暗記は不要! “have (get) + O + 過去分詞” は第5文型

英文法分詞(現在分詞・過去分詞)
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“have (get) + O + 過去分詞” は「Oを〜してもらう」「Oを〜される」といった意味で、文法的には、第5文型(SVOC)の補語Cが過去分詞になった表現だ。

ここでは、“have (get) + O + 過去分詞” の文構造を紐解きながら、その訳し方や使い方を学んでいこう。

CONTENTS

基本の確認|第5文型のポイント

“have (get) + O + 過去分詞” の文構造と意味を理解するために、まずは、第5文型(SVOC)の基本的なポイントと対処法を確認しておこう。

「第5文型(SVOC)はバッチリ!」という場合には、次の「 “have (get) + O + 過去分詞” の2つの意味」に進んでも大丈夫だ。

OとCに主語-述語の関係がある

第5文型(SVOC)は、SとVだけでなく、OとCの間にも主語-述語の関係(OがCである、OがCする)がある文型だ。

英文法(語順のルール)に慣れるまでは、2つの主語-述語(SとV/OとC)を同時に考えるのはハードルが高いので、OとCだけを抜き出して考えるのがオススメだ。

I always keep my room tidy.

(私はいつも部屋を綺麗にしている。)

↓ OとCだけを文として抜き出すと……

My room is tidy.

(私の部屋は綺麗だ。)

※OとCを文として抜き出す際には、基本的には be 動詞を補おう。

こうした「OとCだけを抜き出して考える」というのが、第5文型(SVOC)をわかりやすくするための対処法だ。

これを踏まえて、“have (get) + O + 過去分詞” の意味と文構造を理解していこう。

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“have (get) + O + 過去分詞” の2つの意味

“have (get) + O + 過去分詞” には、

1. 利益(Oを〜してもらう)
2. 被害(Oが〜される)

という2つの意味があるが、どちらの意味になるのかは、OとCが表す文脈によって決まる。それぞれ、詳しく見てみよう。

1. 利益(Oを〜してもらう)

“have (get) + O + 過去分詞” は第5文型(SVOC)の補語Cに過去分詞が置かれた表現なので、先ほどと同じように、OとCだけを抜き出してみよう。

I had (got) my hair trimmed.

(私は髪を整えてもらった。)

↓ OとCだけを文として抜き出すと……

My hair was trimmed.

(私の髪は整えられた。)

このように、第5文型(SVOC)のOとCに注目すると、“My hair was trimmed.” といった英文が浮かび上がる。

この “My hair was trimmed.” を参考に元の英文を直訳すると、「私は髪が整えられる状態にした」となるが、これを自然な言い回しにすると「私は髪を整えてもらった」となる。

「髪が整えられる」というのは、一般的にはポジティブな文脈なので、「〜してもらう」という言い回しが当てはまるということだ。

OとCを抜き出したときの英文がポジティブな文脈になる場合に、“have (get) + O + 過去分詞” は利益(Oを〜してもらう)を表すと押さえておこう。

2. 被害(Oを〜される)

一方で、“have (get) + O + 過去分詞” が被害(Oを〜される)を表すのは、OとCを抜き出したときの英文がネガティブな文脈になる場合だ。

I had (got) my wallet stolen.

(私は財布を盗まれた)

↓ OとCだけを文として抜き出すと……

My wallet was stolen.

(財布が盗まれた。)

抜き出した “My wallet was stolen.” を参考に元の英文を直訳すると、「私は財布が盗まれる状態にした」となるが、これを整えると「私は財布を盗まれた」となる。

「財布が盗まれる」というのは、一般的にはネガティブな文脈なので、「〜される」という言い回しが当てはまるということだ。
 
 
このように、“have (get) + O + 過去分詞” には利益(Oを〜してもらう)と被害(Oを〜される)の意味があるが、これらは丸暗記する熟語というわけではない。

“have (get) + O + 過去分詞” は第5文型(SVOC)の一種で、目的語Oと補語Cが表している文脈が意味を決定づけているというところを、よく押さえておこう。

“have (get) + O + 過去分詞” の例文

“have (get) + O + 過去分詞” の意味と文構造に慣れるよう、例文もいくつか見ておこう。

それぞれの例文において、一つ目の下線が目的語O、二つ目の下線が補語Cだ。

利益(Oを〜してもらう)を表す例文

I had (got) my room upgraded at the hotel.

(ホテルの部屋をアップグレードしてもらったんだ。)

She had (got) her dress tailored for the wedding.

(彼女は結婚式に向けてドレスを仕立ててもらった。)

I have to have (get) my passport renewed before the trip.

(旅行の前にパスポートを更新しなくちゃ。)

被害(Oを〜される)を表す例文

I had (got) my phone stolen at the cafe.

(カフェで携帯を盗まれた。)

She had (got) her car broken into last night.

(彼女は昨夜、車上荒らしに遭った。)

My daughter had (got) her new shoes ruined in the sandbox.

(娘が砂場で新しい靴を台無しにしちゃってね。)

補足|have と get の違い

なお、have と get の違いは微妙なところなので、それほど気にしなくていいと思うが、

have:「第三者」が中心
get:「自分」が中心

という違いはある。日本語で言うなら、

A:明日、髪を切ってもらうんだ
B:明日、髪を切るんだ

の違いと似たような感じだ。どちらも「髪を切る」という予定を表しては述べてはいるが、Aが第三者(美容師さん)をイメージしているのに対して、Bは自分が中心のようなニュアンスだ。

I will have my hair trimmed tomorrow.

明日、髪を切ってもらうんだ。(第三者がイメージに入っている。)

I will get my hair trimmed tomorrow.

明日、髪を切るんだ。(自分がイメージの中心。)

さいごに|英文法をマスターしたいあなたへ

ここでは、“have (get) + O + 過去分詞” の意味や文構造について学んだが、こうした英文法(語順のルール)は読解力や表現力の土台になるものだ。

もしもあなたに英文法の伸び代があれば、当サイトの無料動画「暗記のいらない英文法(全31回)」も併せて学んでおこう。

きっと、英文法への苦手意識を克服するキッカケになるはずだ。

ここまで読んだあなたに
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