【例文満載】接続詞 if の2つの意味と使い方|節の品詞にご注目
接続詞 if には、大きく分けると「もし〜するならば」と「〜するかどうか」という2つの意味がある。
また、even if の even が省略されて、if だけで「たとえ〜するとしても」という意味になることもある。
ここでは、if 節(※)の品詞にも注目しながら、接続詞 if の使い方を学んでいこう。
※ if 節:“if + SV” というカタマリ
※節(せつ):SVがあるカタマリ
CONTENTS
もし〜するならば(副詞節)
接続詞 if が「もし〜するならば」という意味のとき、if 節は副詞節(大きな副詞)となり、動詞を修飾している。(動詞を修飾するのは副詞。)
If it rains tomorrow, I will read a book indoors.
(もし明日雨が降るなら、家で本を読むよ。)
※「もし明日雨が降るなら → 読む」という繋がりからわかるように、ここでの if 節は動詞V( will read )を修飾している副詞節だ。
(もしお店が開いていれば、パンと牛乳を買うよ。)
(靴がキツすぎるなら、お店に返品したら?)
(ピザを取ってもいいよ、もし今晩料理をする気分でなければ。)
(彼女は落ち込むだろうね、もしその仕事に就けなければ。)
注意:未来形を現在形で表す
なお、英語には「時や条件を表す副詞節では、未来形を現在形で表す」という文法がある。
副詞は動詞を修飾するものだが、「修飾先の動詞が未来形なら、それを修飾する副詞節が『未来のこと』を表すのは当たり前」(だから will はいらない)と理解することもできる。
「未来形」を「現在形」で表す
○ She will be disappointed if she doesn't get the job.
× She will be disappointed if she will not get the job.
(もしその仕事に就けなければ → 落ち込むだろう)
接続詞 if を「もし〜するならば」という意味で使うときに、未来のことなのに will を使わないのはこのためだ。
たとえ〜するとしても(副詞節)
なお、even if(たとえ〜するとしても)という表現では、文脈的に逆接だとわかる場合には、副詞 even が省略されて if だけが残ることもある。
(たとえ急いだとしても、ミーティングには間に合わないよ。)
※順接(もし急いだら → 間に合わない)だと成り立たない。
(たとえ雨が降っても、私たちは散歩に行くよ。)
※順接(もし雨なら → 散歩に行く)だと成り立たない。
(たとえ値引きがあっても、私には高すぎるんだよね。)
※順接(もし値引きがあれば → 高すぎる)だと成り立たない。
接続詞 if の意味として、even if の even が省略された「たとえ〜するとしても」も押さえておこう。
if any(たとえあるとしても/数量)や if ever(たとえあるとしても/頻度)はその代表例だ。
〜するかどうか(名詞節)
接続詞 if には「〜するかどうか」という意味もあるが、その場合には、if 節が名詞節(大きな名詞)になっている。
I don’t know if she will come to the party.
(私は彼女がパーティに来るかどうかを知らない。)
※ここでの if 節は、他動詞 know の目的語Oなので名詞節だ。
普通の名詞( dog や bag など)と同じように、名詞節になる if 節(〜するかどうか)は、主語S・補語C・目的語Oとして使うことができる。
また、同じ意味の接続詞として、if の代わりに whether(〜するかどうか)を使うこともできる。
主語Sになる if 節(〜するかどうか)
if 節(〜するかどうか)が主語Sになる場合、文頭に置くことはできないので、形式主語 it を使うようにしよう。
(彼女がミーティングに参加するかどうかはハッキリしていない。)
(その仕事を引き受けるかどうかは、あなた次第だ。)
(成功するかどうかは重要じゃない。得られた経験こそ重要だ。)
文頭に置くなら whether
文頭の主語Sとして「〜するかどうか」を表現する場合には、if ではなく whether を使おう。
× If she will attend the meeting is unclear.
(彼女がミーティングに参加するかどうかはハッキリしていない。)
名詞節を作る if と whether は同じ意味(〜するかどうか)だが、ザックリと「 whether の方が使い勝手がいい(使用制限がない)」と押さえておくとよさそうだ。
補語Cになる if 節(〜するかどうか)
用法としては比較的少ないが、if 節(〜するかどうか)が補語Cになることもある。
(私が気にしているのは、そのプロジェクトが予定通り完了するかどうかだ。)
他動詞の目的語Oになる if 節(〜するかどうか)
(わからないんですよ、彼女がパーティに来るかどうか。)
(そのチケットがまだ有効かどうか確認しておくよ。)
(お店にオーガニックのハチミツがあるかどうか、調べてもらえますか?)
前置詞の後ろに置くなら whether
なお、前置詞の後ろに「〜するかどうか」と表現する場合には、if ではなく whether を使おう。
× I'm unsure about if the concert will be postponed.
(コンサートが延期されるかどうか、わからないんだ。)
ここでも「 whether の方が使い勝手がいい(使用制限がない)」と言えそうだ。
実は「間接疑問文」の一種
こうした名詞節になる if 節(〜するかどうか)は「間接疑問文」の一種だ。
全体像としても、表現そのものとしても重要なので、以下のページで必要に応じて学んでおこう。
補足: if 節と仮定法の違い
なお「条件(もし〜するならば)を表す if 節」は「仮定法」と混同されやすいが、まったくの別物なので気を付けよう。
仮定法とは「事実に反する動詞V」のことで、if 節のことではない。
If I had known about the traffic, I would have left earlier.
(渋滞のことを知っていたら、もっと早く出たのに。)
if 節:If I had known about the traffic
仮定法:had known / would have left
----------------
If it rains tomorrow, I will read a book indoors.
(もし明日雨が降るなら、家で本を読むよ。)
if 節:If it rains tomorrow
仮定法:なし
さいごに|英文法は「品詞」に沿って学ぼう
ここでは if 節の品詞に注目しながら、接続詞 if の意味や使い方を学んだ。
if 節に限らず、英語では「品詞がわかれば意味がわかる」というケースがとても多いので、英文法(語順のルール)を学ぶなら、どの単元も「品詞」や「文型」に沿って学んでいこう。
そうすれば、断片的な丸暗記で消耗することもなくなるはずだ。