準動詞の意味上の主語とは? 普通の主語との違い
英文法(語順のルール)を学んでいる人の中には、「意味上の主語」という言葉に戸惑いを感じる人が少なくない。
ここでは、「文の主語」と「意味上の主語」の違いを整理することで、英文法への苦手意識を軽くしていこう。
CONTENTS
意味の主語とは?
「意味上の主語」とは、不定詞・動名詞・分詞・分詞構文が表している動作を行う主語のことだ。
それぞれ意味上の主語の表し方については、あとで詳しく学ぶとして、まずは全体像から見ていこう。
なぜ「意味上の主語」という言葉を使うのか?
単語に「主語」と言った場合、一般的には「文の主語」がイメージされやすい。
こうした「文の主語」と区別するために、不定詞・動名詞・分詞・分詞構文に対しては「意味上の主語」という言葉が使われる。
The bridge is too small for a car to pass there.
(その橋はとても狭いので車が通れない。)
「文の主語」
→ 橋( the bridge )
“to pass there” の「意味上の主語」
→ 車( for a car )
準動詞とは?
なお、不定詞・動名詞・分詞・分詞構文をまとめて「準動詞」という。
「準」という漢字は「準急」や「準決勝」といった言葉で使われていて、「似てるけど少し劣っている」といったイメージの漢字だ。
不定詞・動名詞・分詞・分詞構文は、動詞の意味は持っているものの、「述語動詞Vの位置には表現できない」というところが、普通の動詞に比べると劣っている。
そういった意味で、不定詞・動名詞・分詞・分詞構文は「準動詞」と呼ばれている。
準動詞の意味上の主語の表し方
意味上の主語の表し方は、それぞれの準動詞や文型によって異なる。
それぞれの意味上の主語の表し方については、以下で学ぶことができるので、学び残しがあれば参考にしてほしい。
なお、大前提として、準動詞の意味上の主語が「その文の主語」と同じ場合や、「一般の人々(私たち・あなたたち)」の場合には、表現しない(省略する)ことが多い。
「不定詞」の意味上の主語
・“ for + A(人/もの)” という形で表すことが多い
・「形容詞的用法の不定詞」だけ注意が必要
(あなたがそう考えるのは自然なことだよ。)
“to think so” の意味上の主語
→ あなた( for you )
※ “to think so” は名詞的用法の不定詞
(私のことを投稿するのはやめてって言ったよね?)
“to stop posting about me” の意味上の主語
→ あなた( you )
※ “to stop posting about me” は形容詞的用法の不定詞
(その橋はとても狭いので車が通れない。)
“to pass there” の意味上の主語
→ 車( for a car )
※ “to pass there” は副詞的用法の不定詞
「動名詞」の意味上の主語
・所有格( my, their, its など)で表すのが原則
・目的格( me, them, it など)で表すこともしばしば
(寝不足で大事な手紙をゴミ箱に入れちゃったよ。)
“posting an important letter…” の意味上の主語
→ 私( my/me )
「分詞」の意味上の主語
現在分詞と過去分詞で、何が意味上の主語になるのかが異なる。
「現在分詞」の意味上の主語
現在分詞が名詞を修飾する場合
→ 「修飾される名詞」が意味上の主語
(「I LOVE YOU」と書かれたシャツを着ている男性がいた。)
“wearing a shirt…” の意味上の主語
→ 男性( man )
(今夜は素晴らしい(人を興奮させる)試合を期待しているよ。)
“exciting(興奮させる)” の意味上の主語
→ game(試合)
→ 「文の主語S」や「目的語O」が意味上の主語
Your idea sounds amazing!
(そのアイデアは素晴らしいね!)
“amazing(びっくりさせる)” の意味上の主語
→ あなたのアイデア( your idea )
(彼が女の子と歩いているのを見たよ。)
“walking with a girl” の意味上の主語
→ 彼( him )
「過去分詞」の意味上の主語
・“by A” などの前置詞句で表現する
・自明、不明の場合は表現しない
(親にそれを買うように言われた。)
“told” の意味上の主語(実際に tell した人)
→ 親( by my parents )
(窓が壊されているのに気付いた。)
“broken” の意味上の主語(実際に break した人)
→ 不明
「分詞構文」の意味上の主語
・多くの場合は「文の主語=意味上の主語」になる
(不必要な言葉を省いて簡潔にメッセージを書く方法を知りたい。)
“leaving out…” の意味上の主語
→ 私( I )
さいごに|準動詞では「意味上の主語」をイメージしよう
ここでは、それぞれの準動詞に対する意味上の主語の表し方を学んだ。
動詞が準動詞(不定詞・動名詞・分詞・分詞構文)に姿を変えたとしても、「動詞の意味を持つ言葉」を使っている以上、(意味上の)主語は必ずあるはずだ。
準動詞が出てきたら、必ず「意味上の主語」をイメージするようにしよう。
オススメの関連記事