重要表現 in order to の意味と使い方|so as to への言い換えと3つの違い
in order to は副詞的用法の不定詞を使った表現で、「〜するために」という意味を持っている。
in order to を使うときには、「主語の表し方」「 not の位置」「 so as to との違い」など、文法的なポイントがいくつかある。
ここでは、普段使いできる例文を交えて、in order to の意味と使い方を学んでいこう。
この記事を読んで得られること
- in order to のリアルな使い方がわかる
- 不定詞の基礎を確認できる
- so as to との違いがわかる
CONTENTS
in order to は目的(〜するために)を表す表現
in order to は目的(〜するために)を表す表現で、文章でも会話でもよく使われるものだ。
まずはいくつか例文を見たり聞いたりしてみよう。
(健康な肌を保つためには毎日最低6時間の睡眠を取ることよ。)
(スムーズに答えられるように、よくある質問には目を通しておくことね。)
(タクシーに乗れるように、彼女にお金を渡してあげてね。)
(私たち全員が常に情報を共有できるように、グループチャットを作ろうよ。)
(安全のため、日が落ちたら子供たちを一人で外出させないこと。)
(同じ間違いをしないよう、しっかり聞いててくださいね。)
(今日は何も買い物をしないよう、クレジットカードは持って来てないよ。)
実は「副詞的用法の不定詞」の一種
なお、目的(〜するために)を表す表現としてもっともシンプルなのは、副詞的用法の不定詞だろう。
確かに、わざわざ in order to を使わなくても、副詞的用法の不定詞を使えば「~するために」という意味を表すことはできる。
何かを得るためには、何かを与えなければならない。
ただ、副詞的用法の不定詞にはちょっとした弱点がある。それは、「~するために」という意味以外にも、いくつかの意味があることだ。
1. 目的(~するために)
To get something, you have to give something.
(何かを得るためには、何かを与えなければならない。)
2. 感情の原因(~して…に感じる)
I’m so glad to have you in my life.
(君がいてくれて嬉しいよ。)
3. 判断の根拠(~するとは…だ)
I was so careless to leave my wallet at the bicycle basket.
(自転車のカゴに財布を忘れるとは不注意だった。)
4. 起こった結果(そして~した)
She lived to be ninety.
(彼女は90歳まで生きた(生きて90歳になった)。)
5. 条件(~するならば)
To hear him talk, you would take him for a foreigner.
(彼が話すのを聞くと、あなたは彼が外国人だと思うだろう。)
6. 程度(~するほど)/形容詞や副詞を修飾する場合
Her skirt is long enough to reach the floor.
(彼女のスカートは床に着くほど長い。)
こうした他の意味との違いをハッキリさせるために、副詞的用法の不定詞を「目的(~するために)」の意味で使う場合には、しばしば in order が添えられる。
何かを得るためには、何かを与えなければならない。
in order という前置詞句は元々は「順序良く」「きちんと」という意味だ。それが転じて「目的に向かってしっかりと」というニュアンスを与えている。
このように、in order to は「副詞的用法の不定詞に in order が添えられた表現」だということを押さえておこう。次にお話しする「 in order to の使い方」にも繋がる重要なポイントだ。
in order to の使い方と注意点
in order to を使うときには、次の3点に注意しよう。
(1) 意味上の主語は “for + A” で表す
一般の不定詞のときと同じように、in order to の意味上の主語が「文頭の主語」と異なる場合には、“for + A” という形を to の直前に添えて意味上の主語を表そう。
Give her some money in order for her to be able to take a taxi.(○)
Give her some money for her in order to be able to take a taxi.(×)
「 in order to で一つのカタマリだ!」と丸暗記してしまっていると、意味上の主語を表現する位置を間違えてしまうので、注意が必要だ。
「意味上の主語」とは?
なお「意味上の主語」とは、不定詞・分詞・動名詞が持っている動詞の意味に対する主語のことだ。
単に「主語」と言ってしまうと「その文の文頭の主語」との区別がつきにくいので、一般的にこのような言い方をしている。
(2) 否定的な意味の場合には in order not to
in order to を否定的な意味(〜しないために)で使うときには、to の直前に not を置くのが文法的には基本とされていて、これも一般の不定詞のときと同じだ。
ただ、実際には “not to do” も “to not do” もどちらもよく使われるので、ここは柔軟に捉えておくのが良さそうだ。
Please listen carefully in order not to make the same mistake again.(◎)
Please listen carefully in order not to make the same mistake again.(○)
(3) 文頭でも文中でも使える
また、in order to は文頭でも文中でも使うことができる柔軟な表現だ。
In order to maintain healthy skin, make sure to take at least six hours of sleep every day.(○)
in order to と so as to の3つの違い
in order to と同じような意味の表現として so as to も有名だが、両者には次の3つの違いがある。
(1) ニュアンス(柔らかい・硬い)が違う
in order to と so as to のわかりやすい違いは、そのニュアンスだ。
in order to が比較的カジュアルであるのに対して、so as to はフォーマルな印象を与える表現だ。
(2) 表現できる位置が違う
in order to の方が、so as to よりも表現できる位置が自由だ。in order to が文頭でも文中でも使えるのに対して、so as to は文頭では使わないのが一般的だ。
Make sure to take at least six hours of sleep every day in order to maintain healthy skin.(○)
In order to maintain healthy skin, make sure to take at least six hours of sleep every day.(○)
Make sure to take at least six hours of sleep every day so as to maintain healthy skin.(○)
(3) “for + A” を添えられるかどうかが違う
in order to では “for + A” という形で「文頭の主語とは異なる意味上の主語」を表せるのに対して、so as to では “for + A” という形を使うことができない。
つまり、so as to では、必ず「文頭の主語」が意味上の主語になるということだ。
Give her some money in order for her to be able to take a taxi.(○)
Give her some money so as for her to be able to take a taxi.(×)
なぜ so as to では “so as for A to do” と表現できないのか? それは、as が接続詞だからだ。
詳しくは以下のページで解説しているので、興味があれば学びを深めてほしい。
in order to の言い換え
in order to は so as to だけでなく、so that 構文にも言い換えられる。
= Sometimes rejection is needed so as to move forward.
= Sometimes rejection is needed so that you may move forward.
(前に進むためには、ときにはキッパリと断ることも必要だよ。)
= So that I can help you with this, please could you send us a DM?
(この件について手助けできるよう、DMを送ってもらえませんか?)
so that 構文については、以下のページで詳しく学ぶことができるので、不安や必要性があれば参考にしてほしい。
※ご参考:so that 構文の4つの意味と使い方
さいごに|in order to は「副詞的用法の不定詞」の一種
ここで学んだように、in order to は単なる熟語ではなく、副詞的用法の不定詞が軸になった表現だ。
使い方としては、一般の副詞的用法の不定詞と同じように、
・否定語(not)は to の直前に置く
・文頭でも文中でも使える
という3点を押さえておこう。
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