名詞的用法の不定詞の5つの使い方|同格修飾もわかりやすく解説
名詞的用法の不定詞とは、動作を表す名詞(~すること)の一種で「to+動詞の原形」で表される表現だ。
ここでは、名詞の5つの働きと照らし合わせながら、名詞的用法の不定詞の使い方を学んでいこう。
この記事を読んで得られること
- 名詞的用法の不定詞の5つの使い方がわかる
- 名詞的用法の不定詞が「名詞の一種」だとわかる
- 同格修飾への理解が深まる
CONTENTS
名詞には5つの使い方がある
名詞的用法の不定詞は「名詞の一種」なので、英文における名詞の使い方がわかっていないと、名詞的用法の不定詞を学ぶことはできない。
「名詞の5つの使い方は?」と聞かれてスッと思い出せない場合には、まずは以下のページで確認しておこう。
また、そもそも「SVOC(文の要素)と品詞の違い」がわかっていないと、英文法を理解することはできないので、不安があれば以下のページも参考にしてほしい。
※ご参考:
SVOC(文の要素)とは?
品詞との決定的な違い >>
名詞的用法の不定詞の5つ使い方
名詞の一種である名詞的用法の不定詞には、単語一語の純粋な名詞(dog や book など)と同じように、次の5つの使い方がある。
1. 主語Sとして使う
自分らしくあることが、あなたができるすべてのことだ。
※ To be yourself が主語Sになっている。
この街では車なしで生活するのは難しい。
※ to live without a car in this town が形式主語 It に対する真主語Sになっている。
2. 補語Cとして使う
私の大きな夢はいつかニュージーランドに行くことだ。
※ to someday go to New Zealand が補語Cになっている。
3. 他動詞の目的語Oとして使う
君にそのことを伝えるのをすっかり忘れてたよ。
※ to tell you about that が他動詞 forgot の目的語Oになっている。
私は仕事以外で社会生活をするのが難しいと思った。
※ to have a social life outside of my job が形式目的語 it に対する真目的語Oになっている。
4. 前置詞の目的語Oとして使う
動作を表す名詞(~すること)を前置詞の目的語Oにする場合、基本的には to do(名詞的用法の不定詞)ではなく doing(動名詞)が原則だ。
ただし、前置詞の but(~を除いて)に限っては、doing(動名詞)ではなく to do(名詞的用法の不定詞)を目的語Oにとる。
重要な例外として知っておこう。
私たちにはフライトをキャンセルすることを除いた選択肢がない。
=私たちはフライトをキャンセルするしかない。
※ to cancel flights が前置詞 but の目的語Oになっている。
5. 前の名詞を同格的に修飾する(修飾語Mになる)
「名詞を修飾する不定詞はすべて形容詞的用法!」とザックリ押さえることもできるが、厳密には、以下のような不定詞は同格修飾という働きを持つ名詞的用法の不定詞だ。
私は彼のアドバイスに従う(という)決心をした。
※ to follow his advice が名詞 decision を同格的に修飾している。
なお、形容詞的用法の不定詞と同格修飾の名詞的用法の不定詞の違いは、関係詞節という形容詞節に置き換えられるかどうかだ。
↓
I have many friends who/that will help me any time.
私にはどんなときでも助けてくれる友だちがたくさんいる。
※ who/that will help me any time という関係詞節(形容詞節)でも表現可能なので、to help me any time は形容詞的用法。
↓
× I made the decision which/that will follow his advice. ……(1)
× I made the decision which/that I will follow his advice. ……(2)
※関係詞節(形容詞節)では表現できないので、to follow his advice は形容詞的用法ではない。
※(1)は「decision『が』will follow する」という意味なので不可。
※(2)は 関係代名詞 which/that の後ろが完全文になっているので不可。
さいごに「名詞的用法の不定詞は名詞の一種」
言葉の表面に捉われると、ついつい「名詞的用法の不定詞」を特別扱いしがちだが、ここでお話ししたように、名詞的用法の不定詞は単なる名詞の一種に過ぎない。
最初に確認した「名詞の5つの使い方」を押さえた上で、名詞的用法の不定詞を学んでいこう。