仮定法過去の本当の使い方|would と could の違いもこれでスッキリ

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仮定法過去とは?

仮定法過去とは、現在の事実に反することを表す動詞(V)のことだ。

ここでは、仮定法過去の使い方について、動詞の過去形や助動詞の過去形(would や could)が用いられる理由と共に、順を追って解説しよう。

この記事を読んで得られること

  • 仮定法過去の使い方がわかる
  • なぜ、動詞や助動詞の「過去形」を使うかがわかる
  • would と could の違いがスッキリする

CONTENTS

仮定法過去とは? 例文で確認

仮定法過去とは、現在の事実に反することを表す動詞(V)のことだ。例えば、「私があなたの立場なら、彼とは別れるよ」という場合、

・私があなたの立場であること
・私が彼と別れるということ

は、どちらも事実に反する。実際には、私はあなたの立場ではないし、彼に別れを告げることもないからだ。このときに使う動詞(V)が仮定法過去で、if 節では「動詞の過去形」が、主節では「助動詞の過去形+do」が使われる。

If I were you, I would break up with him.
私があなたなら、彼とは別れるよ。

If I had more time and money, I would take more art courses at school.
もっと時間とお金があったら、美術科を選択するのに。

※実際には、今、お金と時間はないし、美術科を選択していない。

If I were there, we could watch TV together.
もし私がそこにいたら、一緒にテレビを見れるのに。

※実際には、今、私(I)はそこにいないし、一緒にテレビを見ていない。

You might be surprised if you knew what I've experienced in life.
もしあなたが私が人生で経験したことを知っていたら、驚くかもしれない。

※実際には、今、あなた(You)は私(I)の経験を知らないし、驚いてもいない。

仮定法という字面から、「仮定を表す方法のことかな?」「if を使った表現が仮定法かな?」と思ってしまいがちだが、仮定法過去とは、現在の事実に反することを表す動詞(V)のことだと、しっかり押さえておこう。

仮定法過去というネーミングの由来

ちなみに、こうした動詞(V)が「仮定法過去」と名付けられているのは、先ほどの例文からもわかるように、if 節の中では動詞が過去形になるからだ。要は、表面的な見た目だけを重視して「仮定法過去」と名付けてしまったわけだ。

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仮定法過去と仮定法過去完了の違い

仮定法過去が「現在の事実に反することを表す動詞(V)」であるのに対して、仮定法過去完了は「過去の事実に反することを表す動詞(V)」だ。

詳しくは以下のページで解説しているので、必要があれば参考にしてほしい。

※ご参考:
仮定法過去完了とは?
仮定法過去との決定的な違い >>

仮定法過去をマスターするために捨てるべき2つの思い込み

もしもあなたが仮定法が苦手だとしたら、それは、これまで英語を学んできた中で、次のような2つの思い込みを持ってしまっているからかもしれない。

逆に言えば、こうした思い込みを外せば、仮定法がグッと理解しやすくなるので、記憶をマッサージするつもりで聞いてほしい。

1. 助動詞の過去形が「過去のこと」を表すという思い込みを捨てる

may(〜かもしれない)、will(〜だろう)、must(〜に違いない)などを見てもわかるように、一般的に助動詞は「動詞に推量の意味を加える」という性質を持っている。

She is the most competent of all of us.
彼女は私たちの中でもっとも有能だ。(事実)

She may be the most competent of all of us.
彼女は私たちの中でもっとも有能かもしれない。(推量)
What you say is true.
あなたの言っていることは本当だ。(事実)

What you say will be true.
あなたの言っていることは本当だろう。(推量)
He is telling a lie.
彼は嘘をついている。(事実)

He must be telling a lie.
彼は嘘をついているに違いない。(推量)

こうした一般的な助動詞を使って過去のことを推量するときには、助動詞そのものを過去形にするのではなく、「助動詞+have+過去分詞」という形を使う。

She may have been there yesterday.
彼女は昨日そこにいたかもしれない。

※ “She might be there yesterday.” は不可。

He must have bought her something expensive.
彼は彼女に何か高価なものを買ってあげたに違いない。

※そもそも must には過去形がない。

どうしても「助動詞の過去形は『過去のこと』を表す」というイメージがあると思うが、過去のことを表したい場合には、このように「助動詞+have+過去分詞」という形を使うのが基本だ。

それでは、助動詞の過去形にはどんな働きがあるのだろう? これを理解するためには、shall の過去形である should に登場してもらうのがもっともわかりやすい。

助動詞の過去形は「事実に反すること」を表す

助動詞の should(~すべき)は shall(~すべき)の過去形だ。「~すべき」という意味の shall は、比較的堅い文章(契約書や利用規約など)でよく使われるもので、

The purchaser shall pay the monthly payment to the seller by the end of every month.
購入者は毎月月末までに販売者に月々の支払いをしなければならない。

といった使い方をする。

ここで考えてみてほしいのが、上の英文の内容において、購入者が販売者に「実際に支払いをする可能性」がどれくらいあるかだ。もちろん購入者の中には、支払いを滞納したりする者もいるかもしれないが、契約書に記載された内容であるとすれば、実際に pay the monthly payment する(支払いをする)可能性はかなり高く、ほぼ実際に起きることだと言えるだろう。

これに対して、同じ「~すべき」という意味でも、過去形の should を使った場合はどうだろう?

