関係代名詞・関係副詞の違いをマスターする3つのポイント

関係代名詞と関係副詞の一番の違いは、その言葉が関係詞節の中で「代名詞」として使われるのか、「副詞」として使われるのかだ。
英文法(語順のルール)を無視した表面的な丸暗記だと、
×「先行詞が place だから、関係副詞 where を使う」
×「先行詞が reason だから、関係副詞 why を使う」
といった間違いに繋がりやすいので注意しよう。
CONTENTS
3つの関係代名詞
関係代名詞には who, which, that に加えて、what, whoever, whichever, as などいろいろあるが、基本的なものは最初の3つだ。
これらはすべて、関係詞節の中で「代名詞」として使われる。
・先行詞が「人」のときに使える
This morning, I met a lady who was walking her dog.
(今朝、犬を散歩させている女性と出会った。)
先行詞:lady
関係詞節:who was walking her dog
※関係代名詞 who は、関係詞節の中で代名詞( was walking の主語S)になっている。
・先行詞が「物事」のときに使える
I've just found my glasses which I lost last year.
(去年失くしたメガネを見つけたよ。)
先行詞:glasses
関係詞節:which I lost last year
※関係代名詞 which は、関係詞節の中で代名詞(他動詞 lost の目的語O)になっている。
・先行詞が「人」でも「物事」でも使える
I’ll never forget everything that happened today.
(今日起こったことはすべて忘れない。)
先行詞:everything
関係詞節:that happened today
※関係代名詞 that は、関係詞節の中で代名詞( happened の主語S)になっている。
関係代名詞について、詳しくは以下のページで学ぶことができるので、必要に応じて参考にしてほしい。
4つの関係副詞
関係副詞には when, where, why, how に加えて、whenever や wherever などもあるが、ここも最初の4つが基本的なものだ。
これらはすべて、関係詞節の中で「副詞」として使われる。(副詞は動詞を修飾する。)
・先行詞が「時」を表す名詞のときに使える
I just want to go back to the days when I was with you.
(あなたと一緒にいた日々に戻りたい。)
先行詞:days
関係詞節:when I was with you
※関係副詞 when は、関係詞節の中で副詞(そのとき → 一緒にいた)になっている。
He came into the restaurant where I worked.
(彼は私が働いているレストランにやってきた。)
先行詞:restaurant
関係詞節:where I worked
※関係副詞 where は、関係詞節の中で副詞(そこで → 働いていた)になっている。
ここも、詳しくは以下のページで学ぶことができるので、必要に応じて参考にしてほしい。
関係副詞には「格」はない
なお、関係代名詞には主格・所有格・目的格という「格(見た目の変化)」があるのに対して、関係副詞には「格」はない。
(主格 - 所有格 - 目的格)
who - whose - whom
which - whose - which
that -(所有格はナシ)- that
when, where, why, how の形は変わらない
関係副詞は副詞のはたらきを持つ言葉なので、一般的な副詞( today や actually など)と同じように、どんな場所で使っても見た目の変化は起こらないということだ。
関係代名詞と関係副詞の違いは?
それでは、全体像を把握したところで、
・関係代名詞は「代名詞」が姿を変えたもの
・関係副詞は「副詞(句)」が姿を変えたもの
だということを、より具体的に見てみることにしよう。
関係代名詞は「代名詞」が姿を変えたもの
関係代名詞の性質を理解するためには、2つの文を繋ぐ(SV構造を使って名詞を説明する形を作る)という流れに乗るとわかりやすい。
例えば、次の2つの文は、関係代名詞を使って繋ぐことができる。
「こちらがその家です」+「彼がここに住んでいます」
↓
This is the house which he lives in.(○)
(これは彼が住んでいる家です。)
ここで重要なのは、「関係代名詞 which がどこから出てきたのか?」ということだ。元の2つの文と見比べるとわかるように、which を使うことで it が消えている。
This is the house. + He lives in it.
↓
This is the house which he lives in.
