まずはここから!英語の名詞の5つの使い方
名詞とは「人・もの・こと」を表す言葉で、英語では主にS(主語)・C(補語)・O(目的語)として使われる。
ここでは、名詞の基本的な使い方を学んで、英文法(語順のルール)の土台作りをしていこう。
なお、「文の要素(S, V, O, C)と品詞は違う」ということを理解できているという前提でお話ししていくので、不安があれば以下のページを参考にしてほしい。
この記事を読んで得られること
- 英語の名詞の使い方がわかる
- 動名詞や that 節が「大きな名詞」だとわかる
- 文構造(語順)を判断しやすくなる
CONTENTS
名詞とは?
名詞とは「人・もの・こと」を表す言葉で、英語では、S(主語)・C(補語)・O(目的語)、ときにはM(修飾語)として使われる。
なお、代名詞( he/she や it など)を名詞とは別の品詞として扱うこともあるが、英文における使い方という点では名詞も代名詞も同じなので、私が授業をする中では「代名詞は名詞の一種」としてお話ししている。
名詞の5つの使い方
名詞には次の5つの使い方がある。
最初は「え、5つもあるの!?」と思うかもしれないが、ここを早い段階で覚えておくと、他の単元や表現(不定詞・動名詞・that節・間接疑問文など)が身に付きやすいので、頑張ってみる価値がありそうだ。
1. 主語Sとして使う
私の携帯は今にも壊れそうだ。
※名詞 My phone が主語S
あなたの考えは表面的には合理的に聞こえる。
※名詞 Your idea が主語S
2. 補語Cとして使う
これは私のカバンで、あなたのではありません。
※名詞 my bag が第二文型(SVC)の補語Cになっている。( This = my bag )
私のことはタツと呼んでくだい。
※名詞の一種である固有名詞 Tstsu が、第五文型(SVOC)の補語Cになっている。( me = Tatsu )
なお、補語Cとは、第二文型(SVC)においては主語Sと、第五文型(SVOC)においては目的語Oとイコール関係にある言葉だ。
詳しくは以下のページで解説しているので、不安があれば参考にしてほしい。
3. 他動詞の目的語Oとして使う
あなたの髪型、好きだよ。
※名詞 your haircut が第三文型(SVO)の目的語Oになっている。
私は彼女にある提案をした。
※代名詞 her や名詞 a suggestion が第四文型(SVOO)の目的語Oになっている。
なお、目的語Oとは、動作の対象となる名詞のことで、文法的には「他動詞(や前置詞)の後ろに必ず必要な言葉」のことだ。
詳しくは以下のページで解説しているので、不安があれば参考にしてほしい。
※ご参考:
目的語とは? 補語との違いや
前置詞の目的語についても >>
4. 前置詞の目的語Oとして使う
私の経験のことを言ってるんだよ、君のじゃなくて。
※名詞 my experience が前置詞 about の目的語Oになっている。
家の前で待ってるよ。
※名詞 my house が群前置詞(大きな前置詞)in fron of の目的語Oになっている。
最初は「前置詞の目的語O」という言い方がわかりにくいかもしれないが、「前置詞の後ろに必ず必要な名詞のこと」だと押さえておけば大丈夫だ。
5. 前の名詞を同格的に修飾する(修飾語Mになる)
上司は私たち女の子(女の子である私たち)に毎月ちょっとしたプレゼントをくれる。
※名詞 girls が、前の名詞 us を同格的に修飾している。
ジョンという私の犬はとてもシャイだ。
※名詞 John が、前の名詞 my dog を同格的に修飾している。
名詞と同じように使う4つのもの
英文法(語順のルール)を学ぶ目的が、英語の語順を把握しやすくなることだとすれば、「単語一語の名詞」だけではなく、代表的な名詞句や名詞節を覚えておくことがとても有効だ。
ここでは、代表的な名詞句や名詞節にどんなものがあるのかを確認しておこう。
節:SVがある単語二つ以上のカタマリ
1. 名詞的用法の不定詞
名詞的用法の不定詞は、名詞句(SVの形がない名詞のカタマリ)の一種だ。
単語一語の名詞と同じように、主語S・補語C・目的語Oになる。(また、前の名詞を同格的に修飾する修飾語Mになることもある。)
自分らしくあることが、あなたができるすべてのことだ。
※ To be yourself が主語Sになっている。
君にそのことを伝えるのをすっかり忘れてたよ。
※ to tell you about that が他動詞 forgot の目的語Oになっている。
2. 動名詞
動名詞も名詞句(SVの形がない名詞のカタマリ)の一種だ。
単語一語の名詞と同じように、主語S・補語C・目的語Oになる。(また、前の名詞を同格的に修飾する修飾語Mになることもある。)
自分の価値観に従って生きることは、ストレスを減らす本質的な方法だ。
※ Living according to your values が主語Sになっている。
二年前、ここへ来たのを覚えてる?
※ coming here two years ago が他動詞 remember の目的語Oになっている。
3. that節
that節は名詞節(SVの形がある名詞のカタマリ)の代表だ。
単語一語の名詞と同じように、主語S・補語C・目的語Oになる。(また、前の名詞を同格的に修飾する修飾語Mになることもある。)
あなたがここにいてくれることが私を幸せにしてくれる。
※ That you are here が主語Sになっている。
彼は、その夜他の誰かと会っていたということを白状した。
※ that he had met someone else at the night が他動詞 confessed の目的語Oになっている。
4. 間接疑問文
間接疑問文も名詞節(SVの形がある名詞のカタマリ)の一種だ。
単語一語の名詞と同じように、主語S・補語C・目的語Oになる。(また、前の名詞を同格的に修飾する修飾語Mになることもある。)
何を食べるかはあなた次第だ。
※ What you eat が主語Sになっている。
どうやってその問題を乗り越えたのか、教えてもらえませんか?
※ how you have overcome the problem が他動詞 tell の目的語Oになっている。
なお、間接疑問文(疑問文の意味を持つ名詞節)について、より詳しく学びたい場合には、以下のページがお役に立てるだろう。
さいごに「名詞を置ける場所を覚えておこう」
ここでは「名詞の5つの働き」と「名詞と同じ働きをする4つのもの」について学んだ。
英文法とは「語順のルール」だ。こうした英文法の基礎を押さえておけば、読解力や表現力を着実に伸ばせるようになるので、なるべく早い段階で身に付けておこう。