主格の関係代名詞を省略できる3つのパターン(重要度順)
目的格の関係代名詞が省略できるのに対して、主格の関係代名詞は省略できないというのが英文法の基本だが、次の3つのケースでは、例外的に、主格の関係代名詞を省略することができる。
1. 連鎖関係代名詞
2. 関係詞節の中が there 構文
3. 補語Cになった関係代名詞
これらのケースでは、関係代名詞の直後にSVが続くため、目的格の関係代名詞に近い感覚が生まれるというのが、主格であるにも関わらず省略できる理由だ。
主格の関係代名詞を省略できる3つのケース
主格の関係代名詞を省略できるのは、次の3つのケースだ。
1.連鎖関係代名詞
2.関係詞節の中が there 構文
3.補語Cになった関係代名詞
それぞれ、詳しく見ていこう。
1. 連鎖関係代名詞
連鎖関係代名詞(後ろで動詞が連続する関係代名詞)とは、that 節の中の主語Sが関係代名詞になったもののことで、説明を簡略化する場合には、“I think” や “you believe” などが挿入された関係代名詞だと言われることもある。
(メアリーはその人物です。+私はその人物は真実を知っていると思う。)
↓ 関係代名詞を使って繋ぐなら、the person が主格の関係代名詞 who になって……
Mary is the person who I think knows the truth.
(メアリーは真実を知っていると私が思う人物です。)
ここでの who は、that 節の中の主語Sが姿を変えたものなので「主格」だが、例外的に省略することができる。
(メアリーは真実を知っていると私が思う人物です。)
連鎖関係代名詞は、文法問題などでも頻出なので、以下のページで詳しく学んでおこう。
2. 関係詞節の中が there 構文
there is 構文の名詞は主語Sに当たるので、それに由来する関係代名詞は「主格」だ。
例えば、次の2つの文を関係代名詞を使って繋げることで、それが「主格」だということを確認してみよう。
(これはもっとも古い木です。+その公園にもっとも古い木がある。)
↓ 主語Sの the oldest tree が主格の関係代名詞 that になって……
This is the oldest tree that there is in the park.
(これはその公園にあるもっとも古い木です。)
※ここでの that は there is 構文の主語Sに由来するので主格
そして、こうした there is 構文の主語Sに由来する関係代名詞は、主格だが省略することができる。
(これはその公園にあるもっとも古い木です。)
(冷蔵庫にあった最後のケーキ、食べた?)
こうした表現では、直後に「動詞」ではなく “there is” が続いているため、目的格の関係代名詞に近い感覚が生まれる。主格の関係代名詞であるにも関わらず省略されるのは、そのためだ。
3. 補語Cになった関係代名詞
ここは少し細かな話だが、古い英語では、関係代名詞に限らず、補語Cになる代名詞には「主格」が使われていた。
That may be he.
(あれは彼かもしれない。)
ただ、現代の英語では、補語Cになる代名詞は「目的格」にするのが一般的だ。
That may be him.
(あれは彼かもしれない。)
さて、こうした古い英文法に沿うとしたら、補語Cになっている関係代名詞は「主格」ということになるが、省略することができる。
(ジョンは昔と同じ人ではない。)
(その庭は嵐の前にそうだったような美しいオアシスに戻った。)
さいごに|英文法をマスターしたいあなたへ
ここでは、主格の関係代名詞が省略される3つのケースについて学んだが、こうした英文法(語順のルール)は読解力や表現力の土台になるものだ。
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きっと、英文法への苦手意識を克服するキッカケになるはずだ。
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