You should take care of your health.
あなたは健康に気を使うべきだ。(健康に気を使った方がいいよ。)

助動詞の過去形 should を使ったこちらの英文の内容において、You(あなた)は実際に今、健康に気を使っているだろうか? 答えはもちろん、Noだ。実際には take care of your health しておらず(健康に気を使っておらず)、そのため、 “You should take care of your health.” と言われているのだから。

このように、助動詞の過去形は「事実に反すること」を述べるときに使われる。

現在形 shall
実際に行われている動作、行われる可能性の高い動作が続く

過去形 should
事実に反する動作、可能性が極めて低い動作が続く

そしてもう一つ確認してほしいのが、過去形の助動詞 should を使った “You should take care of your health.” という英文が、いつのことを述べているのかだ。これは明らかに、過去のことではなく、目の前にいる相手の「今の(健康に気を使っていない)状態」に対して述べられている言葉だ。

こういったところからも、「助動詞の過去形=過去のこと」だという認識が思い込みだとわかる。

でも、 would や could は「過去のこと」を表すんじゃないの?

勉強熱心なあなたであれば、そう思うかもしれない。確かに、can や will の一部は、助動詞そのものを過去形にすることで「過去のこと」を表した。

He will sometimes eat broccoli.
彼はときどきブロッコリーを食べる。(現在の習慣)

↓ 過去形の would を使うと

He would sometimes eat broccoli.
彼はときどきブロッコリーを食べていた。(過去の習慣)

I can do 20 push-ups.
私は腕立て伏せを20回できる。(現在の能力)

↓ 過去形の could を使うと

I could do 20 push-ups when young.
私は若いとき腕立て伏せを20回できた。(過去の能力)

ただ、ここで思い出してほしいのは、そもそも助動詞は「動詞にどんな意味を加える言葉だったか?」ということだ。そう、may(〜かもしれない)、will(〜だろう)、must(〜に違いない)、can(きっと~だろう)などからわかるように、一般的に助動詞は「動詞に推量の意味を加える」という性質を持っていた。

そうした、助動詞の「一般的な性質」から見ると、ここで例に挙げた

・習慣(~するものだ)を表す will
・能力(~できる)を表す can

は、助動詞らしさのカケラもない。なぜなら、推量の意味をちっとも持っていないからだ。(「習慣」にも「能力」にも、推量の意味は含まれていない。)

つまり、習慣(~するものだ)を表す will と能力(~できる)を表す can は、助動詞としてはむしろ特殊なもので、だからこそ例外的に、助動詞そのものを過去形にすることで「過去のこと」を表せているのだ。

特に能力(~できる)を表す can については、英語学習の初期の段階で学ぶことが多く、そのため「助動詞を過去形にすることで、過去のことを表せる」という例外的な性質を、すべての助動詞に当てはまる一般的な性質だと思ってしまいやすいわけだ。

いずれにしても、仮定法過去をマスターするために、

・助動詞の過去形は「事実に反すること」を表す
・助動詞を使って過去のことを表すなら「助動詞+have+過去分詞」

というポイントを押さえておこう。

2. will が「未来」を表すという思い込みを捨てる

仮定法過去をマスターするために捨てるべきもう一つの思い込みは、助動詞の will が「未来」のことを表すというものだ。

確かに、will が「未来」を表すことはよくある。

We will arrive at about 7:30 pm.
だいたい7時半くらいに着くよ。(未来)
I will attend the event too.
私もそのイベントに参加するよ。(未来)

けれども、次の will はどうだろう? 「未来」を表しているだろうか?

His performance will be the reason they won.
彼のプレーが彼らが勝利した理由だろう。

この will は「未来」を表しておらず、may(~かもしれない)や must(~に違いない)と同じように、動詞に推量の意味を加えているだけだ。こうした will は「推量の will」と呼ばれていて、確信の度合いとしては may よりも高く must よりも低いという感じだ。

仮定法過去で使われる would は、この「推量の will」の過去形なので、「未来の will」とは違うということをしっかりと押さえておこう。

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仮定法過去の使い方

ここまでに学んだ、

・助動詞の過去形は「事実に反すること」を表す
・仮定法で使われる would は、推量の will(~だろう)の過去形

という2つのポイントを踏まえて、仮定法過去の使い方をマスターしよう。

1. 主節では助動詞の過去形(would, could など)を使う

仮定法過去を使った英文をいくつか挙げるが、まずは主節の動詞(V)に注目してみよう。

If I were you, I would tell her how you felt.
もし私があなたなら、彼女に自分がどう感じているかを伝えるけどなあ。

※助動詞の過去形 would だからといって「過去のこと」ではない。
※ここでの would は「推量の will」の過去形。

If I had more knowledge, I could help you better.
私にもっと知識があったら、あなたをもっと上手く助けられるのに。

