不定詞の最後に前置詞がある理由|to write with の with って必要?
形容詞的用法の不定詞(〜するための、など)を学んでいると、
- I need something to write with.
- Do you have any topic to talk about?
のように、前置詞( with や about など)で終わる不定詞に出会うことがある。
ここでは、こうした前置詞が必要な理由について、丁寧に整理していこう。
to write with の with が必要な理由
“I need something to write with.(何か書くためのものが必要です)” という表現で、形容詞的用法の不定詞の最後に前置詞 with が必要なのは、関係代名詞を使って表現するときにも、最後に with が必要なのと同じ感覚だ。
「不定詞」と「関係代名詞」は、それぞれを別々に学ぶことが多く、その共通点を見落としがちだが、両者には名詞を修飾する形容詞のカタマリ(形容詞句・形容詞節)を作るという大事な共通点がある。
(SVがない大きな形容詞)
I need something to write with.
(何か書くためのものが必要だ。)
※ “to write with” は something を修飾する大きな形容詞
(SVがある大きな形容詞)
I need something (which/that) I can write with.
(何か書くためのものが必要だ。)
※ “(which/that) I can write with” は something を修飾する大きな形容詞
こうした「形容詞的用法の不定詞=関係詞節」という視点を踏まえて、もしも前置詞 with がなかったらどうなるのかを見てみよう。
※ご参考:関係代名詞の省略について
もしも with がなければ……
先ほどの関係代名詞を使った英文で、もしも前置詞 with がなければ、「 something(例えばペン)を書く」という不適切な意味になってしまう。
関係代名詞には「2つのSVを繋ぐ」という接続詞の働きも備わっているが、逆に、2つのSVに分けることで、そのことを確認してみよう。
I need something (which/that) I can write. (×)
↓ 2つの文に分けると……
I need something. + I can write it. (×)
※ “I can write it” だと「 something(例えばペン)を書く」という意味になるので不適切
このように、関係詞節の最後に with がなければ、something(何か)が「書かれる対象」となり、不適切な意味になってしまう。
同様に、形容詞的用法の不定詞の最後にも with がなければ、やはり、something(何か)が「書かれる対象」になってしまう。こうした不正確な意味にならないように必要なのが、前置詞 with ということだ。
形容詞的用法の不定詞でも必要
I need something (which/that) I can write with. (○)
= I need something to write with. (○)
不定詞の最後に前置詞がある例文
ここまでの流れを踏まえて、形容詞的用法の不定詞の最後に前置詞がある英文(前置詞がなければ成り立たない英文)をいくつか見てみよう。
= I'm looking for something (which/that) I can write on.
(何か書き込むためのものを探してるの。)
※関係詞節で on が必要なので、形容詞的用法の不定詞でも on が必要
= Do you have any topic (which/that) we can talk about?
(何か話す話題はありますか?)
※関係詞節で about が必要なので、形容詞的用法の不定詞でも about が必要
= I found a friend (whom/who/that) I can go out with.
(一緒に出かける友だちが見つかった。)
※関係詞節で with が必要なので、形容詞的用法の不定詞でも with が必要
さいごに|英文法は「共通点」に注目して学ぼう
ここでは、形容詞的用法の不定詞の最後に前置詞がある英文を、同じ形容詞の働きをする関係詞節に置き換えて考えることで、前置詞が必要な理由が明らかになった。
このように、実は英文法(語順のルール)はすべてが繋がっているので、英文法を腑に落とすためには、それぞれの単元の「違い」だけでなく「共通点」にも目を向けて学ぶことが重要だ。
中でも「自動詞と他動詞の違い」はあらゆる表現の基礎になっているので、興味や必要性があれば、以下のページの動画で確認しておこう。