連鎖関係代名詞とは? 文構造と仕組みを例文でマスター
連鎖関係代名詞(後ろで動詞が連続する関係代名詞)とは、本質的には、that 節の中の主語Sに由来する関係代名詞のことだが、説明を簡単にするために、“I think” や “you believe” などが挿入された関係代名詞だと言われることもある。
ここでは、いくつかの例文を通して、文法問題などでも頻出の連鎖関係代名詞をマスターしていこう。
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連鎖関係代名詞とは?
連鎖関係代名詞とは、次の英文のように、直後に “I think...” や “you believe ...” などが続く関係代名詞のことだ。
(彼女は私が決断力があると思う人です。)
関係詞節の中で動詞が2つ続く(連続する)ことから「連鎖関係代名詞」と呼ばれていると理解しておこう。
文構造の考え方
連鎖関係代名詞を使った表現では、関係詞節の中で動詞が2つ続くので、慣れるまでは文構造がわかりにくい。
そこでここでは、初心者向け・中級者向けに分けて、連鎖関係代名詞を使った英文の文構造を見ていこう。
初心者向け|I think などの挿入だと考える
英文法(語順のルール)の初心者であれば、連鎖関係代名詞は、関係代名詞の後ろに “I think” や “you believe” などが挿入された表現だと押さえておこう。
(彼女は私が決断力があると思う人です。)
※ “I think” の挿入だと考えれば、後ろの動詞が have ではなく has になるのもわかりやすい。(先行詞 the person が三人称単数なので。)
ただ、これだと丸暗記に近く、他の場面でも応用できる文法力は身に付かない。
そこで、余力や興味があれば、次の「中級者向け」の考え方も理解するのがオススメだ。
中級者向け|that 節の存在に気付く
連鎖関係代名詞(後ろで動詞が連続する関係代名詞)は、本質的には、that 節の中の主語Sに由来する関係代名詞のことだ。
例えば、次の2つの文を、関係代名詞を使って繋ぐことを考えてみよう。
(彼女はそういう人物だ。+私はその人物には決断力があると思う。)
↓ 関係代名詞 who を使って繋ぐと……
She is the person who I think has decisiveness.
(彼女は私が決断力があると思う人です。)
このように、that 節の中の主語S( the person )が関係代名詞になり、さらには接続詞 that が省略されると、見かけ上、関係代名詞の後ろで動詞が連続することになる。(ここでは think と has のこと。)
ただ、実際には、2つ目の動詞は that 節の中の動詞だというのがポイントだ。
連鎖関係代名詞の例文
連鎖関係代名詞に慣れるために、例文もいくつか見ておこう。
1. who
(彼女は違いを生み出せると私たちが考えているリーダーだ。)
※ who は can make の主語S
(大変なときに助けてくれると思う友だちを選びなさい。)
※ who は will support の主語S
2. which
(それは業界を変えると彼が思っているアイデアです。)
※ which は will change の主語S
(料理を簡単にしてくれると思う調理器具を選んだ方がいいよ。)
※ which は will make の主語S
3. that
普通の関係代名詞のときと同じように、who や which の代わりに that を連鎖関係代名詞として使うこともできる。
(彼女は他の誰よりも私のことを理解してくれると感じる友人です。)
※ that は understands の主語S
(私は未来を創ると自分が信じているテクノロジーに投資しています。)
※ that は will shape の主語S
4. what
また、発展的な内容にはなるが、関係代名詞 what を連鎖関係代名詞として使うこともある。
(長い目で見て自分をもっとも幸せにしてくれると思うことをしなさい。)
※ what は will make の主語S
(あなたが正しいと思うことがいつも正しいとは限らない。)
※ What は is right の主語S
関係代名詞 what(〜すること・もの)は「名詞節を作る関係代名詞」として文法的にも重要なので、以下のページで詳しく学んでおこう。
補足|連鎖関係代名詞は主格でも省略できる
なお、主格の関係代名詞は省略できない(省略できるのは目的格の場合)というのが英文法の基本だが、連鎖関係代名詞は主格だが省略することができる。一種の例外として知っておこう。
(彼女は違いを生み出せると私たちが考えているリーダーだ。)
(私は未来を創ると自分が信じているテクノロジーに投資しています。)
関係代名詞の省略については、必要に応じて以下のページで学んでおこう。
確認問題|主格か? 目的格か?
連鎖関係代名詞は文法問題としても出題されやすい。
直後に “I think” や “you believe” などのSVが続くことから、「主語( I や you など)があるなら、目的格の whom が入るはず」という誤った判断をしてしまいやすいところなので、注意しよう。
He is the person _______ I believe never betrays us.
(彼は私たちのことを決して裏切らないと私が信じている人物です。)
a. who / b. whom
“I believe” の挿入だと見た場合、betrays(を裏切る)の主語Sを選ぶことになるので、主格の who が適切。
また、2つの文に分けて考えるなら、(接続詞 that が省略されてはいるが)that 節の中の主語Sとして先行詞 the person を繰り返すことになるので、やはり who が適切。
He is the person _______ I believe never betrays us.
↓ 2つの文に分けると……
He is the person. + I believe (that) the person never betrays us.
↓ 逆に、関係代名詞を使って1つの文にするなら……
He is the person who I believe never betrays us.
さいごに|英文法をマスターしたいあなたへ
ここでは、連鎖関係代名詞の仕組みについて学んだが、こうした英文法(語順のルール)は読解力や表現力の土台になるものだ。
もしもあなたに英文法の伸び代があれば、当サイトの無料動画「暗記のいらない英文法(全31回)」も併せて学んでおこう。
きっと、英文法への苦手意識を克服するキッカケになるはずだ。