完全文)
接続詞 that の後ろには「完全文(※1)」が続く。これは、一般的な接続詞( if や because など )のときと同様だ。
※1:文型が完成している文、S・C・Oなどが揃っている文
I hope that you’ll have a great day!
(素敵な一日になりますように!)
→ 接続詞 that の後ろは “you’ll have a great day” という完全文(第3文型(SVO))になっている。
一方で、関係代名詞 that の後ろには「不完全文(※2)」が続く。これは、他の関係代名詞( which や who )とのときと同様だ。
※2:文型が未完成な文、S・C・Oなどが足りない文
I've just found my glasses that I lost last year.
(去年失くしたメガネを見つけたよ。)
→ 関係代名詞 that の後ろは、“I lost last year” という不完全文(他動詞 lost の目的語Oがない文)になっている。
2. 節の品詞の違い(名詞節 or 形容詞節)
接続詞 that が導く節(いわゆる that 節)は「名詞節」になる。
I hope that you’ll have a great day!
→ that 節( that you’ll have a great day )は、他動詞 hope の目的語O(名詞節)になっている。
一方で、関係代名詞 that が導く節(いわゆる関係詞節)は「形容詞節」になる。
I've just found my glasses that I lost last year.
→ 関係節( that I lost last year )は、名詞 my glasses を修飾する形容詞節になっている。
さいごに|英文法は「品詞と文型」に注目して学ぼう
ここでは、接続詞 that の特徴と使い方について学んだが、that に限らず、英文法(語順のルール)を学ぶときには、「品詞と文型」に注目しながら学んでいこう。
そうすることで、英文法(語順のルール)を理解しやすくなるし、あなたの読解力や表現力にも繋がるはずだ。