※助動詞の過去形 could だからといって「過去のこと」ではない。

If you changed your diet, you wouldn’t have these symptoms.
食べるものを変えれば、そうした症状は治まるのに。

※否定文の場合には would not / wouldn’t となる。
※ここでの would は「推量の will」の過去形。

このように、仮定法過去では助動詞を過去形にすることで「事実に反する」ということを表現している。

※本ページ「助動詞の過去形は『事実に反すること』を表す」を参照。

2. if 節では動詞の過去形を使う

一方、if 節の中では助動詞 would は使わずに、動詞の過去形を使う。

If I were you, I would tell her how you felt.
もし私があなたなら、彼女に自分がどう感じているかを伝えるけどなあ。

※仮定法過去では、I に対しても were を使う。
※口語では was も使われる。

If I had more knowledge, I could help you better.
私にもっと知識があったら、あなたをもっと上手く助けられるのに。

If you changed your diet, you wouldn’t have these symptoms.
食べるものを変えれば、そうした症状は治まるのに。

ここで気になるのは、どうして if 節では「助動詞の過去形」が使われないのか、ということだろう。

なぜ if 節では would が使われないのか?

理由は、if 節の中には話し手が「推量していること」がくるのは当然で、わざわざ推量の助動詞 would(推量の will の過去形)を使う必要がないからだ。

If I would have more knowledge

↓ if の後ろでわざわざ推量の助動詞 would を使う必要はないので……

If I would have more knowledge

↓ ただ、would を省略すると「事実に反する」ということを表せない。そこで……

If I had more knowledge

残った動詞 have が、代わりに過去形 had になってくれている!

このように、本来であれば助動詞を過去形にすることで「事実に反する」ということを表すところを、推量の助動詞 would が省略されてしまう if 節の中に限り、動詞(ここでは have)が過去形となり、「事実に反する」ということを助動詞の代わりに表してくれているのだ。

これが、仮定法過去において、if 節の中で動詞の過去形が使われる理由だ。

「可能」と「推量」の意味を併せ持つ could は、if 節でも省略されない

今お話ししたことがわかれば、if 節の中で could が使われる理由もよくわかる。

could の現在形 can は「~できるだろう」という意味を持つが、そこには2つの意味合いが備わっている。「可能」と「推量」だ。

can=できる(可能)+だろう(推量)

※これは「可能性の can」と呼ばれるもので、「能力の can」とは違うもの。

この「できる」という意味を持つところが、単なる推量の助動詞 will(~だろう)との違いだ。そして当然、過去形の could にも「できる(可能)+だろう(推量)」という2つの意味がある。

would のように単に推量(~だろう)の意味しか持たないのなら、「if の後ろは話し手が推量していることだとわかるから、わざわざ助動詞はいらないよ!」ということで省略されるが、可能(~できる)と推量(~だろう)の意味を併せ持つ could はそうもいかない。could を省略してしまうと、推量(~だろう)の意味だけでなく、可能(~できる)の意味まで消えてしまう。

これが、仮定法過去において、if 節の中だったとしても could は使われる理由だ。

would と could の違い

なお、仮定法過去で would と could をどう使い分けるのか迷うかもしれないが、基本的には「~できる」という意味を含ませたいかどうかで判断できる。

would=だろう(推量)
could=できる(可能)+だろう(推量)
If I had more time and money, I would take more art courses at school.(○)
もっと時間とお金があったら、美術科を選択するのに。

If I had more time and money, I could take more art courses at school.(○)
もっと時間とお金があったら、美術科を選択できるのに。

※この文脈だと、would でも could でも違和感はない。

If you could do anything regardless of money, what would you do?(○)
お金に関係なく何でもできるとしたら、あなたは何をするだろう?

If you could do anything regardless of money, what could you do?(△)
お金に関係なく何でもできるとしたら、あなたは何をできる?

※後者は意味の繋がりがちょっと変。

If I had more knowledge, I could help you better.(○)
私にもっと知識があったら、あなたをもっと上手く助けられるのに。

If I had more knowledge, I would help you better.(△)
私にもっと知識があったら、あなたをもっと上手く助けるのに。

※後者は意味の繋がりがちょっと変。

さいごに「思い込みさえ外せば、仮定法過去をマスターできる」

仮定法過去という表現は、いくつもの思い込みが重なって理解が遠のいてしまいがちだ。けれども、ここでお話ししたように、

1. 仮定法過去とは、今の事実に反すること表す「動詞(V)」のこと
2. 助動詞の過去形は「事実に反する」ということを表す
3. 仮定法過去で使われる would は、推量の will(~だろう)の過去形

という3つのポイントを押さえておけば、かなり定着しやすい単元でもある。なお、仮定法についてより理解を深めたい場合には、英語学習ボックスの無料の動画講義(全31回)がかなりお役に立てるだろう。

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