このことから、関係代名詞 which は代名詞 it ( = the house ) が姿を変えた言葉だとわかる。
関係代名詞は「代名詞」が姿を変えたもの。ここをよく押さえておこう。
関係副詞は「副詞(句)」が姿を変えたもの
同じように、関係副詞の性質を理解するために、2つの文を繋ぐ(SV構造を使って名詞を説明する形を作る)という流れに乗ってみよう。
先ほどと似たような文だが、次の2つの文を繋ぐなら、関係副詞 where を使うことになる。
「こちらがその家です」+「彼がここに住んでいます」
↓
This is the house where he lives.(○)
(これは彼が住んでいる家です。)
なぜ、似たような文なのに、関係代名詞ではなく関係副詞を使うのか? それは、here(ここに・ここで)が副詞だからだ。
He lives here.
(ここに → 住んでいる)
※動詞を修飾するのは副詞
This is the house. + He lives here.
↓
This is the house where he lives.
関係代名詞が「代名詞」が姿を変えたものであるのに対して、関係副詞は「副詞」が姿を変えたもの。
これが、関係代名詞と関係副詞の決定的な違いだ。
副詞句 in it が関係副詞 where になることもある
なお、関係代名詞 which を使って繋いだ先ほどの英文は、関係副詞 where を使って繋ぐこともできる。
↓
This is the house where he lives.(○)
前置詞と後ろの名詞は、とても結び付きが強いものだ。
in と it をバラバラの単語ではなく、一つのカタマリ(副詞句)だと見た場合には、大きな副詞である in it が関係副詞 where に置き換わるわけだ。
関係代名詞と関係副詞の見分け方
文法問題などでもテーマになりやすいが、関係代名詞を使うのか、関係副詞を使うのかに迷った場合には、慣れるまでは2つの文に分けて考えるのがオススメだ。(要は、2つのSV構造を同時に扱うのをやめるということ。)
2つの文に分けるときには、
2文目:関係詞節の中身
仕上げ:先行詞を繰り返す
という3つのステップに従おう。
例1
(マルタ共和国は私がいつか訪れたい場所だ。)
適切なのは……
a. which
b. where
先行詞が place なので、関係副詞 where を選びたくなるかもしれないが、ここは関係代名詞 which が適切だ。
理由は、visit が他動詞で、先行詞 place を代名詞 it で繰り返すことになるから。
↓ 2つの文に分けると……
Malta is a place. + I want to visit one day.
↓ 先行詞 place を繰り返すと……
Malta is a place. + I want to visit it one day.
2文目の “I want to visit one day” は、他動詞 visit の目的語Oがない「不完全な文」なので、先行詞 place を代名詞 it で繰り返すことになる。
there(そこへ)は副詞なので、“I want to visit there one day.(×)” と表現するのは適切ではない。(副詞は目的語Oにはならない。)
先行詞を「代名詞」で繰り返すとき、元の文では「関係代名詞」を使うことになる。
例2
(あなたが述べた理由は総合的に見て間違っている。)
適切なのは……
a. which
b. why
先行詞が reason なので、関係副詞 why を選びたくなるかもしれないが、ここも関係代名詞 which が適切だ。
理由は、give (have given) が他動詞で、先行詞 reason を代名詞 it で繰り返すことになるから。
↓ 2つの文に分けると……
The reason is totally incorrect. + You have given.
↓ 先行詞 reason を繰り返すと……
The reason is totally incorrect. + You have given it.
2文目の “You have given” は、他動詞 give (have given) の目的語Oがない「不完全な文」なので、先行詞 reason を代名詞 it で繰り返すことになる。
先行詞を「副詞」で繰り返すとき、元の文では「関係副詞」を使うことになる。
まとめ|違いをマスターするための3つのポイント
関係代名詞と関係副詞の違いは、その言葉が関係詞節の中で「代名詞」になっているのか「副詞」になっているのかだ。
・関係副詞は「副詞」が姿を変えたもの
・2つの文に分けて見分ける
という3つのポイントを押さえて、英文法(語順のルール)に慣れ親しんでいこう。
オススメの関連記事